近年私たちは生活においても35℃以上の猛暑日が増えていることを実感しています。熱中症で亡くなる方も増えています。今年の夏、パリでは気温が40℃を超え多くの方が亡くなっています。環境省が発表した2100年の夏の天気予報では、福岡市の気温は41.9℃となっています。原因は地球温暖化です。
温暖化は世界中で様々な影響を及ぼしています。ヒマラヤ山脈やグリーンランドなどの氷河が消え、北極海では氷がなくなりシロクマが住めなくなる、海面上昇により南太平洋の島嶼国は国土が水没する…。カリブ海の島々やアメリカではハリケーンで、日本では台風や集中豪雨で、インドなど南アジアではサイクロンで、ヨーロッパ、アメリカ東北部、カナダ東部では豪雪でと、世界中で気象災害が頻発しています。さらに、内陸部では乾燥化を引き起こし、アメリカやオーストラリアなどでは干ばつに襲われています。アマゾンの森林火災も温暖化が原因の一つとして考えられています。海洋では海水の酸性化など生態系に大きな影響を与えています。気象災害は人的にも経済的にも甚大な被害を及ぼしています。いま世界では「気候変動」ではなく「気候危機」という言葉が使われています。
温室効果ガス〜急がれる排出抑制
省エネルギー生活へ転換を
地球温暖化の主たる原因は温室効果ガスによるとされています。温室効果ガスは、太陽からの光を通し地上に熱を伝えますが、地上で太陽からの熱が反射され、その反射熱の一部を宇宙へ逃がさず、地上に反射します。その結果地球に熱がたまり、暖かくなっています。温室効果ガスがなければ地球の表面温度は-19℃だと考えられており、温室効果によって平均気温が14℃前後に保たれていると考えられています。
温室効果ガスの76%は二酸化炭素(CO2)です。特に石炭や石油などの化石燃料からのものが温室効果ガス全体の65%を占めています。CO2の濃度は、1700年代後半の産業革命以降、石炭や石油の使用によって増え続け、気温は既に1.1℃上昇しています。このままCO2が増え続けると温暖化が加速度的に進み、地球には人類をはじめ多くの生物が住めなくなります。また、アマゾンなどの熱帯雨林での乱開発による、世界の森林面積の減少が温暖化を加速化させています。
グレタさん、怒りと涙のスピーチ
~大人たちは本気の対策を求められている!(←小見出し)
1972年に「ローマクラブ」が「成長の限界」を発表し、経済成長を優先させていくと地球温暖化が進み、人類に破壊的な影響を与えると警告しました。その後、1992年にブラジルのリオデジャネイロで地球環境サミットが開催され、「持続可能な開発」について合意されました。その後も1997年に「京都議定書」が締結されましたが排出抑制が進まず、2015年、新たに「パリ協定」が合意されました。協定は気温上昇を1.5℃未満に抑える努力を各国に求めていますが、CO2排出抑制の具体化はまだこれからです。予断が許されない状況に危機感を覚えたスウェーデン人高校生グレタ・トゥーンベリさんが世界に行動を訴え、9月20日には世界185ヶ国で760万人が地球温暖化防止の行動を訴えて「グローバル気候マーチ」に参加しました。ここ福岡市でも約100人が参加しました。
いま求められているのは「低炭素」ではなく「脱炭素」です。ドイツは2038年までに石炭火力発電所の全廃を決めました。しかし、日本政府は石炭火力発電所の新設を進めており、国際的に批判を受けています。私たちができることは、アマゾンなどの熱帯雨林の乱開発をやめるよう世界に求め、政府に石炭火力発電建設中止など対策を求めると共に、エネルギー消費量を減らす、再生可能エネルギーに替える、できるだけ公共交通機関を使うなど、ライフスタイルを変えていくことが必要です。私も福岡市に対して「脱炭素」に向けた政策を提案していきます。