2017年11月14日
福岡市長 髙島宗一郎様
ふくおか緑の党
共同代表 あらき龍昇 えとう真実
Jアラートによるミサイル対応訓練の中止を求める申し入れ
髙島市長は12月1日にJアラートを活用したミサイル対応訓練を行うことを発表しました。某国から弾道ミサイルが発射されたとの想定でJアラートによる伝達訓練と避難訓練が実施されるとのことです。避難訓練についても「身を守るための避難行動」だけではなく、市営地下鉄の「全列車を一旦駅に停車」するというものです。こうした訓練を行うことは、他都市の事例を見ても、市民に無用の混乱を引き起こすだけでなく、北朝鮮に対する敵意と排外主義をあおることに繋がりかねません。
北朝鮮をめぐる「危機」の原因は、北朝鮮とアメリカは休戦状態で、朝鮮戦争が終わっていないことにあります。朝鮮戦争を終結させ、北朝鮮を国際社会に組み入れることが解決の本質であり、北朝鮮の核開発問題・弾道ミサイル開発問題の解決、さらに拉致被害者救出に繋がります。小泉元首相と北朝鮮金正日前書記長とが交わした「日朝平壌宣言」があり、対話と交渉による解決を進めるべきです。安倍首相がトランプ大統領の好戦的な発言に便乗して対話よりも武力による威圧を表明していることこそが、偶発的な戦争を起こしかねない危険な行為です。
安倍首相の「武力による平和論」は、国民に無用な危機をあおることで「戦争法」を正当化し憲法を改悪しようとするもので許されません。安倍首相のこのような政策は、アメリカの「エア・シー・バトル構想」の下、仮想敵国である中国との覇権争いの先兵として自衛隊の地対艦ミサイル基地を先島諸島および奄美に配備し、辺野古新基地建設強行にも現れています。
福岡市の訓練は安倍政権の「戦争をする国」に向けた政策に荷担するもので、地方自治体の本旨である「住民の福祉の増進」に反するものです。
8月と9月の「ミサイル騒動」では、「頭を抱えればミサイルに対処できる」という「現代版竹やり訓練」が行われ、すでにミサイルが日本上空を通過しているのに住民を避難訓練に従わせるという状況を招いています。かつて日本政府は地方自治体を使い、国民を戦争に動員しました。この反省の上で日本国憲法がつくられました。国の間違った政策に対して、地方自治体として国に異議を申し立てる責務があります。「Jアラートが要らない社会」こそ、自治体が目指すべきだと考えます。
ふくおか緑の党は、12月1日のJアラートによるミサイル対応訓練を中止するよう強く求めます。