プライバシー侵害のマイナンバー制度は中止に!

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行政手続における特定の個人を識別するための番号 (以後マイナンバーと呼ぶ) の利用等に関する法律の実施のため、10月5日から福岡市から市民にマイナンバー通知カードが送付され、来年1月1日からマイナンバーカードの発行としようが実施されます。

<マイナンバー制度はプライバシー侵害>
マイナンバー制度の最大の問題は、プライバシー侵害です。マイナンバー制度は様々な個人情報が生涯一つの個人番号に紐付けられるため、もし情報漏洩すれば多大な影響を生じることは、年金情報漏洩を見ても明らかです。韓国やアメリカではなりすましによる被害が多額に上っています。海外ではプライバシー侵害の問題から共通番号制度は見直しの動きがあります。住基ネットは行政内での本人確認にのみ使われていましたが、このマイナンバー制度は官民で利用されることとなっており、情報漏洩のリスクは一層高くなります。マイナンバーカードには4情報とマイナンバーが記載されており、カードを作った場合は個人での管理が求められます。高齢者や社会的弱者の負担が大きくなります。
また、現時点では法は名寄せはできないとしていますが、警察の捜査には個人番号は利用でき、特定秘密保護法により特定秘密とされれば私たちの個人情報がどのように使われたかは分からなくなり、住所・氏名など4情報だけでなく、収入、財産、健康情報、更に消費動向まで、私たち国民は丸裸で国に情報管理されることに繋がりかねない問題をもっています。

<穴だらけのシステム>
更に、通知カードは簡易書留で送られるため、受け取りの問題が生じます。DV被害者は住所を秘匿する必要があることや、震災被災の避難者や原発避難者など現住所にいない人、また入院や転居時などで届かないケースが起こり、かなりの返却が見込まれています。返却されたものは再度通知されますが、3ヶ月過ぎても受け取りがない場合は住民票が抹消されるというとんでもないシステムです。加えて、受け取りの確認は返却されなかったことをもってなされるので、本人確認はありません。他方、カード発行するためには、写真と通知カードを「地方公共団体システム機構」(ナンバー付けと全国のカードを発行)に送る必要があり、通知カードが盗まれるあるいはなくした場合にはなりすましが可能です。すでに住基ネットでは発行通知書がだまし取られることでなりすましが起こっています。また、ホームレスの方や無戸籍の方の問題も残されています。
また、自治体からの情報連絡経路の中間サーバーは東西各一箇所、相互にバックアップする仕組みであり、事実上一箇所となっています。中間サーバーには個人ナンバーが蓄積されており、リスクが高くなっています。

<マイナンバー制度で儲かるのはIT関連業者>
このマイナンバー利用のシステム構築に国は2000億円から3000億円、地方自治体も同額程度の多額の経費がかかるとしています。民間事業者の負担も多額にのぼることが想定されます。消費税の還付のために利用する話も出ており、中小零細事業者の負担は一層大きなものになります。中小零細事業者の情報管理が大きな問題となっており、情報管理請負業者が暗躍しています。益々リスクが大きくなります。
しかし、自治体及び市民にとってそれに見合う利便性、必要性がどれだけあるか多くの疑問があります。自治体にとっては既存のシステムで十分対応でき、マイナンバー利用によって自治体での利便性が高まるとは考えられません。また市民にとっても住民票や印鑑証明など年に1度使うか使わないかがためにこの様なシステムを急いでつくる必要はありません。さらに、マイナンバーカードを使用するときには、目的に応じて4種の暗証番号を使い分けなければならず、使いづらいものです。

<自衛のためにはマイナンバーカードは作らないこと>
上述のように重要な問題をはらんでいますが、報道によると民間企業の準備は8月時点で2割から3割程度しかできていないこと、また市民にも十分理解されていません。この様な状況であるにも拘わらず、国はマイナンバーを利用する前から、銀行、医療など民間利用を拡大しようとしています。これは一層個人情報漏洩のリスクを高め、人権侵害に繋がる恐れがあると考えられます。この様な状況において、国がマイナンバーの利用及び利用拡大することは認められません。マイナンバー制度は直ちに中止するよう求めます。私たちの自衛策としては、マイナンバーカードは作らないことです。マイナンバーカードがなくても通知カードがあれば 通常の手続きは問題ありません。マイナンバーカード発行150928 001マイナンバー制度150925 001