私は緑の党と市民ネットワークの会を代表して、安保関連3文書を撤回し大軍拡の中止を求める意見書案に賛成して討論します。
昨年末岸田政権は安保関連三文書を改定し、戦後の防衛政策を質的に大きく転換させるとしています。岸田政権は国際法違反となる先制攻撃も容認する「反撃能力」を保有する、国民に戦争への決意を迫る、武器輸出を図るなど、戦争する国に変え、兵器産業が経済の軸となる軍産複合体を目指しています。防衛費をGDPの2%にするとし、軍備拡張のために5年間で43兆円の防衛予算を確保するとしており、具体的にトマホーク400発をアメリカから購入するとしています。物価対策やこどもや若者の支援が急がれており、軍事費に多額の税金を使うことは許されません。
岸田政権の戦争政策の下、沖縄では辺野古新基地建設だけではなく、与那国島、石垣島、宮古島に自衛隊基地が建設され、石垣島と宮古島には多くの市民が反対する中、仮想敵国である中国の艦船を標的とする地対艦ミサイルが配備されました。更に、奄美大島に地対艦ミサイル基地、種子島そばの馬毛島には米軍の基地建設が進められています。佐賀空港では漁民や住民に軍事空港に使用しないとしていた約束を反故にして自衛隊のオスプレイの基地化をすすめ、自衛隊の築城基地やニュー田原基地を米軍が使用する基地として拡張しています。岸田政権は自衛隊の米軍との一体化を進め、沖縄だけでなく国内全域で米軍基地の強化が進められています。福岡市も例外ではありません。福岡空港の滑走路複線化に伴う工事とともにアメリカ軍の基地機能は強化されています。福岡空港の一部である雁ノ巣ヘリパットがオスプレイに使われることも現実味をおびてきています。
これまでも毎年米軍、オーストラリア、フランス、イギリスなど海外の軍隊との軍事訓練がなされてきました。今年は2月16日~3月12日陸上自衛隊と第3海兵機動展開部隊との共同訓練・アイアン・フィスト23が日出生台演習場、徳之島、喜界島、キャンプ・ハンセン等で行われました。これは台湾有事を想定した離島奪還訓練で、自衛隊が米軍の楯となる訓練です。アメリカが中国軍と戦闘になれば自衛隊はアメリカ軍の警護ということで自動的に中国との戦争状態に入ります。当然与那国島や石垣島宮古島、沖縄本島は攻撃対象となり、日本全土の軍事施設は全て攻撃対象となる可能性があります。
ウクライナへのロシア侵攻は再び世界の分断を加速しています。アメリカの世界覇権が後退していく中で、日本はアメリカの世界戦略の下で自ら憲法を破壊し、戦争する国に大きく変貌しようとしています。日中戦争が宣戦布告がないまま始まった時と同じように、台湾危機があおられ、ずるずるとアメリカの戦争に巻き込まれ、再び沖縄が日本の捨て石になることの現実味が強まっています。時計の針は更に大きく巻き戻され、時代の大転換期にあります。私たちはいまこの時計の針を止め、戦争がない未来に向けて時計の針を動かさねばなりません。
以上で賛成討論を終わります。