2020年4月20日
福岡市長
髙島 宗一郎様
新型コロナウイルス感染症対策に関する申し入れ(第2次)
緑と市民ネットワークの会
荒木 龍昇
森 あやこ
福岡市では職員一体となって新型コロナウイルス対策に日々尽力され、更に市内事業者に対する市独自の支援策が表明されていますことに感謝申し上げます。私どもは議会の一員として市の施策に協力し、市民と共に1日も早い終息のために取り組んで参る所存です。
私たちは既に4月7日に申し入れを致していますが、7日夜に安倍政権は新型インフルエンザ特措法に基づく緊急事態宣言を発出し、福岡県もその対象地域の指定を受けました。既に、医療崩壊の危機に対しては医師会と連携して対策が進められていると思いますが、こうした新たな状況に鑑み、重ねて申し入れを致します。現在準備されている補正予算およびこの後の施策実施に当たって、申し入れを生かしていただきますよう要望します。
1、医療施設および関係者の支援と検査体制の充実を強化すること
・ 医療機関の院内感染が課題となっており、医療関係者の感染予防対策が急がれています。全ての病院において医師、看護師など関係者のPCR検査や抗体検査を実施できるよう、関係機関と調整・連携し、市も必要な支援を最大限行うこと。また、感染予防の備品(マスク、手袋、ゴーグル、消毒液、防護服等)の確保を図ること。
・ 市内の実態把握を把握し、的確な対応を行なうために、既に他都市では始まっている発熱外来を設置し、またドライブスルーやウォークスルーによるPCR検査体制を推進すること。その際、市立体育館などの公共施設・空間の提供などの協力を検討すること
・ 軽度および無症状感染者の隔離施設について、市内でも博多駅前のホテルで20日(月)から受け入れが始まりましたが、引き続き県と連携して隔離施設の確保や備品の確保を進め、市独自に医師や看護師などスタッフに直接支援金を給付すること。また、今後検査が進むにつれ、軽度および無症状感染者が増えることが考えられ、隔離者の医療対応者の不足が生じるおそれがあり、市でも休眠の看護師や保健師など有資格者に協力を求め臨時雇用するなど対策を講じること。
・ 保健所機能を強化し、家庭内感染等の相談・支援体制を強化すること
2、10万円の一律給付は全ての住民が受給できるようにすること
・ 住民が速やかに受給できるよう支援するために、市役所および区役所に電話相談及び相談窓口を設置すること。
・ ひとり10万円がすべての住民が受け取ることができるように体制をつくること。ホームレスや在住資格を有する外国人等ももれなく受給出来るよう、支援しているNPOとの連携を図ること。
・ 東京都ではネットカフェの営業休止を求めたことで生活の場を失った方に対してホテル等宿泊施設を提供する措置を執っています。福岡市においても県と連携して同様の対策を執ること。
・ 10万円の給付および生活困窮者支援制度等様々な支援制度について、ホームページ、市政だより、ポスターなどを使い相談窓口の案内を周知することとNPO等民間支援組織と連携を図り、支援措置が実効あるものにすること。
・ 生活困窮者支援として、食料生産者や販売事業者の余剰物をこども食堂やフードバンク等と連携して必要な人に提供できるように対策を取ること
3、事業の継続と雇用維持のための支援を
・ 既に市独自の施策や国の施策が表明されていますが、諸制度が活用されるよう、相談窓口の設置と支援体制を整備すること。
・ 制度の実施に当たっては簡素な制度とすることで速やかに実施すること。
・ 農林水産業や接待を伴う飲食店など全ての産業を支援の対象とすること。
・ 事業者の対象は個人事業者も対象にすること。
4、高齢者の支援を強化すること
・ 現在民生委員による独居高齢者の安否確認などの支援がなされていませんが、電話による安否確認や相談などの支援体制を作ること。
・ 外出が抑制されることでの高齢者の健康が危惧されます。電話等の相談体制や健康維持の支援体制を作ること。
・ 全ての介護施設の関係者のPCR検査や抗体検査を早急に実施し、感染実態を把握した上で予防対策をたて施設利用が出来るようにすること。
