福岡市がこども病院人工島移転広告に200万円支出

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 11月27日(金)の西日本新聞朝刊に2面に亘り「福岡市新こども病院2014年春、開院」という表題でこども病院人工島移転の広告が出されました。5年先の病院建設について何故いまこのような広告を出す必要があるのか、私たちは福岡市に抗議を含めて質問状を市長に出すとともに、この広告にかかる情報公開請求をしました。市長への質問状を秘書課に渡した後、西日本新聞社を訪れ、広告掲載の経緯について尋ねました。広告の主体が明示されていないため文責は西日本新聞と思われましたが、福岡市が200万円で依頼していたことが判りました。

 市政だよりで何度も報道してきたのに何故このような広告を出したのか、広告に広告主体を出さなかったことに福岡市の悪質な発想が見えてきます。あたかも第三者もっと言えば広告にでている福岡医師会会長、福岡地区産科医会会長、福岡地区小児科医会会長の談話をメインに載せることで、あたかも医師全体がこども病院人工島移転に賛成しているかの誤解を市民に植え付けようとするものです。

 西日本深部社の説明では市長室報道課が9月議会で議決を得たので新病院の内容について報道したいと言うことで西日本新聞社子会社の西新広社を通じて契約がなされと言うことです。9月末に報道課と保健福祉局の職員と打ち合わせを行い、取材先は福岡市が提供し、西日本新聞社が取材・編集をしたということです。福岡市医師会会長や福岡地区産科医会会長、福岡地小児科医会会長は公の立場か個人なのか確認していないと言っています。役職名を出すと言うことは組織を代表する公的なもので、報道するにあたり曖昧にすることは許されません。今回の企画の裏側を見ると、わざと曖昧にすることで責任を逃れるとともに、市民に誤解を招くよう意図的に企画したと言えます。その責任の一端は西日本新聞社にあることは明らかです。穿った見方をすれば、西日本新聞はまさに福岡市の御用新聞といわれても仕方ない広告であったといえます。今回の広告費は200万円ですが、定価は1500万円ということです。

 広告の内容は市政だよりで報道ができる内容であり、これまでも繰り返し報道してきたものです。今回の200万円の支出はまさに税金の無駄遣いであり、私たちは住民監査請求ををする予定です。悪質な吉田市長のやり方は許せません。
 

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                             2009年11月30日

福岡市長

   吉田 宏様

                      博多湾会議 

                       代表 荒木龍昇

                      こども病院の人工島移転中止を求める会

                       代表 脇 義重

         新聞広告費用への市費支出についてと問いただします

市立こども病院は福岡地域の小児救命医療で大切な役割を担い、今後もこどもの命を救う高度医療センターとしての役割が期待されています。こども病院は福岡市中央部にあってこそ、その役割を果たし、期待に応えることができると確信しています。なぜなら、こども病院が福岡市中央部、交通の要衝地にあるからこそ、市内どこからでも重篤患者を急送できるからです。まさしく、距離と時間は命の医療に直結するからです。人工島移転はこの医療の質を低下させます。

 11月27日の西日本新聞に、こども病院の人工島移転を前提・助長する「福岡市新こども病院2014年春、開院」と題する広告記事が掲載されました。そして、福岡市が同広告費用として広報課予算から200万円を支出したと報道されました。

 しかし、この意見広告に福岡市が市費を投じてよいはずがありません。市民の税金は市民の福祉向上のために、使われるべきであることは言を俟ちません。人工島への移転決定過程には問題点が数多く指摘されています。なかでも、福岡市は現在地での建て替えは費用が1.5倍になるとした移転の理由の理由とされるゼネコンからの聴き取りメモは破棄し積算データは消去し、移転案の根拠を市民に示さず説明責任は果たされないままになっています。市議会も移転根拠が示されないまま土地取得議案が議決されました。この不透明な政策決定過程と距離と時間は医療の質に直結することを考え合わせば、人工島への移転を前提・助長する同広告に市費を投ずべきではないのです。

 こども病院の人工島への移転については多くの市民が反対するなかで、また、福岡市の政策行程においてさえ地方独立行政法人の手続き未了、PFI業者の未選定という現状のなかで、どうして「2014年春、開院」と確定的内容広告に市費を投じるのでしょうか。5年先の状況についてはまだ不確定要素が多くあるのです。人工島での2014年開院を既定方針として、既成事実を積み重ねようとする悪質な意図さえ見受けられます。このような広告に市費を支出したのは不当です。

 以上のことから、広告作成・掲載に関して次のことを問いただします。

1 市外部から働きかけがあったか。

2 今回の「こども病院意見広告」掲載に関する西日本新聞社との交渉の全過程。

①福岡市から西日本新聞に広告掲載の話をしかけたのか。さもなければどこから持ち込まれた企画と認識しているか。

②広告内容について協議したか。その内容や経緯を示す文書を呈示すること。

2 西日本新聞との本意見広告についてどのような契約を結んだのか

  ①福岡市は広告依頼者なのか、賛同団体なのか。

  ②作成・掲載契約料はいくらか(全額と福岡市分)

  ③支出に関する予算科目はなにか。流用か。

  ④支払の証書

3 広告費用支出の行政目的は何か

回答期限12月10日