今年9月29日の日本経済新聞で「防衛強化で空港・港湾拡充」「33施設選定、自衛隊・海保が使用」という報道がありました。報道によれば、「政府は2022年末に改定した国家安全保障戦略で有事に備えて空港や港湾を整備する方針を盛り込んだ。」「必要性が高い施設を『特定重要拠点(仮称)』とし必要経費を2024年度予算案に公共事業費として計上することをめざす。」としています。指定するとする19港湾の中に博多港が入っています。
博多港の整備については護衛艦や巡視船が接岸できるよう改修するとしています。「台湾有事の場合に自衛隊が部隊を展開したり燃料・食糧を補給に使える場所にある」とし、自民党の佐藤正久議員は「有事に米軍が部隊派遣できるようにする意味もある」と説明しています。つまり博多港の改修は米軍が使用することも前提となっており、護岸の改修だけでなく、関連施設を含め兵站基地機能を有するようにすることを意味します。
これまで福岡市は私たちに、米軍艦船の入港は親善友好や船員の休養が目的で,軍事使用でないとして入港を認めていると説明してきました。しかし、今後は日常的に自衛隊の艦船のみならず米軍艦船が軍事訓練を含め軍事使用することになります。燃料や食糧の補給、更に弾薬等の補給にも使用できるように、港湾や関連インフラの整備がなされると考えられます。公共事業の名目で予算が組まれるとのことですが、公共事業の名の下で福岡市が軍都として整備され、ひいては戦時には敵国からの標的になり得ることを意味します。
福岡空港には米軍基地と自衛隊の基地があり、滑走路は米軍の滑走路となっています。福岡空港は重要土地利用規制法の注視区域に指定され、住民監視が始まります。博多港が自衛隊の艦船が使用できるようになると、福岡空港同様に重要土地利用規制法の注視区域に指定されることが懸念されます。戦前のように、軍事優先で住民監視と規制が全市に及ぶ恐れがあります。地方自治体の本旨である「住民の福祉の増進を図る」立場から、国に軍事使用を目的とする博多港港湾改修や注視区域の指定をやめるよう求めるべきです。
そもそも、台湾問題は中国の内政問題であり、日本が関与すべきものではなく、平和的に解決するよう国際社会に働きかけるべきものです。台湾有事や朝鮮半島有事を煽り、戦前の様に国民総動員体制を築こうとしているこのような国の動きにハッキリと反対すべきです。軍備増強で平和は作れません。憲法の平和主義に基づき、善隣友好の平和外交こそが平和な日本を作ります。
私たちは、国に戦争体制を作ることに反対し、福岡空港及び博多港の軍事利用させないことを強く求めます。