9月議会報告

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議案質疑

9月議会で問題山積のマイナンバー利用中止を求める!
番号法が一昨年成立し、全ての国民に12桁の番号(マイナンバー)が付けられます。9月定例議会では、10月5日からマイナンバー通知カードを各世帯に配布し、来年1月1日から利用ができるよう準備するためのシステム改修及び諸経費の補正予算案と、市役所内でマイナンバーを利用するための条例が議案として提出されました。これまでの住基ネットは行政内だけで本人確認に使えあれるものでしたが、マイナンバーは①個人番号に様々な情報が紐づけられる、②官民供用システムなので情報漏洩の危険が高くなる、といった点が大きく違います。そのため、年人情報漏洩のようなことが起これば、その被害の程度は格段に大きくなります。韓国やアメリカでは、なりすましによる被害が多額に上っています。
国は税、社会保障、災害だけをとしていましたが、まだ実施もしていないのに10月に改正案が可決し、銀行や医療にも拡大し、情報を民間利用することも可能となりました。他方、報道では民間企業・法人では2~3割しか準備できてない、国民の多くには理解されていないとしています。法律では当面名寄せ(情報を集める)は禁止されていますが、警察の捜査では自由に使え、また特定秘密保護法が施行されているため、特定秘密に指定されれば私たちの情報がどのように使われるのか分かりません。マイナンバー制度は、住所・氏名など4情報だけでなく、収入、資産、病歴、消費動向など私たちの個人情報が国に一括管理されかねない、人権新我の恐れが強いものです。
システム改修には国は3000億円程度、自治体も同手の負担が必要と言われ、民間も多額の負担が求められます。中小零細事業者の負担は更に重くなります。自治体では現状のシステムで十分対応でき、自治体の利便性向上には繋がらりません。またマイナンバーカードを使うためには用途に応じて4種の暗証番号をつくらないといけないなど、市民にとっても利便性向上に繋がりません。
以上のことから、国にマイナンバー利用をやめるよう求めることを福岡市に求めました。

財政優先で幼児教育を放棄する市立幼稚園全廃に反対!
福岡市は財政改革の一環として、私立幼稚園があることを理由に市立幼稚園全園を廃園にする議案を9月議会に提出しました。廃園に当たり説明会を開催し、市民の意見を集めてきますが、市民の声は廃園に反対する声が圧倒的に多く、廃園反対の請願も数多く出されていました。論点の第1点として、他都市では幼児教育の実践研究の場として残しており、福岡市としてもこれまでの実績を生かして全てを廃園にすべきでなく一部残すべきと主張しました。第2点は、市立幼稚園は福岡市との合併の経緯から市街化調整区域近くに多くあります。市街化調整区域の人口減少対策が課題となっており子育て世代の定住促進として市立幼稚園を活用することを提案しました。この様な理由から全園廃案の議案に反対しました。

人口減少対策としての市街化調整区域の開発基準緩和に関連して子育て世代など定住支援策を求めました!
早良区南部や西区西北部など市街化調整区域での人口減少が課題となっていました。9月議会では定住促進とコミュニティ活性化のために、従前から集落を形成している区域内で建築基準を緩和し、新たな住宅建設や賃貸住宅建設ができる、一定規模の土地分割ができ、土地処分もできるように開発基準を緩和します。定住促進策には賛成しますが、和歌山市のように市街化調整区域の開発規制緩和によるスプロール化(開発の虫食い状態)が生じないよう福岡市の将来構想を求めました。
また、子育て世代の定住を図るためには、幼稚園や保育園などの子育て環境の整備、コミュニティバスなど移動の確保、空き家バンクなど住み替えの仕組み、6次産業化支援などの就労対策などの総合施策を求めました。定住促進には地域での受け入れ体制が必要であり、地域の合意づくりが重要です。土地処分が可能となるなど新たな利害関係が生じ、利害調整が重要であり、区域指定の合意形成との透明化を求めました。

