都市問題等調査特別委員会調査

Pocket

2005年11月16日(水)、17日(木)
16日(水):那覇市
まちづくり活動支援事業について(コミュニティいきいきプロジェクト)
那覇市の人口:31万人
小学校36校・幼稚園36校(米国統治下では小学校と幼稚園が併設であったため)
中学校17校
自治会・町内会の規模 大きなところ1500人~1200人
           小さなところは200人~50人
大道小学校区は3自治会

 那覇市のコミュニテイ支援プロジェクトの「コミュニテイいきいきプロジェクト」について調査した。プロジェクトは平成15年~17年の3カ年のモデル事業で、国の補助等を活用して実施された。予算規模は初年度400万円、2年目350万、3年は270万円となっている。なお、事業終了後の18年、19年までは栄町市場内に交流サロンを設置しそのに運営費を助成するとしている。
 事業の内容は、那覇市の大道小学校区を対象にまちづくりNPO「地域共同クリエイトスタディチーム」にまちづくり支援コーディネートを那覇市が事業委託し、市も支援して事業を行うものである。同事業を委託されたNPOは校区内にある栄町市場活性化の取り組みをしていたことから那覇市からコーディネーターを委託された。
 大道公民館に事務所およびコミュニテイサロンを設置し、ここを拠点に地域活動を企画支援してきた。課題毎に校区内町内会、小学校、共同作業所、子ども劇場などの協働で多彩な企画を実施している。しかし、あくまでも企画の中心はコーディネーターであり、地域の町内会やPTAなどが中心になり得ていない。那覇市内の町内会・自治会の組織率は平均で27%、多いところでも40%前後、10%程度のところが多く、組織がないところもある。町内会・自治会が組織出来ない理由に役員のなり手がなく、現在の役員の多くも高齢者ということである。PTA活動も子どもの問題には取り組むが、地域との連携はなく、小学校も地域については積極的に支援するが総合事業など学内に関することは外部からは受け入れない。地域の連携ができておらず、個々の企画は成果があっても地域に根ざしたものとして継続ができない状況である。「地域共同クリエイトスタディチーム」のメンバーは若くて意欲があり、企画力もあるが、事業は平成17年で終了するため、今後の発展が難しい状況である。事業が継続出来ない理由は財政問題であり、折角の企画が中途挫折ということである。
 担当者は、那覇市の状況ではもっと小さな単位のコミュニティ規模でないと住民の協働意識が難しいとニューヨーク・イサカ等の例を挙げているが、今回のモデル事業を見る限り、財政問題が芽を摘んだと思える。那覇市では今後協働のまちづくり事業として町内会に公園管理を委託するということであるが、その理由は市が管理すると2億円であったものが人材シルバーセンターでは1億円で委託出来、町内会であれば6千万円程度でできるということにあるらしい。コーディネーターを無料ボランティアではなく職能として生活が保障する必要があると担当者が語ったが、那覇市にはその方向があるとは見えなかった。

17日(木):那覇空港
那覇空港の総合的な調査について(パブリック・インボルブメント等について)
 那覇空港においても平成14年12月の国土交通省交通政策審議会航空分科会の答申において、那覇空港、新千歳空港、福岡空港の3空港が照葉地域拠点空港と位置づけられて、調査がなされている。那覇空港は福岡市と異なり、観光地ということから昼間の時間帯がピークとなっていること、自衛隊との共用空港で自衛隊が離発着の20%を占めており、離発着容量を増やすために沖合展開を求めていた。那覇空港でも福岡空港と同様に、国土交通省と沖縄県がPI(パブリック・インボルブメント)行っており、今年8月1日から9月30日まで第1ステップ、那覇空港の現状と課題についての報告書がPIにかけられ、そのとりまとめが終わりその評価が、私たち訪れたの前日16日に行われた。評価委員会では、もう少し関心が持たれるよう工夫が必要という指摘はあったが、ほぼ目的は達せられたとい事で了承されたとい事である。
 今回のPIはあくまでも那覇空港調査連各会議の報告の内容についての理解を求めたであり、沖合展開すべきなどの判断を求めたものでない事を確認した。来年の8月にはステップ2として需要予測をPIにかけるということである。需要予測については国土交通省が行うことになる。那覇空港の場合は離島が多く、飛行機の依存が高い、また小型機が多い。那覇空港における容量限界の基礎となる時間当たりの離発着回数は23~38回と幅があり、福岡空港とは異なる計算をしている。その理由について質問したが、航空機の大きさによって離発着時間が異なるため幅を持たせているということである。福岡空港においても来年はステップ2で需要予測を行うことになっているが、福岡市では今後航空機は小型が主流になり離発着回数は増えると考えているようであるが、小型になれば離発着回数は増えても単純に容量限界に達するとは限らない事が分かった。むしろ空港内の誘導路の整備等が問題解決の鍵と思われる。
 那覇空港の問題は滑走路の沖合展開の問題よりも、自衛隊との共用の問題、米軍の問題が大きいように思える。沖合展開すれば、珊瑚礁等環境に大きな影響を与えることにな流事が想像される。沖縄の根本的な問題は基地問題ということを改めて感じた。
 県の説明後那覇空港の施設を見学した。