沖縄米軍基地による環境破壊は沖縄だけの問題ではない!

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日米地位協定が沖縄県民の環境破壊を進めている

沖縄にける基地の環境問題は深刻である。騒音問題、土壌汚染や地下水汚染、更に辺野古新基地建設や高江のヘリパット建設による自然環境の破壊、更にレーダーなどの電磁波による健康被害、基地周辺での飛行体からの落下物の被害や墜落のリスクと生活の広範囲において深刻な影響を与えている。しかし、戦後74年経つ今日でも基地による生活環境の破壊は終わっていない。

普天間基地周辺の住民が2次にわたり飛行差し止めと「普天間基地提供協定」の違憲、国への賠償請求する訴訟をした。裁判所は騒音が受任の限度を超えているとして違法性を認定し、国に賠償を命じたが、飛行差し止め、日米両政府の「普天間基地提供協定」の違憲確認については、訴訟の対象外としていずれも請求を退けている。裁判所が飛行差し止めを認めないことは、基地の存続を容認し事実上住民に「受任の限度」を超える騒音を司法が強いるものである。同じ敗戦国であるイタリアやドイツでは地位協定は改定され、国内法が優先されている。日米地位協定が憲法をも超えており、戦後74年経つ今日でも日本は米軍の占領下にあると言える。日米地位協定の問題はその他の環境問題にも波及している。

沖縄の米軍基地および基地周辺における環境汚染は深刻である。PCB,枯れ葉剤、ヒ素、鉛、六価クロムなどの重金属属などの土壌汚染、泡消火器として使用されるフッ素化合物PFASによる普天間基地周辺の地下水汚染、そして沖縄県民の飲料水や生活用水がPFAS汚染されていることが問題となってきたが、解決されないまま今日に至っている。日米地位協定によって米軍の土地利用履歴が明らかにされないことや立ち入り調査が出来ないため、汚染原因及び原因者の特定、汚染経緯や汚染の範囲について明らかにされていない。同時に日本政府自体がもみ消しを図るなど、日本政府にも問題がある。沖縄の米軍基地及び基地周辺の汚染状況が明らかになり、2015年に「地位協定」に環境問題に関する補足の協定を結び、汚染の実態が明らかになった場合は立ち入り調査が出来るとしたが、その為には合同委員会での協議を必要としており、事実上骨抜きとなっている。

米軍基地による環境破壊は沖縄だけではない

沖縄で起こっている米軍基地による環境破壊は、岩国、横田、三沢など本土でも同じように進行している。岩国では自衛隊の飛行差し止め訴訟を起こしたが敗訴。現在米軍艦載機が移転してきており、騒音被害がひどくなっており、つい最近ではF35がバードストライクで離陸できない事故が起こっている。まさに墜落事故と隣り合わせの実態が見えている。三沢でもF35が訓練中に墜落事故を起こしており、基地周辺住民はいつ事故に遭遇するか分からない恐怖を抱える生活が強いられている。横田基地では夜間飛行差し止め訴訟は9次にわたり裁判が起こされたが、国の賠償は認められるも飛行差し止めは認められていない。横須賀米軍港における原子力艦船による放射能汚染や事故のリスクについて懸念されているが、日米地位協定の壁に阻まれ、実態は明らかになっていない。市民や研究者による米国の情報公開等で断片的に把握できているが、国は積極的に情報公開と対策を図る意思は見られない。

基地問題解決には日米地位協定の抜本的改定と戦争法・特定秘密保護法の廃止が必要

安倍政権が憲法改悪し自衛隊を軍隊にしようとしている今日、沖縄の基地問題に向き合うことが私たちの生活環境を守るためにも必要である。日米地位協定だけではなく、特定秘密保護法によって沖縄で起こっている基地への立ち入り調査拒否や情報の開示拒否は、米軍だけでなく自衛隊でも起こっていく。この福岡において、かつては米軍基地による様々な被害があったが、福岡市議会,自治協議会をはじめとする地域団体,県,市,その他各種団体など全市をあげて基地返還運動に取り組み、大部分は返還されたが未だ福岡空港内には米軍基地が残っている。オスプレイが福岡上空を自由に飛び回り、福岡空港及び現在建設中の奈多のヘリパットを基地として使用することも十分考えられる。沖縄の基地問題解決を図ることなしにはこの問題は解決できない。憲法改悪を阻止すると共に、国内法が優先するよう日米地位協定の抜本的改定し、戦争法及び特定秘密保護法を廃止させる必要がある。