個人情報保護の観点から自衛隊への名簿提供の点検が必要

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福岡市は6月5日に18歳、22歳の市民の名簿を自衛隊に提供しました。福岡市では市民の働きかけで提供は紙媒体、氏名と住所の2情報のみ、希望しない市民は除外するとなり、233名が除外希望しました。
 個人情報保護法、行政機関個人情報保護法、福岡市個人情報保護条例では原則目的外利用は禁止、法令で定められている場合、本人の同意がある時、学術的な利用、既に報道出版で公開されている時、生命等危険が及ぶなどの緊急時の時、(福岡市個人情報保護審議会の意見を聞き、公益上必要があると認められたとき)の例外規定がありますますが、「情報提供することで本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するときは例外規定は認められない」となっています。福岡市は個人情報保護審議会に諮問し「公益上必要と認められる」という答申を以て名簿提供の根拠にしています。これは法的に根拠が薄いと認知しているかです。福岡県小郡市では個人情報保護審議会に諮問し、「自衛隊法政令120条の「資料を求めることが出来る」の「資料」に個人情報は該当しない」との答申を受け、小郡市はこれまでの名簿提供をやめて閲覧にしています。この様に個人情報保護の観点から自衛隊員募集のために個人情報を渡すことは違法行為です。私たちは福岡市に名簿提供をやめるよう求めています。
 そこで全国の状況を私が把握した限りでは、名簿提供をするときに個人情報保護審議会に諮問していない自治体が多いのではないという疑問です。二つ目は、名簿提供していない自治体では住民基本台帳法を根拠に閲覧させていますが、個人情報保護法の観点から、閲覧方法に制限を加える必要があるのではないかと考えています。
 第3点は名簿提供問題が各地で問題となっていることから、自治体が「地方分権改革の要望」として「名簿提供を法制化」を求める動きが出ています。これは地方自治の本旨である「住民の福祉の増進を図る」に反し、また地方分権にも逆行するものです。しかし首長部局で進めていることから、添附の自治体の議員の方は知らないのではと考えられます。情報化が進み、マイナンバーがつけられ、個人情報保護が社会的な課題となっている今日、住民基本台帳という個人情報の要を預かる自治体の責任は益々重くなっています。その点から是非全国の自治体で個人情報保護がどのようになされているか点検をお願いしたいのです。