「検証・検討」は粉飾されていた。

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 吉田市長は「こども病院の人工島移転を見直しする」と公約しましたが、公約を反故にしただけではなく、「検証・検討」も粉飾されていました。「検証・検討」の基礎資料は山崎前市長がこども病院と市民病院を統合移転させるためにコンサルタント契約していたPwCアドバイザリー社が作成したものです。しかも契約は特命随意契約であり、その理由は市職員に調査能力がないことを理由に挙げています。PwCアドバイザリー社との契約は昨年6月1日、報告書は7月に印刷されています。さらに9月には「検証・検討」の最終報告が作られるという手際よさ。同じ会社が同じ調査をすれば同じ結果が出ることは当たり前、しかも短時間に丸投げで結論を出しています。まさに市民を騙す茶番劇です。当初からこども病院を人工島に移転させることを前提に「検証・検討」をしてきたことは明らかです。こんな状況でどうしてこども病院を人工島に移転させることができるのでしょうか。わたしたち博多湾会議は、吉田市長に抗議と公開質問状を出すことにしました。

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2008年7月28日

福岡市長 吉田 宏殿
                博多湾会議              代表 荒木龍昇
                こども病院の人工島移転中止を求める会 代表 脇 義重

こども病院の人工島移転への抗議と公開質問

吉田市長は今日にも、こども病院を人工島に移転することを正式に決めると伝えられています。しかし、利用者・家族の方、多くの福岡市民の、福岡市内の多くの小児科医・産科医が移転に反対し中止を求めています。7月5日、17日の患者家族への説明会、7月10日の市民への説明会では市は質問に答えおらず、市民は納得していません。説明責任を果さないまま、どうして移転計画を正式に決定・発表できるのでしょうか。
最近になって、市の「検証・検討」そのものが偽装であったことが明るみ出て、市長が「検証・検討過程」を通して、市民を欺いていたことが明らかになりました。こども病院の人工島移転を決め公表しようとしている吉田市長に抗議し、中止するよう求めます。

 今回明るみに出たのは「検証・検討」の基本的な資料となった2007年7月作成の「福岡市立病院経営分析報告書」で、山崎前市長がこども病院と市民病院を統合移転させるために調査を委託したコンサルタント会社PwCアドバイザリー社が作成したものです。山崎前市長がこども病院と市民病院を統合させ、人工島へ移転させる計画に多くの市民が反対していたことを受け、吉田市長は市長選で「こども病院の移転を見直す」と公約しました。当然市民は「こども病院は人工島に移転しない」と受けとめました。それが何故、吉田市長は、山崎前市長が依頼したコンサルタント会社に再び調査を依頼したのか疑問が残ります。同じ会社が同じ調査をすれば同じ結論が出ることは誰でも想像できます。コンサルタント契約は6月1日、しかもわずか2ヶ月足らずで報告書が作られ、9月には「検証・検討」最終報告が作られています。まさに悪意を持って当初から「検証検討」を偽装し、市民を欺いたとしか考えられません。

コンサルタント会社PwCアドバイザリー社の「福岡市立病院経営分析報告書」の「Ⅳこども病院・感染症センターの現地建替えシミュレーションの実施」をベースにして、当初から現地建替はやめて人工島へ移転させることを前提に「検証・検討」がなされたのです。「Ⅳこども病院・感染症センターの現地建替えシミュレーションの実施」では建替え費用は85億5千万円だったものを「検証・検討の結果」では128億3千万円に水増しする、また当仁中学校跡地は教育委員会が所管する土地なので、本来算入すべきではない土地購入費用代32億7千万円円を設定するなどの粉飾が行われています。現地建替費用が人工島での新設に比べて、5割増しになるよう意図されたものと受けとめざるをえません。このように粉飾した「検証・検討」は福岡市の社会的信用を失墜させるものであり、市民の市への信頼を裏切ることです。
伝え聞くところでは吉田市長は9月議会に人工島にこども病院用地購入する議案を提出するとのことですが、「検証・検討」そのものに信頼性がない状況で、しかも多くの市民に理解が得られていない状況では人工島におけるこども病院建設用地購入議案を出すことはやめるべきです。市民を騙す行為に対して抗議するとともに、関係当事者を含めて改めて「検証・検討」をやり直すことを求めます。

 以上述べた件に関連して、以下の質問をします。1週間以内に回答されるよう求めます。

公開質問
1、公約違反にどのような政治責任をとるのか。

2、多くの市民や多くの市内の小児科医・産科医の声を聞かない理由はなにか。

3、山崎前市長と契約していたコンサルタント会社PwCアドバイザリー社にコンサルタントを依頼した理由はなにか。

4、コンサルタント会社PwCアドバイザリー社の「福岡市立病院経営分析報告書」の「Ⅳこども病院・感染症センターの現地立替シミュレーションの実施」では、「‥検討を進めるにあたり以下のように捉えて進めることにしました」として以下の文がありますが、これは当初から現地建替えはしないことを前提にしたものではないのか。

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はじめに
 現こども病院の建物や敷地を財産基盤として診療機能の強化、更新することを目的と
して検討を進めるにあたり、基本的に以下のように捉えて進めることとしました。

1、‥既存建物改修工事に伴って診療機能停止や部分的な休止が不可欠なことを明らか
にすることによって、メリットあるプランとは言えないものであることを明らかにする
こと。
2、‥現在地が持つ制約条件や診療を継続しながらの建替え計画に付随する諸問題を明
らかにすることにより、理想からほど遠い病院にならざるを得ないことを明らかにする
こと。
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5、「福岡市立病院経営分析報告書」の「Ⅳこども病院・感染症センターの現地建替えシミュレーションの実施」では、現地建替えの費用は85億5千万円となっており、そこには解体や架設工事費、移設の費用が含まれています。しかし、「検証・検討の報告」では128億3千万円となっています。「検証・検討の結果」に記載されている約42億8千万円のローリングにかかる費用について次のことを明示すること
①何を指しているのか、費用項目を明示すること
②その根拠になる積算資料。
③結局、費用をダブルカウントしているのではないか

6、85億5千万円はPwCアドバイザリー株式会社が看護婦宿舎の解体費用など現地建替え費用を積算して出した金額だが、九州大学六本松跡地などの他の移転候補地でも同じ金額が整備費用として計上されている。整備工程がことなる各地での整備費用が統一されたのはどうしてか。各地での整備費用計算はどのようにおこなわれたのか。その積算明細を明示すること。

7、「検証・検討の結果」を粉飾した責任をとり、関係当事者を含めてやり直す意思があるか。

連絡先 福岡市早良区有田5丁目17-7
    博多湾会議代表 荒木龍昇
    電話 090―3602-3842 e-mail::f-lopas@hf.rim.or.jp