1が23日に博多港開発の第2工区の埋立免許が切れました。博多港開発は22日に免許継続の手続きをし、福岡市は23日に許可をしています。免許更新の際の書類を情報公開で手に入れましたが、このままでは事業継続が難しく、銀行も貸さない中で、福岡市の200億円の融資枠による緊急融資という公金投入を繰り返すことになることは明白です。破綻が明らかな人工島事業をわずか2かで許可すという暴挙に、本日(5日)直ちに抗議しました。
のこの日は都市問題調査特別委員会が午前中あり、中央青山監査法人による外郭団体の経営審査結果を記載した報告書が4ヶ月間隠されていたことが大きな問題となりました。この補酷暑には、博多港開発が事業続けることは難しいという内容の厳しい意見が書かれてあります。これを見れば、免許許可はあり得ないでしょう。
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平成16年2月5日
埋立免許延長許可への抗議
人工島点検を点検する会 事務局長 中尾武史
博多湾市民の会 代表 安東 毅
博多湾会議 事務局長 脇 義重
福岡市議会議員 荒木龍昇
山崎市長は博多港開発株式会社の、人工島2工区の埋立免許延長申請をわずか2日余りの審議で認可した。
私たちは同申請書を点検したが、埋立事業継続の理由、土地処分の適正さ、博多港開発㈱の事業遂行の資力の有無、いずれをとっても公有水面埋立法に定められた面許認可の基準を満たしているとは考えられない。
1) 事業継続の理由
申請書では福岡市が長期計画で人工島を「新しい産業集積拠点の形成」「高度な住環境の形成」と位置づけていることを事業継続の理由のひとつにあげているが、現実に土地処分の見通しが立たないことは、人工島においてそのような用途への需要がない、あるいは乏しいことを意味している。
いま埋め立て事業を続けなければならない差し迫った理由はない。
2) 土地処分の適正さ
申請書において計画されている土地処分予定価格は現実を踏まえたものとは考えられない。
計画では住宅地の処分価格を104,800円/m2(集合)、 57,700円/m2(戸建)、研究施設用地の処分価格甘い見通しを130,000円/m2としているがいずれも甘い見通しに基くものである。
住宅地は、現在公募中の用地が市の予定価格を4-5万円/m2下回る水準で分譲される見通しだと伝えられにもかかわらず、それを反映しておらず、また研究・産業用地についても箱崎埠頭の公示価格を上回るような水準で大規模な土地の買い手がつくとは思われない。しかもこの処分単価は年を追って上昇する(年4%)ことが予定されており、これも非現実的な前提である。
3) 埋め立て事業者としての資力
これだけ甘い分譲見通しに立っているにもかかわらず、この事業計画には資金のゆとりがまったくなく、少しでも見通しが予想を下回ると博多港開発㈱は資金不足に陥る。
借入金の返済のために、同社は福岡市から緊急融資を受け、その返済資金を捻出するために福岡市自身が博多港開発から土地を購入する、という事態が繰り返されることになる。破綻した事業の赤字を補填するために際限なく税金が投入される、という、あってはならないことが続けられるのである。
税金による補填を受けなければ事業を続けられないような会社に埋め立てを続ける資力、資格があるとは考えられない。
4) 事業計画の信憑性
土地処分計画は、前回の新事業計画が作られて2年もたっていないにもかかわらず、その内容はまったく異なったものとなっている。2年前の計画はいったいなんだったのか、そして今度の土地処分計画がどのような根拠に基づくものなのか、疑問に思わざるを得ない。
このことは資金計画の信憑性にも疑問を抱かせるものである。
以上より、博多港開発㈱が埋め立て免許の許可基準をどのひとつをとっても満たして
いないのは明らかであり、このような状況にもかかわらず免許を認可したことは国からの法定委託事務を誠実に履行したことにはならない。
また私たちが何より恐れるのは、このまま事業を続けると博多港開発㈱は早晩資金繰
りに行き詰まり、福岡市は事業を継続するために際限なく同社/この事業に税金を投入する、という構図ができ上がることである。その結果、ただでさえ苦しい福岡市の財政はますます圧迫され、必要な事業や大切な事業にお金を使うことができなくなるという、大きな機会損失を被る事になる。また人工島の土地を購入するために、施設の不必要な移転や先行投資に名を借りた不要不急の建物の建設がくりかえされ、このことは福岡市の街づくりに大きなゆがみをもたらす。
私たちは、福岡市が博多港開発㈱の埋立免許延長を認可したことに抗議する。