博多港開発の埋立免許が1月23日に失効する。博多港開発は許可権者の福岡市長に対して埋立免許継続の手続きが必要です。然し、昨年の「照葉プロジェクト」の失敗を見ても、人工島計画が破綻していることは明らか。人工島中止を求めて申し入れをする。
平成16年1月8日
埋立免許期間、延長中止の申し入れ
福岡市長 山崎広太郎殿
市会議員 荒木龍昇
博多湾市民の会 代表 安東 毅
博多湾会議 事務局長 脇 義重
人工島点検を点検する会 事務局長 中尾武史
平成16年1月23日、博多港開発㈱の人工島2工区の埋め立て免許が失効します。
埋め立て免許取得以来9年10ヶ月が経過し、この間人工島事業を巡る環境は大きく
変化しました。免許延長の可否を審査するに当っては、公有水面埋立法に定められた免
許賦与の基準が、今なおこの事業に当てはまるかどうか厳しく吟味されなければなりま
せん。
公有水面埋立法では、第4条(免許基準)において埋立が認可される条件を厳しく規
定しています。同法では、「左ノ各号ニ適合スルト認ムル場合ヲ除クノ他、埋立ノ免許
ヲ為スコトヲ得ズ」と6つの基準を挙げています。その中に「 二、ソノ埋立ガ環境保
全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノ」とあります。福岡市は免許取得に当っては
埋立の自然環境に与える影響は軽微”として工事に着工しましたが、工事が進むにつれ
環境悪化が深刻になってきていることはご承知のとおりです。和白の自然環境を守るた
めには、埋立を中止して土地利用の仕方を見直し湿地環境の回復の可能性を探る以外に
道はありません。
また「五、 ・・・埋立地ノ処分方法及予定対価ノ額ガ適正ナルコト」とあります。
「適正な対価」とはこの事業が独立採算を建前とする以上、市場価格だと考えられます。
埋立地の処分の見通しの全く立たない現状では、福岡市は処分予定値を大幅に値下げせ
ざるを得ず、その結果事業は大幅な赤字となることを免れません。それを避けるために
は福岡市自身が市場価格を上回る価格で埋立地を購入するほかはなくなります。このよ
うな土地処分を果たして”適正な処分方法”といえるでしょうか?
そして博多港開発㈱の埋立事業者としての資格が厳しく問われなければなりません。
同法では「六、出願人ガソノ埋立ヲ遂行スルニ足ル資力及信用ヲ有スルコト」と定めら
れています。土地処分に行き詰まり借入金返済のために福岡市の緊急融資を仰いだり、
福岡市に購入してもらわなければ土地の処分ができないような博多港開発㈱に埋立て事
業者としての資力があるといえるでしょうか?ケヤキ・庭石事件の真相も明らかにでき
ない同社に事業者としての信用があるでしょうか?
このまま事業を継続すると、将来私達を待ち受けているのは果てしのない税金の投入
と財政破綻、そして自然環境の破壊しかないことを、私たちはかねてより訴えてきまし
た。このような事態を避けるためには、埋立を中止して事業のありかた(土地利用の仕
方、事業の主体、資金調達の方法など)を根本的に考え直さなければなりません。博多
港開発㈱の埋め立て免許が失効するこの時期は、そのための絶好のチャンスです。
私たちは、この事業の免許権者である山崎市長に対し、同社の埋立免許の期間延長を
認めないよう申し入れます。あわせて、免許期間の延長を申請するために同社より提出
された資料、そしてその審査の過程を市民に公開することを要求します。
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