都市高速道と人工島との接続道路が具体化、工事費292億円に増額、不要不急の事業に反対しました。
接続道路建設のための都市高速道路計画変更の承認が議案となりました。事業費は労務単価の上昇・資材の上昇(15億円)、消費税10%に値上げ(12億円)、設計を詳細に検討したによる追加工事(15億円)の必要から、当初250億円としていていましたが292億円なっています。事業費の内訳は高速道路事業として154億円、街路事業として28億円、港湾整備事業として110億円とのこと。それぞれの事業の内福岡市が直接負担する額の合計は89億円となっています。国の借金は2015年6月時点で短期借入金を含めて1057兆円、福岡市の借金は2015年度末で2兆4000億円です。中国経済の失速に見られるように世界経済は低迷、日本経済も少子高齢社会に加え人口減少による経済の縮小指摘、国も福岡市も今後税収増は見込めず、僅か数分しか時間短縮効果がない不要不急の事業に89億円も使うことは許されません。

一般質問

「平和のための戦争展」の名義後援拒否について地方自治の視点で問題を指摘!
「戦争のための平和点」は3年間連続して福岡市の名義後援を受けてきました。ところが今年は市がホームページなどの調査によって、主催者の一人である漫画家の西山氏の漫画に「原発はいらない、」「消費税増税はやめろ」「原発再稼働反対」と書かれていること、ジョイント企画の講演の講師である吉岡九大教授が「脱原発をしなければいけない」という立場にあることを理由に名義後援を拒否しました。市の言い分は国論を分けているものに後援することは行政の中立を保てなくなるというものです。この市の主張は第1点として関係者の思想をチェックした行為で憲法が保障する思想信条の自由を侵していることが問題です。第2点として地方自治体は国とは独立した機関であり、地方自治の本旨は住民の福祉の増進を図ることです。国の恣意的な政策に対して住民の立場から主張する責務があります。函館市は、対岸の大間に進められている原発建設差し止めを求める訴訟を起こしました。三重県松阪市長は安倍政権の集団的自衛権は憲法違反として閣議決定に反対する声明を発表しています。沖縄では自衛隊の募集を拒否している自治体があります。中立という言葉で時の政府におもねることこそ民主主義の基本である住民自治を自ら否定するものです。

函館市のように、福岡市は地方自治の視点から原発廃炉に取り組むことを要求!
北海道函館市は対岸の青森県の大間町に建設される原発から最も近いところで25km、50kmに市域がほとんど含まれます。函館市は昨年4月、国に対して大間原発の建設を中止させることを求めて裁判を起こしました。憲法に保障された地方自治とは、主権者である国民が地方における事務を主体的に担うことであり、その機関である地方自治体は国とは独立したものです。玄海原発川僅か40km~60kmふぃある福岡市も、万が一にも家発の過酷事故が起こればたちまち住めない街になる可能性があります。玄海原発のために防災計画をつくり、訓練をする、おかしいと思いませんか。そもそも玄海原発を稼働させなければよいのです。原発はなくても電気は足りており、一体誰のための避難計画なのか、函館市のように地方自治の本旨の下、福岡市は玄海原発再稼働差し止めるに取り組むことを求めました。

27年請願第11号市立幼稚園の存続について不採択に反対する討論
私は「緑と市民ネットワークの会」を代表して、27年請願第11号市立幼稚園の存続についてに賛成する討論をします。

福岡市が市立幼稚園8園を全て廃園にすることが今議会に上程されていますが、廃園の理由は財政問題であることは明確です。そのことは市の説明の第一に市立幼稚園の園児の少なさ、また市立幼稚園の園児にかかる市費の多さを理由に挙げていることに端的に示されています。

市立幼稚園が果たしてきた役割として、障害児の受け入れ、幼小連携、幼児教育の実践を積み重ね、福岡市にける先進的役割を果たしてきた市立幼稚園の位置を認めていないことにあります。加えて、低所得者の幼児教育を保障してきました。小学校内に併設されている幼稚園の役割は、教育実践・研究の場として大きなものがあったと言えます。教育委員会は公的幼児教育が果たす重要性を訴えてきた現場や保護者の声を聞くことなく、「福岡志市保・幼・小・中連絡協議会」を開催することで良しとしていますが、果たしてそれだけで十分なんでしょうか。

地域説明会では市立幼稚園の存続を強く求める市民の意見が多く出され、また平成25年度実施のパブリックコメントでも市立幼稚園存続を求める意見が多数を占めています。この様な現場の声、保護者の声について、教育委員会は市内の私立幼稚園では内容に幼稚園教育要領に基づき、幼児教育にふさわしい教育が行われていると答えています。論点は市立幼稚園が果たしてきた公的幼児教育の役割であり、福岡市としての幼児教育に対する施策が問われているのです。京都市や神戸市など他都市においては、幼児教育に対する幼児教育の実践・研究の場として市立幼稚園を維持しています。いま問われているのは、福岡市が教育関する政策です。

