公共工事不正再発防止調査特別委員会

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公共工事不正再発防止調査特別委員会
日時 2003年9月10日
場所 第3特別委員会室
構成 議員62名全員
議題 ケヤキ購入依頼等に関する行政監察報告を基に質疑

 福岡市行政監察規定に基づき、平成15年1月28日に総務企画局人事部長を班長として行政監察班が設置された。今回はこの行政監察班の報告を基に質疑が行われた。新たな事実はなく、平成5年西部汚水処理場でのケヤキ購入、および地行浜でのケヤキ購入での西田議員の関与、林野弘済会からのケヤキ購入依頼の経緯、平成5年に港湾局「覚え書き」、平成7年の博多港開発へのケヤキ購入依頼の依頼文制作者、使われた総務企画局の公印使用者が未だ不明な点などが改めて問われたが、不明のままで終わった。当時の関係職員の多くは在職しており、私は真相解明には関係職員の喚問が必要であると委員長に関係職員の喚問を求めた。
 今回の特別委員会で特筆すべきことは、香椎浜のゴルフ場の残土処理問題が、第2のケヤキ庭石事件として浮上したことである。
 今年2月13日のケヤキ・庭石疑惑真相解明の特別委員会で、志岐前博多港開発社長が2001年(平成13年)3回目のケヤキ100本購入の代金は人工島博多港開発工区への残土受け入れによる臨時収入4億円から出したと発言。この時初めて民間からの残土を人工島に受け入れていた事実が明らかとなった。その後の調査で、この4億円は当時の取引先の福岡銀行ではなく、これまで実績がない佐賀銀行に入金されていた。
 このことは2つの問題がある。第1点はこれまで公共残土しか受け入れないとしてきたことを覆す、言い換えれば福岡市は市民および議会ににウソの説明をしてきたこと、2点目はこの残土受け入れが第2のケヤキ・庭石事件であるということである。今回の特別委員会でも、この残土問題が私を含めて新たな疑惑として指摘された。
 今回の特別委員会では、ゴルフ場残土処理4億円は通常取引がない佐賀銀行に入金されていたこと、ケヤキの代金1億円はここから支払われたが、一方残土受け入れの工事代および運搬費は福岡銀行から支払われた。このことは、もしケヤキ庭石事件で残土処理費が表でなければ3億円は闇に消えた可能性がある。
 次に、残土処理と平行して2001年(平成13年)6月1日、2002年(へいせい14年)3月7日、2002年(平成14年)5月1日、3回に分けて20億8千万円余で福岡地所が所有する香椎浜3丁目のゴルフ場用地の1部(11724.77㎡、1㎡あたり126,000円)御島崎側がS字に人工島への道路用地として買収された。特にこの土地を買収しなくても十分道路整備することが出来ることは、現地に行けば一目瞭然である。1回目の土地買収後に博多港開発に残土処理代が払われており、福岡地所と志岐前社長との関係が疑われる。
 さらに問題のことは、ゴルフ場の建築物移転、工作物移転、立木・庭石移転、移転雑費、という項目で3億400万円余が福岡地所に、福岡地所の子会社であるゴルフ場運営会社の福岡シティクラブに営業休止等保障、動産移転保障として6100万円余が2001年(平成13年)6月1日付で契約がなされた。なぜ問題なのか。このゴルフ場は同年5月8日に廃業届を出しており、同年5月31日に廃業しているのである。つまり、土木局は廃業することをすでに決めていたゴルフ場に支払わなくてもよかった3億6500万円もの税金を使ったのである。これは詐欺であり、誰かが企んだとしか考えられない。
 このゴルフ場跡地は現在スーパーのジャスコが建設されている。元々住宅地として埋め立てられた場所であるが、市の住宅供給公社が建てた分譲住宅が売れず計画を変更し、1985年(昭和60年)残りの土地を福岡地所に当時の周辺地価の半値で売ったところである。福岡地所はそのゴミにゴルフ場をつくり経営してきた。元々第1種中高層地区で平成8年にゴルフ場が使えるよう都市計画変更した地区計画でも土地利用は周辺の環境と調和した超高層住宅と利便施設となっていた。このままでは大型商業施設が建てられないため、2002年(平成14)9月に地区計画原案が縦覧され、今年2月6日の都市計画審議会で都市計画決定をし、地区計画が変更された。具体的には、ゴルフ場跡地の約半分を開発促進地区を指定することで大型商業施設が建設できるようになったのである。
 時系列から考えると、福岡地所はジャスコ誘致を平成12年頃には進めていたのではないか。ゴルフ場の廃業を早くから計画し、福岡市に道路用地を買収させ、廃業補償もさせ、残土処理も通常よりもきわめて安い価格で処理することで、2重の利益を得たと考えられる。一方志岐前社長は、残土処理で3億円を闇の中で処理しようとしたのでないかと考えられる。これが残土問題の核心と私は考えている。私は公共事業不正再発防止特別委員会で、残土問題徹底究明を求めた。