都市問題等調査特別委員会

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都市問題等調査特別委員会

日時 2003年12月18日(木)
調査議案 住民自治、地域コミュニティに関する調査(自治協議会設立に向けて)

 まず、市民局コミュニティ推進課長から、地域での説明および理解の進捗状況についての報告があった。区が各自治会等地域の市民局の資料を用いて説明を行っており、今週末までには全体は終了する。地域の状況は、約6割が理解をして来年度から協議会を形成する動きとなっているという。続いて、地域説明会に使った資料を基に、自治協議会についての説明がなされた。
 今回、争点になったのは、補助金についての扱いと公民館の区への移管による公民館の役割の変更についてである。一つは自治組織である自治協議会が、市の補助金をもらうことで市の行政組織の補助機関とならないのかという点。つぎに、公金である補助金の管理および報告のあり方と自主財源の管理と二重の会計管理が必要となり、市は会計管理ために人件費を補助するとしているが、事実上公民館の負担が増えるのではないかという点。公民館をコミュニティ活動支援の拠点にするために、区に移管することは、社会教育活動に支障を来すのではないかという点である。
 市は移行が出来る自治会から移行するとしている。市民が自立的にコミュニティを形成できるのか、宝塚市の調査からも時間がかかると思われる。

自治協議会についての説明
1)区に担当窓口が出来る
自治協議会と市の関係は、各区がコミュニティ総合窓口をつくり、担当者を一人と社会教育主事一人を配置して自治協議会を支援することにしている。公民館が区に移管され、公民館長は区の嘱託職員となる。同時に教育委員会により公民館長に任命される。
 地域には、市の事業に対する補助金、自治協議会独自の活動に対する補助金、市からの委託業務に対する委託費が支給される。

2)補助金支給方法が変わる
 市はこれまで個別の事業に補助金を出していたものを、一括して自治協議会に補助金として支給する。一括して支給された補助金の配分は自由に出来るが、各事業は取り組み方は自治協議会で判断して取り組んでもらう。この補助金の額は人口構成に応じて4ランクに区分されて支給される。
 新たに、各自治協議会が取り組む事業計画を立て、区に申請した事業予算に応じて活動支援費が補助金として加算される。補助金と自治協議会の自主財源を活動の財源とするため、帳簿の作成、補助金の報告書作成等の事務が繁雑になるため、会計処理などの事務経費として60~90万円がさらに加算される。補助金の使途については事務費(事務員を雇用できる)以外は人件費には使用できない。
 補助金の総額は、地域のに構成人口に応じて200~300万円を上限に4ランクに分けて交付される。補助金については事業報告が求められる。不正があれば返還の可能性もある。補助金は人件費には使用できない。

3)自治協議会には以下の点が求められる。
 ①幅広い年齢層の住民や各種団体の参加による組織構成
 ②役員の民主的な選出
 ③協議による意思決定
 ④自主財源の確保
 ⑤事業計画・予算作成および執行の透明性
 ⑥会計処理の透明性
 以上を担保するために、具体的に自治協議会の会則に記載することを求めている。例えば、校区内住民の請求があれば会計簿を公開するなどである。

4)自治協議会では以下の事業を必ずしてもらう
①交通安全に関する事業
②スポーツ・レクレーションに関する事業
 ③男女共同参画の推進に関する事業
 ④地域で子どもを育む意識の醸成、健全育成や非行防止に関する事業
 ⑤ごみ減量・リサイクルの推進に関する事業
 ⑥集団献血に関する事業
 ⑦健康づくり活動に関する事業
 ⑧環境美化に関する事業
⑨防災に関する事業
 以上については、地域の事情は異なり、取り組み方が異なっても必ず取り組んでもらう。補助金の対象となっているため、事業報告が求められる。

5)自治協議会の構成事例
 市民局は自治協議会の構成として、「部会型」と「並列型」を示している。「部会型」の構成は単位自治会、「体育部(体育振興会)」、「男女共同参画部(女性協議会)」、「青少年部(青少年育成連合会)」、・・・。「並列型」の構成は、単位自治会、体育振興会、醸成協議会、青少年育成連合会、・・・。構成団体については、9の必須事業が出来る構成になっていればよい。

6)自治活動の活性化に向けての支援策
①区役所と公民館の支援体制強化
・区役所の組織を再編して、地域を支援する窓口をつくり、校区担当職員を配位置。
②公民館を区に移管し、コミュニティづくりの核にする。
 公民館業務を区が教育委員会を補助執行するかたちで公民館業務を行う。公民館長を区の嘱託職員として日常業務を行い、、別途社会教育としての公民館長は教育委員会が区の公民館長を同時に任命する。
③アドバイザーの派遣

④やる気応援事業
 自治連合会の支援とは別に、単位自治会や地域の団体の活動に支援。地域の活性化につながる活動を対象。恒例のものなどは対象外。
 はじめの一歩事業:限度額10万円、1年限り、1団体に1回
 やる気事業:事業費の3/4以内で限度額50万円、最長3年、1団体、1年度につき       1回
⑤市民活動に対する保険
 自治協議会、自治会、町内会、自治連合会などの市民の公益活動に広く保障。それらの活動の計画立案および運営の指導者にも対応。
⑥ガイドブックの作成。
⑦防犯灯の助成。
⑧地域集会所の助成。
 自治会、町内会活動の地域集会所に対する助成として、「新築および購入」「改修」に加え、新たに「増改築」「借り上げ」に対して助成。

7)自治協議会、自治会・町内会への業務委託
市政だよりの配布など、自治協議会でも、単位自治会でも業務委託が出来るところは委託する。