先日の報道では地下鉄七隈線をキャナルシティ経由で博多駅まで延伸させる案に主要会派が合意したと報道されいます。しかし、そもそも博多駅まで延伸させる必要があるのでしょうか。キャナルシティ経由の路線は1.4km、建設費は450億円です。しかも既にある空港線と平行して天神ー博多駅艦を運行することになり、相互の競合する関係になります。路線が増えれば利用者が2倍になる訳ではないことは誰が考えても明らかです。費用対効果を考えればこの計画は成り立つはずがありません。
そもそも天神見生井・博多駅間の1日利用者6.8万人という需要予測そのものが使用できません。七隈線の需要予測が大幅に狂っていることを見ても明らかです。さらに、開業後6年で単年度黒字、地下鉄全線に与える効果が100億円としていますが全く噴飯ものです。新ルートの利用者が増えれば、既存の空港線は減ると考えるのが妥当です。また、増える利用者の多くはキャナルシティ行と考えられ、お隣切符利用者が多いと考えラバますます採算が悪化することは見えてきます。これらを考えれば、如何にいい加減な予測が判ります。
そして世界の経済状況を見た時、福岡市は今後とも厳しい財政状況が続くと思われ、このようなムダな計画はやめなければなりません。最も少ない経費で利便性を高めるには、地下街の下の駐車場を廃止し、そこを七隈線延伸に使い、天神駅での乗り継ぎができるようにすることです。新ルート賛成の議員は一体何を考えているのでしょうか。この計画で利益は受けるのはキャナルシティを経営する福岡地所ではないかと考えています。
そもそもこのルートは地下鉄七隈線が計画された時から画策されていたと言っても言い過ぎではないと思っています。福岡地所と福岡市との開発における灰色な関係を見ずにはおれません。いずれにしてもムダな事業はやめるべきです。いま福岡市に必要なことは、50年、100年先の福岡市の街をどうするのか、自然と文化と歴史を活かした街づくり、そのための脱車社会に向けたトータル交通体系、将来に向けた街の景観形成です。全く情けない状況です。このことは福岡空港問題でも同じ過ちを犯しています。発想が前時代的、貧困としかいいようがありません。