人工島にいま擬似干潟ができています。そこにはシギ・千鳥を始め多くの渡り鳥が飛来しています。その中で、世界で2000羽程度しか確認されいない絶滅危惧種に指定されているクロツラヘラサギが70羽ほど来ています。福岡市はここを埋め立てるとしていますが、埋立によってクロツラヘラサギの生息域がなくなり、国際的にも問題です。環境問題が世界の課題となっている今日、展望がない埋立を続け、世界的に絶滅危惧種として保護が求められているクロツラヘラサギの清楚うちを奪っていいのでしょうか。
吉田市長は「人工島は市民の財産になる見直しをする」と公約しています。しかし、昨年の人工島検討・検証結果は従来通り埋立をするとしています。その理由は埋立を止めればこれまで投じた資金が回収できないからとしています。埋立を続けることで本当にこれまで投じた資金が回収できるのでしょうか。博多港開発第1工区(照り葉地区)は埋立原価の半値でしか土地処分がでず大赤字を出している事実、また全国の埋立地が売れていない事実、産業構造や社会構造が大きく変わり構造的に土地需要がないことを見れば、埋立を続ければ大きな借金をつくることは明らかです。
埋め立て工事によって博多湾の自然がはかされましたが、その代償として人工島の擬似干潟に多くの渡り鳥が飛来し、絶滅危惧種のクロツラヘラサギが70羽も飛来していることはまさに天の恵みです。蔵面ヘラサギを保護し、博多湾の自然を復元することこそ市民の財産となります。近隣の韓国や台湾では、クロツラヘラサギを保護し、保護区をエコツーリズムの拠点にして観光資源としています。博多湾の自然を生かしたまちづくりを進めるチャンスです。人工島に森と干潟を再生することこそ市民の財産となるのです。
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