きらら浜自然観察公園調査

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きらら浜自然観察公園査報告
日時 平成24年10月30日(火)
目的 人工島野鳥公園整備についての学習のため
説明 原田量介きらら浜自然観察公園園長

1,きらら浜自然観察公園建設までの経緯
 戦後の食糧増産を目的に1946年から1964年にかけて285ヘクタールが埋め立てられた。1964年に国営干拓事業として阿知須干拓地が竣工したが、農地として利用されることなく放置された来た。その後港湾の浚渫土砂処理の必要から再埋め立てが行われることになった。当初は土捨て場として北九州空港が検討されていたが間に合わず、阿知須干拓地に再埋め立てされることになった。1987年から始まり1998年に30ヘクタールを残して埋め立てを終了した。長期にわたり埋め立てが放置されていた干拓地は野鳥の楽園になっており、再埋め立ての反対運動が起こり30ヘクタールが残されることになった。埋め立て地は国から県が譲り受け、残された30ヘクタールを「山口県立きらら浜自然観察公園」として整備され、2001年に開園した。

2、公園の概要
 総事業費 35億円、内施設建設等整備に24億円が使われた。全体の構成は淡水湖池したにシートを貼り海水の侵入を防いでいる)、ヨシ原(再埋め立て前の水田の状況を維持)、干潟(東京湾の海面0メーターに合わしている)汽水池(淡水池より30㎝下げ淡水が自然流下し汽水になるようにしている)、周囲を潮風に強う自生その樹木で樹林を形成している。周囲は2.2kmの散策路となっている。
 公園の超奥部にビジターセンターがあり、観察の器具や展示、学習室が設けられている。ビジターセンターには観察用の望遠鏡と、各池に設置されたカメラが捉えた画像が展示室のモニターが見れるようになっている。また、展示室の観察用望遠鏡の画像がモニターで見れる。淡水池には観察用の東屋が世地位、ヨシ原の端には全体が眺望できる監査等が設置されている。ビジターセンターは山口湾との境に設置するよう要望したが受け入れられなかった。
 きらら浜自然監査公園は人為的に環境が維持管理されている。角池には水門やポンプがもういけられ、水位は常に監視しビジターセンターでコントロールされている。各池の水はビジターセンターの中に表示されている。淡水湖の水は雨水をためてポンプで送っている。淡水池から汽水池に自然流下するすることで汽水池を作っている。。ヨシ原は陸化しないように、一つは水位を調整して水没させることで陸生植物の侵入を防ぐ、二つ目にはヨシ原の野焼きをすることで堆積を防いでいる。人為的にコントロールしているために維持管理費がかかる。

3、野鳥の状況
 開園当初は大型の白鳥がヒシクイなどが飛来していたがこなくなった。現在はカモ類や猛禽類が主である。樹林は育ち実を付ける樹が増えてきたことで山鳥も多く観察できるようになった。現在211種が観察されている。

4、運営
 2001年開演当初から6年かは財団法人山口県公園財団が管理していたが、2007年から入札となり、野鳥の会が中心に作ったNPO法人「野鳥やまぐち」が管理している。環境行くなどのプログラムを組んできた実績が落札の理由である。現在10名、内常勤6名非常勤4名となっている。レンジャーは4名と園長がやっている。

5,利用状況
 ビジターセンターの入館者は年間1万4千人ほどで、ビジタセンター以外での観察者がいることを考えるとこの数字の倍の利用者が来ていると思われる。団体利用は年間100団体ほど、そのうち小学校の利用は約半分。利用を促すために春秋にまつりを企画している。阿知須町8千人の規模から考えるとそれなりの利用と考えている。

まとめ
 きらら浜自然観察公園は周辺が海と山に囲まれ、規模以上に広く感じる。環境としては大変良いところであるが、アクセスに難点がある。周辺地域は人家は極めて少なく、山口市などからも距離がある。。阿知須干拓地もまた埋め立て地は土地が売れないため公園整備が行われている。
 博多湾の人工島に野鳥公園が計画されているが、そもそも自然を破壊しそこに野鳥公園を作る計画自体が愚かな話しではあるが、事態が進む中で次善の策を提案せざるを得ない。それは公園として掘るなら和白干潟と同じ高さに削って放置し、潮の満ち引きによって復元させる。淡水池を作り人為的に管理するのは大変な投資と経費を生じる。大規模湿地にし国際的な会議も出来るようにすべき。更に和白干潟集水域の保全を進めることも重要である。