福岡市は青果市場を西部、中央、東部の3青果市場統合移転させる計画を進めており、用地買収議案として2月議会で補正予算案を提出予定です。多くの青果物取扱事業者が反対しているにもかかわらず、人工島に西部、中央、東部の3世か市場を統合して人工島に移転させようというのです。何故現場の声を聞かずに人工島に移転するのでしょうか。こども病院人工島移転同様、破綻した人工島事業の売れない土地を処分するためです。
そもそも青果市場は鮮魚市場傍にあり、塩害による被害があるために内陸部の五十川に移転しました。ところがまた港湾部に移転するというのです。このことに多くの事業者が反対しています。加えて、人工島に移転することで遠くなり、時間と経費がかかると云うことでも多くの事業者が反対しています。破綻した事業の男菜埋めに市民が犠牲になるということは、本来市民に対する奉仕者である市民が雇用者である市当局及び議会が市民の声を無視すという逆転した状況となっていることがおかしいのです。
同じような話しが東京の築地魚市場の移転計画です。多くの事業者が反対しているにもかかわらず、東京都は築地の魚市場を埋立地の臨海副都心に移転させる計画を進めています。臨海副都心は1979年(昭和54年)に竣工し土地処分が始まっています。しかし30年以上経つ今日でも土地は売れ残っているのです。この売れない土地を処分するために魚市場を移転させるというものです。
行政や議会は自らの失敗には何の責任も取らず、全て住民にツケをまわす構造は全国至る所で見られます。しかしもうこのような構造は変えなければいけません。世界では国民の怒りで独裁政権が倒れています。名古屋市でも市民の怒りで議会が解散させられました。この福岡市でも市長選挙ではこども病院人工島移転反対の根強い声によって、「移転事業は白紙で見直し、事業は凍結」となっています。次は住民投票を否定する議会、こども病院人工島移転を推進する議会を変えましょう。
下記の文章は私たち博多湾会議が2月議会に提出する請願です。
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青果市場の統合移転に伴う人工島用地取得費54億円補正予算の不採択を求める請願
請願理由)
福岡市は土地代163億円、建設費170億円の市費を投入して、福岡市の三つの青果市場を人工島に統合移転する計画(以下、移転計画)を立て、2月市議会に初年度分の用地取得費54億円の補正予算を計上しました。私たちは次の理由でこの補正予算の不採択を求めます。
1.三つの青果市場は福岡市内の博多区那珂,西区石丸、東区下原と分散的に配置され、福岡市民の日々の生活に貢献してきました。出荷市場は生産者にとっては運賃コストなどの経営面において、市民にとっては鮮度高い青果物を消費する生活面において、また、運搬車両の環境負荷とエネルギー消費の面においても市内の適所に配置されていることが不可欠です。しかし、統合移転は多面にわたって不便となります。
出荷する人は出荷できなくなるのではないかとの不安をいだき、仲買・卸・小売など青果物取扱事業者には経営が厳しくなると根強い反対があります。
2.人工島の埋め立て計画には青果市場を建設するという計画はありませんでした。貴重な博多湾の海面を埋め立て市民の自然財産を壊して造成された人工島の土地に、いままた市民生活を不便にする青果市場を統合移転の計画地にされたのです。
取得予定の人工島造成地は産業開発用地であり、本来は民間に売却してその代金収入を福岡市の造成費に充てる土地処分計画があったところです。その販売計画が頓挫したからといって、事業収益の穴埋めに福岡市の予算つまり私たち市民の税金を投ずる統合移転計画を容認できません。
3.今回の移転計画は各市場施設の老朽化・狭隘化を理由としていますが、本当に建て替えが必要なのか、また、利便性の高い現在地での補修・改築では対応できないのか等移転の必要性が市民に納得いく説明が行なわれていません。
4.交通アクセスも説明されていません。流入する運搬車両が増えれば、橋でしか繋がっていない人工島は島内・周辺で交通渋滞が慢性化する危険性もあります。
むすび
合計330億円の市費投入となる移転計画は、市民に新たな税負担と生産・生活の不便さを強いるだけのものです。市民生活安寧や農家など関係者の経営安定につながるのか、また自然環境を損なわないのかといった問題の市民的論議を抜きにしたまま進行しようとしています。透明で民主的な手続きを経ない移転推進は福岡市政に禍根を残します。
最後に、市議会は公聴会を開催して問題を明らかにすべきです。
請願項目)
青果市場の統合移転に伴う人工島用地取得費54億円補正予算の不採択を求める請願
署名欄)
団体名 博多湾会議
代表者名 共同代表 荒木龍昇 印
住所 福岡市早良区有田5丁目17-7
共同代表 脇 義重 印
住所 福岡市東区奈多1丁目6-13