5歳から11歳の児童へのワクチン接種に慎重な対応を求める申し入れ

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                         2022年2月22日

福岡市長 髙島 宗一郎様

                  緑の党と市民ネットワークの会

                    荒木 龍昇    

                    森 あやこ          

5歳から11歳の児童へのワクチン接種に慎重な対応を求める申し入れ

 5歳から11歳の児童へのワクチン接種が始まっていますが、保護者や学識経験者の中からも慎重な対応を求める声が上がっています。5歳から11歳の児童の感染状況について、小児科医学会は「国内における5~11歳の新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)症例の大多数は軽症ですが、感染率が同年代人口の1~2%にとどまるなかでも、酸素投与などを必要とする中等症例は散発的に報告されています。」や小児科医会「わが国の小児における新型コロナウイルス感染症の状況は、成人に比べ感染者数がはるかに少なく、感染者においても症状は極めて軽いか無症状の場合が多い。」等の認識を示しています。森内浩幸・長崎大学教は朝日新聞記者のインタビューに、「すべての年代で一番リスクが低いのが健康な5歳から11歳です。」「毎年何十人もの子どもの命を奪っているRSウイルス感染症やインフルエンザの方がはるかに怖い病気です。」と答えています。

また、5歳から11歳のワクチン接種の有効性について、小児科学会では「海外では、5~11歳の小児に対する同ワクチンの発症予防効果が90%以上と報告されていますが、新しい変異ウイルス(オミクロン株など)への有効性を示すデータは十分に得られていません。」また、小児科医会は「一方、5 歳~11 歳の小児に本ワクチンを接種した場合の効果や副反応に関するデータはわが国には存在せず、諸外国においてもその数は限定的である。」と言っています。

今後感染した児童が増えることで、基礎疾患を持つ児童において重症化する児童が相対的に増えることに懸念を示し、ワクチン接種を勧めていますが、小児科医会は「現在接種が想定されているワクチンにおいては、その効果はかなり高いといえるが、副反応としての、接種部位の疼痛・発熱・頭痛・倦怠感などは、この年齢に接種されている他のワクチンと比べ、むしろその発現率は高いと想定され、接種時に一定数起こる血管迷走神経反射、接種後に稀に起こる可能性のある心筋炎・心膜炎などについても十分な注意と対応が必要である。」「本ワクチンの効果は感染予防のためというよりは、むしろ発症時の重症化予防のためのワクチンとの意味合いが大きいことから、そもそも重症化することが稀な小児期の新型コロナウイルス感染症においてのワクチン接種の意義は成人・高齢者への接種と同等ではないといえる。」等の課題も指摘しています。

また、接種にあたっては、小児科学会は「接種対象年齢による製剤(12歳以上用と5~11歳用のワクチンでは、製剤・希釈方法・接種量が異なります)の取り扱いに注意が必要と考えます。」、小児科医会は「ワクチンの組成等は12 歳以上のワクチンとほぼ同様であっても、間違い接種防止の観点から、全く異なるワクチンとして扱う必要がある。」と指摘しています。

5歳から11歳の児童のワクチン接種を勧奨するにあたり、小児科学会は「新型コロナウイルスワクチンは、予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意思で接種を受けていただくものです。周りの人に接種を受けることを強制したり、接種を受けていない人に差別的な取扱いをすることのないよう、お子様にもお伝えいただきますようお願いします。」、小児科医会は「未だこの年齢層への接種の安全性等に関する十分な情報やデータがそろっていないこと、接種計画、接種体制などの詳細が議論されていないことなどを考えると、「努力義務」とすることには慎重さが求められてよい。」と述べています。

福岡市において5歳から11歳のワクチン接種を行うに当たっては、小児科学会や小児科医会の指摘を十分に考慮され、慎重に行うとともに、いじめ・差別や同調圧力がないように十分な対策を求めます。愛知県大府市では対象となる子どもの接種用予診票は、保護者からの申請に基づき発行するとしており、福岡市においても保護者に案内通知を発送する時は、同調圧力をなくし児童及び保護者が十分理解することが出来るよう、申請により接種用予診票を発行するよう求めます。