福岡空港の民営化(コンセッション)その後

Pocket

○コンセッションとは

コンセッションとは民間事業者が投資家から資金を集めSPC(特別目的会社)を設立し、国や自治体から施設の運営権を買い取り、収益事業を行なうもの。施設は国や自治体の所有となるが、SPCは日常的な施設の維持管理を行い、使用料等を自由に決めることが出来ます。

PFIはSPCが施設の建設及び維持管理を一体で受注し、発注者の自治体は20年~30年程度の期間で使用料としてSPCに分割払いします。この仕組みは基本的にコンセッションも同じですが、異なるのはPFIは施設の利用者から徴収する料金は自治体が決めますが、コンセッションはSPCが利用者の利用料金を決めることが出来ます。

PFIもコンセッションも事業内容は公開されないため、自治体の議会では本当に安くなるのか検証できません。また、福岡市のPFIの事例を見ると働く人の賃金が引き下げられることから、低賃金構造を助長する恐れがあります。

PFIもコンセッションもSPCは利益が出る業務しかしないし、リスクがあるものや収益を悪化させるものについては自治体が負担するケースが多い。

○福岡空港の運営会社

○福岡空港の民営化(コンセッション)の大きな課題

  • 借地料(年間80億円)は国が負担すること
  • 国と民間事業者のリスク分担などが課題
  • SPCの計画では現在44路線乗降客2,380万人を2048年には100路線乗降客3,500万人にするとしており、周辺地域の騒音問題が更に深刻化する。
  • 超高齢化、人口減少が進む中で海外からの来福者を1,000万人増やす計画になっているが、様々な都市問題を惹起する恐れがある。

○福岡空港の完全民間空港化が必要

福岡空港はまだ日本人が立ち入ることが出来ない米軍専用区域(基地)が残っていること、また滑走路は米軍と共用になっており、軍事空港であり完全な民間空港になっていない。滑走路が2本になれば基地機能としては拡充される。米軍基地である限り、有事(戦争状態)には福岡市は軍事目標となり、また米軍の海外への軍事行動に利用される。完全民間空港を実現する必要がある。

※増設される滑走路の建設費用1,643億円