教育委員会は平成18年の包括外部監査の意見を持って、市立幼稚園廃園の根拠としていますが、包括外部監査において指摘されていることは、「全国的に公立幼稚園の存廃が議論になっており、存続させる場合にはその存在意義や市立幼稚園の果たす機能や役割を明示する必要がある」としています。この包括外部監査の指定するとおり、存続を求める現場の声及び保護者の声は、市立幼稚園がこれまで果たしてきた研究・教育実践のうえに幼児教育のさらなる発展のために存続の必要性を訴えるものです。

また、廃園される市立幼稚園の中には設立の経緯から市の郊外に設置されている園があります。いま、福岡市では市街化調整区域の人口減少が課題となっており、子育て世代の定住化が図られています。市立幼稚園の存続は、教育・研究実践と同時に、市街化調整区域おける子育て世代の定住化政策としても意味あるものです。

市長は基本計画で「都市の成長と生活の質の向上の好循環」を謳っています。都市の成長は将来を担う子ども達の成長であり、教育の質の向上こそが求められています。今回の市立幼稚園全廃はまさに福岡市の都市の成長と生活の質の向上に大きくブレーキをかけるものといえます。改めて市立幼稚園全廃を見直すことを求めて討論を終わります。

意見書案

意見書案第12号原子力発電所の再稼働を求める意見書(案)に賛成する討論

私は「緑と市民ネットワークの会」を代表して意見書案第12号原子力発電所の再稼働を求める意見書(案)に賛成して討論します。

九州電力は安倍政権の方針に基づいて、川内原子力発電所を再稼働しました。各種世論調査において国民の過半数が原発再稼働に反対するなか、こうした政府方針と九州電力の対応は民意に反します。
福島第1原発の事故収束の見通しはなく、原因究明も安全対策も不十分です。そもそも、福島第一原発事故により原発の安全神話は消え去り、原子力規制庁も「事故が起こらないという保証はない」と言わざるを得ない現状です。
また、事故によって自分の意思とは関係なく生活を奪われた13万人もの避難者が、いまだ苦しい生活を余儀なくされています。多くの避難者に対して東電からの補償はない、もしくは十分でない状況です。放射性物質による長期の環境汚染や、事故が起こらなくとも貯まり続ける放射性廃棄物は、将来世代の生活にも大きな負担を残します。
昨年5月の大飯原発再稼働差し止め訴訟・福井地裁判決では、〈人の生存そのものに関わる権利と、電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるべきではない〉、〈豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻せなくなることが国富の喪失だ〉と述べ、経済活動重視の原発再稼働論を批判しました。この指摘のとおり、生命を脅かす原発をなくしていくことが国民の願いであり、私たち世代の責任です。
原発が止まったこの約2年間、その電力がなくとも経済も国民の暮らしも成り立っています。ドイツのようにエネルギー消費を減らし、地産地消型の再生可能エネルギーへと転換を図ることで、新たな雇用創出やCO2削減を進める、そうした選択も可能なのです。しかし安倍政権は、エネルギー基本計画で原発をベース電源と位置づけ、再稼働を強引に進めています。安倍政権のエネルギー政策も、それに沿って再稼働を進める九電の姿勢も民意に反します。
特に川内原発は、近隣に巨大カルデラが存在し、活断層もあることや、内陸型地震でも想定できない揺れが生じていることなどから、極めて危険な原発です。また、鹿児島県の避難計画にも問題があることが指摘されています。私たちはこの危険な川内原発の再稼働を認めることはできません。
川内原発の次は玄海原発が準備されています。原発を稼働させることで過酷事故のリスクが生じ、そのために多大の経費と労力をかけて避難計画をつくり、日常的に準備しなければなりません。また稼働すれば放射性ガスは必ず漏れだし、冷却水からは多量な放射性トリチュウムが海水へ排出され、環境汚染、ひいては健康被害を生じさせます。電気は余っており、原発がなくても経済もくらしも維持できる状況で、なぜ原発を稼働させなければならいのでしょうか。。
大間原発から最も近いところで23km、大半が50km圏内にほとんどの市域がある函館市は市民の生命と安全を守り、市の存続危機を防ぐために大間原発建設差し止め訴訟を起こしています。玄海原発から近いところで37km、60km圏にほとんどの市域がある福岡市として、函館市同様に、市民の生命と安全を守り、市の存続危機を防ぐために玄海原発再稼働を止めるべきと考えます
私たちは、今後とも原発事故被災者に寄り添いながら、地球上からすべての原発をなくし、エネルギー大量消費型社会から転換していくことを目指します。今を生きる世代の責任として、全ての原発の再稼働に反対し、将来への負担を減らし、かけがえのない地球の美しい未来をつくることを訴えて討論を終わります。
安保法制関連法案の採択を強行しないよう求める意見書(案)に賛成する討論

