警察庁改変は、憲法解体の危機。改革法案を出させない。
政府は、警察庁に「サイバー局」をつくる.しかも、警察庁が直接捜査する「サイバー直轄隊」もつくるという。朝日新聞は、警察庁が同構想を纏めた6月24日夕刊と25日の朝刊で伝え「警察庁は来年の通常国会に警察法改正案を提出、サイバー局は来年4月、直轄隊は来年秋以降の発足をめざす」との記事で紙面を埋めた。
私たちは、この改革法案を国会に提出させない。この法案は憲法転覆の悪法だからだ。戦後の自治体警察制度を廃止し、戦前型の国家警察体制を復活させる違憲立法だからだ。これを看過すれば私たちは、この違憲立法の共犯者になる。
どの部分が違憲なのか。記事を参照すると①直轄隊は単独で捜査するが、都道府県警から捜査員の派遣を受けて合同で捜査する。②直轄隊が自ら捜索・差し押さえ、容疑者の逮捕や事件送致などをする。③都道府県警察が主体となる捜査の指示や調整など担う。これら3点は、個別の事案については都道府県警察を指揮できない警察法体制の原則を覆し、自治体警察を国家警察に隷属させ、地方自治原則を掲げる憲法を破壊する。
戦前の警察が天皇制国家を護持するために人民を抑圧し、戦争に動員していったことへの反省から、日本国憲法第8章に地方自治を掲げた。憲法制定権者は、国家主義的警察制度を解体し、都道府県警察を単位とする自治体警察を確立させた。今回の警察庁法改悪は、この憲法体制の破壊である。その背景には日米安保体制を基軸とする戦争型国家形成への流れがある。この流れを止めないといけない。
2021年7月6日
「特定秘密保護法」を廃止する会・福岡