年請願第5号人工島関連予算を否決し、人工島事業の抜本的見直しを行うことについてに賛成し討論

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この請願は破綻した人工島事業に毎年百億円もの税金を投入することに反対し、「住民の福祉の増進を図る」という地方自治の本旨に沿った市政に転換することを求めるものです。

1998年の市長選挙では山崎市長が「引き返す勇気を持って人工島の見直しを行う」と公約し当選しました。ところが既に人工島事業は破綻しており、2000年3月に当時の協調融資銀行の一つである日本興業銀行はこのまま事業を続けても100億円の赤字なるとして融資撤退の動きを見せました。山崎市長は銀行団に同年3月31日に「決して損はさせません」という念書を書き、その後人工島に計画がなかった中央公園の建設や造成単価の半値以下での土地処分、博多港開発第2工区を埋立が済んでいないにもかかわらず399億円で買い取るなど多額の税金を投入し続けて来ました。その後の吉田市長、髙島市長と、破綻した人工島の土地処分のために、多くの市民の反対を押し切り、こども病院の移転、青果市場の移転、総合体育館建設を強行してきました。髙島市長は就任後2012年2月に人工島事業について見直しが行われ、このまま事業を進めれば160億円の赤字、最大421億円の赤字になると破綻を認めました。そして破綻した人工島の土地処分のために4年間で260億円の立地交付金を予算化して土地処分をしてきました。この立地交付金は全額一般会計で賄われるもので、本来市民の暮らしのために使われるべき税金が破綻した事業に投入されてきたのです。更に、土地処分のために開発事業者に住宅市街地総合整備事業補助金が多額に投入されて来ました。

2020年度予算でも立地交付金44億円余、市街地住宅総合整備事業補助金9億円余 、都市高速道路からの人工島への接続道路建設に22億円余が計上され、人工島事業関連予算は一般会計から港湾整備事業特別会計基金への返済としての約14億円を含めて153億円が計上されています。人工島の土地処分価格は今も埋立原価を割って処分されており、また、本来開発者である博多港開発が行うべき道路整備も福岡市が行っています。福岡市は2016年に湾計画を改定しましたが、5年を経過した新型コロナウイルス感染症による影響を受ける前において既に、貨物の取り扱い量、コンテナの取り扱い量、クルーズ船の寄港数、いずれも予測とは大きく乖離しています。過大な港湾計画を検証もしないまま港湾整備事業を進め、同じ過ちを繰り返しているのです。

安倍政権の7年間で非正規雇用が4割と増え実質賃金はマイナスとなっており、福岡市も同様な実態となっています。大企業優遇・富裕層優遇の税制、特区による規制緩和による再開発事業や大企業優遇の開発政策によるトリクルダウンは起こっていないし、起こりません。この様な中、消費税が昨年10月から10%に引き上げられ、他方医療費の負担増や国民健康保険料の引き上げなど、市民生活は一段と苦しくなっています。更に、新型コロナウイルス感染症は世界的にパンデミックになっており、世界経済そして日本経済、市民生活は甚大な影響を受けています。新型感染症終息の見通しはなく、リーマンショックを超える大恐慌と言われており、緊急に市民生活の支援、雇用対策、経済対策が必要です。緊急対策を実施するに当たり、財源としてまずは無駄な人工島事業関連の予算を停止させることです。地方自治の本旨は「住民の福祉の増進を図る」ことです。破綻した人工島に今年度も多額の税金がつぎ込まれており、2016年港湾計画と人工島事業を抜本的に見直すべきです。

以上、議員各位に本請願に賛同を求めて討論を終わります。