2005年8月1日(月)
審議事項:請願審査2件
1)城南区田島1丁目、マンション建設反対について
2)南区平和2丁目、マンション建設における自然環境、生活環境の保護のための規制お よび条例の見直しについて
1)田島1丁目、マンション問題
ここのマンション建設問題の争点は、①道路幅員が3.88mしかないにもかかわらず40戸のマンションを造ろうとしていること、②周辺は低層住宅地であり、周辺住宅に調和した建築、3階以下の住宅か戸建て住宅にしてほしい、可能であれば公園にして欲しいということである。
まず第1点については、私を含め全ての議員がこんな狭隘な道路に面したところに40戸ものマンションを建てることについて問題とした。車の離合も出来ないところに毎日40台を超える車が出入りすることが周辺住民および通学など児童にいかに危険であるか、また梯子付き消防自動車は入れず、火災など緊急時に人命などに危険が生じるおそれが大きいこと等を考えると、事業者は全く非常識である。1000㎡を超えると開発許可が必要であるが、既存宅地という理由で開発許可申請をしなくてもよいとしたことについても批判が続出した。このような事案の場合、担当課だけでなく、建築審査会など第三者による審査など、キチン倒した審査の仕組みが必要であると指摘された。本当にこんなところに大規模なマンションを許可していいのか、市の姿勢が問われた。良好な住環境を作るために、積極的に事業者を指導すべきという指摘が繰り返された。また、事業者の対応も、弁護士を使い、建築の妨害をすれば損害賠償をも辞さないという、脅しともいえる文書を送りつけているなど、住民と話し合う姿勢に問題がある。
第2点については、周辺住民は当該地を除いて建築協定を結び、10m以上の建物が建られないようにした。住環境を守るために自ら努力をしており、市は住民の声を受けとめるべきである。昨年12月に景観法が施行され、良好な住環境を維持できるようにさまざまな手法で規制できるようになっている。福岡市として、早急に実効ある施策をとるべきであると指摘した。多くの議員から市が本当にまちづくりを考えているのがという厳しい指摘がされたが、これから検討するいう答弁に終始した。私は、建築基準法だけでなく、道路法や消防法の視点からも法的に再度検討し厳しく指導するように求めた。
私は、そもそも福岡市の都市計画のあり方に問題があると考えている。道路を基準に機械的に用途指定を行い、将来のまちづくりの構想を持たないことや住環境の実態とはかけ離れた用途指定していることに紛争が絶えない理由がある。加えて、従来の建築基準法や都市計画法では現状に対処できな状況についての認識が薄く、景観法の活用など積極的に良好な住環境を守る姿勢がない。
2)南区平和2丁目について
ここでの問題は、①住民に対する事前説明が3回の資料投函ですませていること、②保存樹を簡単に解除できかつ伐採されたこと、③開発行為が申請と異なっているのではないか、④狭隘な道路に面して工事が行われることについて住民との協議が済むまで工事をやめて欲しいということである。川上議員から、高低差が10m以上あるにもかかわらず開発行為にならないことはおかしい、また、4mしかない道路をそのまましていることは問題であり、このような大規模工事の時には道路を拡幅するためにセットバクするよう指導べきではないかと、福岡市の開発認定のあり方やまちづくりあり方、姿勢が厳しく指摘された。市は、本体部分以外の切り土・盛り土部分が全体の15%未満なので開発行為に当たらないとしているが、本体部分を含めると大規模な斜面開発であり、斜面緑地保全についての意思が欠落している。機械的な処理しか考えず、市民が緑地保全を求めていることに何ら対応しようとしていない。
私は先日調査にいた事例として世田谷区では斜面開発の規制や緑地確保のために敷地毎に規模に応じて緑被率を指定するなど緑化を進め、良好な住環境維持を図っていることと対比し、福岡市の姿勢を問いただした。福岡市に世田谷区のような姿勢が微塵もなく、市民の声を受け入れることさえ考えてない現状が浮き彫りとなった。
また、住民は条例そのものの効果に疑念を持っており、事業者の誠意のなさと市の対応に不審を持っている。市は事業者からしか報告を受けず、住民からの確認をしていない。事業者にキチンとした説明を行なわせ、誠意ある話し合いを進めるべきところが、市は市民の不信感をを払拭させる努力をしているようには見られなかった。市は事前の説明のあり方や事業者の報告の確認の仕方を見直し、相互に誠意ある話し合いが出来るように指導すると答えたが、同じことが繰り返し起こっていることから、重ねて条例運用のあり方を見直すように求めた。
以上2件について、市が事業者をキチンと指導することを求めて継続審議とした。