第4委員会報告
日時 2004年9月24日(火)
議題 財団法人福岡市防災協会
防災協会は100%福岡市が出資している外郭団体である。係長以上の管理職は消防局から出向、係員は嘱託職員で構成されている。主な業務は市の受託事業である防災センターの維持管理及び運営、市民への防災意識の啓発、救急救命の講習や、収益事業である防火管理者や危険物取扱責任者等の資格取得のための講習会、連結送水管試験等の事業、関係図書等の出版販売、消火器等の販売などである。平成15年度は防災センターの来館者は12万2千人よと増えており、出前講習会等市民への講習会は延べ187回、9896人参加と増えている。
平成15年度は消防法が改正され、新たに「防火対象物提起点報告制度」が施行され、防火対象物は専門知識を持つ「防火対象物点検資格者」に定期的に点検させ、消防署長へ報告しなければならなくなった。そのため、「防火対処証物点検資格者」の資格取得講習会を始めたため、収益事業である特別会計は1100万円もの大幅な黒字となった。しかし、次年度以降は受講者は減ると見られる。この制度は新宿歌舞伎町など相次ぐ雑居ビル等での火災による人命が失われる事態に鑑み、新たに作られた制度であるが、点検に経費がかかるということで報告義務があるにもかかわらず報告はまだ徹底していない。福岡市でも10.6%しか報告がされておらず、全国的にも報告は10%程度ということである。今後制度の徹底が求められる。
今回の黒字の内700万円は一般会計に繰り入れられ、防災センターの設備の補修に使われということである。この件に関連し、指定管理者制度の検討がなされているが、指定管理者制度を導入すれば、このような黒字はどのように扱われるのか、質問した。施設の維持管理は基本的に施設の所有者である福岡市がしなければならず、指定管理者は管理運営が任せられるだけである。この件については、財政局と協議中ということである。センターの管理運営と防災センターの受託事業は基本的には一体のものと考えられ、指定管理者を防災協会にした方がよいのではないかという私の質問に、防砂協会もして医管理者の候補からはずれているわけではないと答えた。指定管理者を防災協会以外にしても特段メリットがあるとは考えられず、むしろデメリットの方が多いと思われる。自治法改正により、公共施設は平成18年度までに直営にするか指定管理者に委託するのか決めなければならない。機械的に入札にするのではなく、政策と目的を整理して総合的に判断すべきである。総務省でも必ずしも競争入札にしなければならないとしているわけではない。政策目的をはっきりすればよい。
このほか、市民局防災部との役割分担を市民にわかりやするように、また教職員の救急救命講習を徹底するように、風害対策のマニュアルを作り市民に周知させるように、AED(自動除細動器(心臓停止を防ぐ機器))の市内への配置と普及を求める意見が出された。AEDは今年8月から一般人でも使えるようになったため、全国で配置する動きが出ている。