第4委員会報告
日時 2004年6月8日(火)
議案 請願審査2件
1)南区長丘5丁目(仮称)「リスタコート長丘」建設反対
2)東区千早「アプローズ千早」マンション計画の変更
1)リスタコート長丘
マンション予定地は第1種住宅地区、15メートル高度規制の地区である。建坪率60%、容積率150%となっている。今回、3階建ての社宅が売られ、5階建てのマンションが計画された。住民の主張は、多く2点である。①従前の建物と同じ3階建てにして欲しい、②作業時間は9時から17時にして欲しいと言うことである。事業者は、①経営上5階を変更できない、②作業時間は8時から18時30分としており、ゴミ置き場の設置場所の変更、駐車場をピット式にする、入り口の吹き抜けを2階までに下げるなど部分的には変更したが、2点では調整が出来ていない。現在杭打ち機を倒して工事は中止しているが、工事協定が出来ないまま公示を始めたことが住民の不信感を募らせている。
建築基準法にあっていても、従前から住んでいる人にとっては日陰が生じる、景観が変わる、ビル風が起きる、工事中の交通事故の心配など新たに我慢が強いられることになる。事業者としては、住民の理解が得られるよう努力する義務がある。
今回でも基本的な問題は、建築基準法に適合すれば住民への影響は一方的に無視できるのかということである。福岡市も紛争解決に関する条例を作り、事業者に指導しているが、日本の法の問題が大きい。また、福岡市はどのようなまちにするのか住人自身のまちづくりのルール作りを支援しているとしているが、土地利用計画(用途指定)に住民の声が反映できているのか、その仕組みが大きな問題である。
もう一点は、民間企業による建築確認が出来るようになったことが、今後も問題を拡大させる要因と思われる。日本ERI株式会社による建築確認は、市で手続きするよりも事業者の意向が反映できるため増えている。既に50%を超えているという。何でも規制緩和で本当によいのか、建築確認のあり方で見直しすべきである。
この請願は継続審査となった。
2)アプローズ千早
福岡県住宅供給公社が県営住宅建て替えを行い、高層化することで出来た空き地を民間に売却した。売却するにあたり、平成12年に近隣住民と交わした協定は、購入者も継承するとなっていた。協定書では、建て替えにともない敷地の道路沿いに2メートルの歩道を設置するとなっていた。その土地を福岡市に譲渡するとなっているが、有償か無償かと記載してないことをいいことに、福岡県住宅供給公社は理研ハウスに歩道部分も含めて売却した。理研ハウスも協定書を引き継ぐとして歩道設置をしているが、この部分を敷地面積に参入し、容積率との関係でより大きな建物が建てられるようにした。理研ハウスは購入者に将来福岡市に譲渡する旨を説明文に入れているが、購入者全員の同意がなければ福岡市に譲渡できず、また福岡市は無償での譲渡でなければ歩道の管理はしないとしている。 住民は、6メートルの狭い道路に新たに130台の自動車が通行することになるので、2メートルの歩道を福岡市に無償譲渡すし歩道を確保することと、出入り口を国道3号線沿いに作ることを求めている。歩道部分ぎりぎりに立てているため、建物の位置を2メートルずらすよう求めている。住民は現状では歩道が確保できないおそれがあり、また新たな交通の発生で交通事故の心配をしている。
問題は、福岡県住宅供給公社が歩道部分を福岡市に無償譲渡せず、すべてを曖昧にしたまま理研ハウスの売ったことにある。また、理研ハウスも利潤追求のみを考え、より大きな建物を造るために歩道部分を敷地に繰り入れ、購入者にすべての負担を求めようとしている。そこには住民の切実な思いを配慮することなく、お金だけを追及する福岡県住宅供給公社と理研ハウスの姿が見える。一義的には福岡県住宅供給公社の責任であるが、事業者の社会的責任として、何も知らない購入者に責任を転嫁するやり方は問題である。いずれにしても、歩道を無償譲渡し問題解決した後工事に掛かるべきである。
この請願は住民の主張を認めて採決すべものと思ったが、継続審議となった。