第4委員会

Pocket

2005年7月15日(金)
所管事務調査:財団法人福岡市森と緑のまちづくり協会について

 財団法人福岡市森と緑のまちづくり協会(以下協会)は福岡市が100%の財団である。事業内容から、都市整備局、農林水産局、土木局所管となっており、担当委員会は第4委員会となっている。
 職員の構成は理事長を含め市の職員39名、固有職員25名、吝嗇の職員97名(OB66名)計161名である。事業規模は平成16年度で一般会計46億7千万円余、都市緑化基金特別会計600万円余、収益事業特別会計(駐車場管理および公園等での売店などの便益事業)2億8千万円余である。
1)協会の必要性について
 私が今回問題にした第1点は協会の必要性である。一般会計の事業における市からの受託事業の額は44億6千万円余、95.5%を占めている。この市からの受託事業のうち再委託されている事業は28億円、再委託率は60%ととなっている。市派遣職員は4分の1に上り、嘱託職員の中の市職員OBを含めると65%を占め、管理職は市の職員で占めていることを見ると、事実上市の一部分である。協会の必要性そのものが問われる。平成15年度の包括外部監査でもこのことが指摘されており、協会のあり方の見直しを求めていた。
 この質問に、市は指定管理者制度の導入など、民間に出来ること都市が出来ることを整理すると答えた。駐車場の管理は指定管理者を導入するが、公園等の管理は当面協会を指定管理者として、順次民間への移転を行うとしている。特に区が管理する公園については箇所数が多いため、協会で一括管理した方が人材的には効率がよいと答えている。しかし、外郭団体でなければならない理由にはならない。市の外郭団体の改革でも見直しをするとしており、具体的方向が示されるべきであるが、具体的な方向の回答はなかった。
2)入札制度の改善について
 第2点は、包括外部監査で駐車場の管理を警備会社に委託するに当たり、入札方法が不明朗であると指定されていたが、その後の検討状況を尋ねた。市は、協会が行う入札については予定価格を事前公表するなど市の入札と同様な措置を執り、透明化を図ると答えた。しかし、現在の市の入札方法も問題があり、また協会が公園管理などの入札を今後も行うことから、入札について今後も監視が必要である。
3)人工島に優先的にお金を使うことの問題について
 第三点は、人工島の公園建設(駐車場部分)のために都市施設建設基金を取り崩し、4億5千万円を寄付すること、9月の緑化フェアに協賛団体として緑化基金を取り崩して1億円寄付するとしている点について問題であると指摘した。都市施設建設基金は都市施設の整備のための基金であり市民のために使われるべきものであり、6億1千万円のうち4億5千万円も取り崩して人工島の整備に使うことは問題である。また、協賛団体として緑化基金から1億円もの寄付をすることも、本来広く市民の緑化に使われるべきものが人工島のために使われのは問題である。明らかに、全ての財源を人工島に優先的につぎ込む市の姿勢が見られ、その結果市民に身近な公園や緑地の整備にお金が回らないことになる。平成17年度予算でも、福岡市の財政が厳しいために外郭団体の基金から寄付させている。ここまで財政が厳しいにもかかわらず、財源を人工島に優先的に使う実態がここにもでている。