私は「緑と市民ネットワークの会」を代表して意見書案第11号安保法制関連法案の採択を強行しないよう求める意見書(案)に賛成し、討論します。

先日の参議院特別委員会での安保関連法案、いわゆる戦争法案の強行採決に強く抗議します。いわゆる戦争法案は多くの法曹関係者や学者が憲法違反と指定している法案です。この戦争法は日米ガイドラインを実体化するための法案であり、アメリカ軍と自衛隊の一体化を進め、アメリカ軍の指揮の下に世界各地で戦争が出来るようにするための法案です。そのことは、国民を戦争に巻き込み、日本がテロの対象になりかねない危険状況を生み出します。また、経団連は防衛産業を日本経済の柱にすることを公然と求め、5月には横浜市で戦後初めて国内で武器の展示会が開催されています。安倍政権はまさに戦争経済へ突き進むことを明確にしています。
この戦争は、日本弁護士会や憲法学者などだけではなく、元最高裁判所長官や元内閣法制局長官も違憲と断しています。山口元最高裁判所長官は9月3日の共同通信の取材に「集団的自衛権の行使を認める立法は憲法違反と言わざるを得ない」とし、政府が砂川事件判決や72年の政府見解を合憲性の根拠と説明していることに「論理的な矛盾があり、ナンセンスだ」と厳しく批判しています。また、大森元内閣法制局長官は9月8日に開催された参議院平和安全法制特別委員会の参考人質疑で、「内閣が閣議決定でなし得る範疇を超えた措置で無効」と述べ、砂川事件判決を根拠として集団的自衛源を認めた現内閣法制局は職務怠慢と指摘しています。
各種世論調査を見ても、いまなお過半数を超える国民は戦争法案に反対してます。NHKの7月衆議院強行採決直前の世論調査では、議論は尽くされている8%、尽くされてされていない56%、9月の直近の調査では議論は尽くされているは6%、尽くされていないは58%となっており、参議院での審議で一層戦争法案は問題があるという認識が国民に広がっていることを示しています。また、全国の大学教員や様々な分野の研究者、文化人なども戦争法案に反対の声をあげています。国会前及び全国各地では連日戦争法案廃案を求めて集会がもたれています。この声は与野党の枠を越えており、自民党広島県会議員が首相官邸を訪れ法案撤回を求めています。また、創価学会員も安全保障関連法案に反対を表明しています。この様な国民の声を聞くことこそ政権の責任であり、民主主義のあるべき姿です。
9月5日に開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議の議題は元切り下げ問題など中国経済を巡る会議でした。世界は経済で繋がっており、かってのような帝国主義的侵略戦争はあり得ません。中国脅威論は現実とはかけ離れており、尖閣問題は外交問題として解決すべきもので、集団的自衛権とは無関係です。北朝鮮脅威論も同様に外交問題であり、集団的自衛権とは関係ありません。審議されている安全保障関連法案も、当初安倍首相が説明していたホルムズ海峡の機雷封鎖は外交で解決されるなど、立法事実がないことが明らかとなっています。武力ではなく外交力が問われています。平和憲法により戦後70年間海外で銃を発射しなかったという国際的信用こそ生かし、国際平和に寄与すべき時です。国会及び国は国民の声を受けとめ、憲法を遵守し、戦争法案を廃案にすべきです。
また、福岡市は空港、港湾鉄道、道路の結節点であり、病院も多くあるまさに兵站部としての機能を有しています。方イラク戦争時には福岡空港を経由して弾薬などが運ばれた事実もあり、戦争になれば軍事目標になりかねない都市です。政府・与党及び国会が健保違反の戦争法を成立させようとしているいまこそ、国と独立した機関である地方自治体として、福岡市議会は地方自治の本旨則り、市民の命とくらしを守るために行動すべきです。議員諸氏の賛同を求めて賛成討論を終わります。