都市問題等調査特別委員会

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都市問題等調査特別委員会
日時 2004年2月5日(木)
議題 外郭団体のあり方ついて

委員会では、三位一体の市政経営戦略プランの一つである行政経営改革プランにおいて外郭団体に関する改革の取り組み経過が報告された。参考資料として「福岡市外郭団体経営評価に関する報告書」(中央青山監査法人)が配布された。この報告書は9月1日付となっている。この報告書は議会にさえその存在を明らかにしていなかった。

1、報告書はなぜ隠されたのか
 まず質問として、どうして9月1日付の報告書を4ヶ月経たいま出すのかその理由を質問した。市は出された報告書は評価しシステムの運用に寄与するためのものであり、監査法人として「本報告書の公表等に際しては、作成の趣旨や性格、方法等について十分説明され、関係者が正しく利用されるよう十分注意されることが必要」と記載されていることをもって、公表を遅らせた理由として答えた。しかし、この報告書を作成するにあたり、監査法人は関係者とのヒアリングを重ねており、「市担当者自ら本報告書を作成した場合に比して、客観性や期間の制約という課題において、大きく寄与したものと自負している。」とその信頼性および責任を述べている。公表に何ら支障があると考えられない。繰り返し、なぜ遅らせたのか質問したが、明確な回答はなかった。
 9月1日に報告書が出された直後、9月8日には都市問題等調査特別委員会が開催されたが、そこでは何ら報告はなかった。局長は市での検討がすんでいなかったこと、また監査法人のことについては説明したと釈明したが、外郭団体の見直しの方法として、自己評価、所管局の評価と合わせて監査法人に経営審査を依頼する旨を説明しただけで、報告書の存在さえも説明していないのである。隠した理由は人工島が原因であることは明々白々である。
 報告書では、博多港開発は「地価の上昇がなければ、将来大幅な損失の可能性がある。」「計画通り販売できなければ資金不足する可能性がある。」「「株式会社組織を活用して行う必然性は低下している。」「今後の事業の見通しは予断を許さない」など博多港開発の事業が行き詰まっていることを指摘している。9月にこの報告書が公表されれば、人工島事業の破綻が明らかとなり、「照葉プロジェクト」に重大な影響が出る。9月末には市長等は監査法人から説明を受けており、市長は報告書の存在を知りつつ10月27日の福岡市経営会議で「照葉のまちづくり構想」の事業化を決定している。10月30日に宮崎駿監督にP&E社の宮崎至郎氏を通じて協議をした。11月10日に宮崎至郎氏から「確認」の経過報告を受け、昨11月14日に福岡市は人工島事業の起死回生の手として「照葉プロジェクト」を発表した。市住宅供給公社は11月7日に「照葉プロジェクト」に計画を変更、市住宅公社を巻き込んでの大事業となった。
 このように時間経過を見ると、人工島計画の破綻を隠して事業を進めるために、報告書の存在を隠していたと考えられる。これは市民に対する背信行為だ。また、1月23日には博多港開発第2工区の埋立免許の期限が切れ、免許継続の手続きが迫っていた。この報告書が世に出ると、手続きにも支障が出かねなかった。報告書の存在を隠す必要があった。いずれにしても、議会ならびに市民に対して説明責任を果たす意思が希薄であることは明らかである。

2、この報告書は本当に生かされるのか
 この報告書は、外郭団体の自己評価、所轄局の評価、それをふまえての監査法人の意見となっている。外郭団体の自己評価と所轄局の評価に比べて監査法人の意見は厳しい。当初から予測された身内同士のもたれ合いが見えてくる。この監査補人の意見をどのように生かすのか、そのプログラムを示すように求めた。市は現在各局に返しており、集約中である、「外郭団体改革等実行計画」を策定した後に報告するとしている。どこ議論をするのか尋ねると、各常任委委員会で検討すると答えているが、しかし既に予算がつくられ予算措置をしているところもあるというなら、4ヶ月も経て公表するのは遅い。議会も市民も知らないうちに実行計画がつくられ、十分な見直しがないまま進むことが危惧される。特に、存在意義を否定されているような外郭団体は抵抗することが予想される。
 また、見直しが指摘された団体に対して、キチンとした調査をすべきという意見に対し、今回のような監査法人を使った点検ができるように予算を求めているが、当面問題が指摘された団体に対する監査法人を使った再調査の考えがないことを答えた。いずれにしても、市長の改革の意思が問われている。

3,その他
 25%以下の出資法人については今回対象外となっている。再開発事業博多リバレインを失敗させた「都市未来ふくおか」やベイサイドプレスを運営し赤字を生み出している「サンピア博多」など、市政に大きく影響する団体もある。この見直しについての質問に、所轄の常任委員会で監督していけばよいといっている。改革の意思が感じられない。

 まとめ
 今回の都市問題調査特別委員会は、単なる経過報告ですませ、外郭団体見直しの道筋さえ明かにされなかった。4ヶ月間も報告書を隠しておいたあげく、何も方向も示さない、全く議会を馬鹿にしたとしかいいようがない。これが、福岡市の改革なのだ。