・ これらの支援要員として、今回の感染拡大で離職を余儀なくされた方々を会計年度任用職員として採用し地域に配置すること。
5、こどもの支援を強化すること
・ 休校が長期化し、また、公園や校庭で遊ぶことができずに家庭内に閉じこもる状態が続いています。この状態が長引くことでのこどもの心身の健康を損なうことが危惧されます。こども未来局は教育委員会と連携して、指導員を配置して校庭や教室を開放し活用することで、こどもの健康を維持すること。
・ 外出自粛により家族が長期に亘り閉塞環境に閉じ込められることで精神的に不健康な状況が生じ、家庭内暴力や児童虐待が生じることが危惧されています。相談支援体制と共に、学校、地域、NPOなどと連携してこどもの安否を確認し、こどもの居場所を作る必要があります。こども食堂が休止しており、また留守家庭子ども会にも行けない、ネグレクトのこども、保護者が生活を見ることが出来ていないこどもが行き場を失っています。
そこで、教室を活用し、希望するこどもに無償でパンと牛乳などの昼食を提供するなどでこどもの居場所づくりを検討すること。またこれらの事業を支援するために、職を失った方を会計年度任用職員として採用し、相談員や支援員として送ることで地域の諸活動を支援すること。
6、正確なデータに基づく情報公開と人権への最大限の尊重を
・ 緊急事態宣言が発出されてから、「外出自粛」がさらに要請され、また「休業要請」がなされる中で、市民はあたりまえの日常生活を送れなくなっています。感染拡大防止のためには行政からの正確な情報公開が必要です。客観的なデータに基づいて市の方針が提出されねばなりません。「不安や恐怖」を煽ることでは逆効果です。
そこで、市長自らがデータに基づいた説得的な政策をあらゆる機会を通して市民に明らかにしていくこと。
・ 「外出自粛」要請などで市民の自由が著しく制限されており、移動の自由、学習の自由、集会・表現の自由が失われています。施設や公園が使用できなくなっています。また感染者および家族に対して言われなき差別が生まれています。福岡市として市民の自由が回復されるための見通しを明らかにすると同時に、言われなき差別に対しての救済と防御策を講じること。
・ また、ライフライン従事者および医療関係者が保育所、障がい者福祉サービス、留守家庭子ども会を円滑に利用できるように支援すること。
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2020年4月20日
教育長 星子 明夫様
新型コロナウイルス感染症対策に関する申し入れ(第2次)
緑と市民ネットワークの会
荒木 龍昇
森 あやこ
緑と市民ネットワークの会では4月7日に、児童・生徒の学力保障および健全な生活の維持についての対策を求めて申し入れを致しました。7日夜に安倍政権は新型インフルエンザ特措法に基づく緊急事態宣言を発出し、福岡県もその対象地域の指定を受けました。その後の経緯を見ますと、感染拡大が進み深刻化しているとは言え、私たちに届く市民の声からは教育委員会の対応には疑義を持たざるを得ない状況があります。重ねて、以下の申し入れを行います。
1、担任教師による家庭訪問の中止や教科書の配布が宅配となり遅れるなどの現状は、児童・生徒に対する教育の放棄としか見えません。感染抑制のための休校等の措置が長期化することを鑑み、学習指導の形態や学校行事の見直しなど、教育委員会として責任を持って中長期的な対策を作り、児童・生徒および保護者に速やかに説明することを求めます。
2、感染拡大が深刻化する状況で入学式および始業式が実施されないまま休校が継続されています。教科書の配布がなされていないだけでなく、学級編成が分からずクラスの同級生の顔が見えない、担任との面識もない状況で児童・生徒や保護者は不安を持って過ごしています。
そこで、手洗いの徹底やマスク着用、換気や間隔を十分に取るなど感染予防を十分に行った上で、入学式および始業式を実施すること、学年やクラスの登校日や時間帯を変えての分散登校の実施を求めます。また、担任による家庭訪問ないし電話での児童・生徒の状況を確認することを求めます。
3、長期の休校によるこどもの心身の健康に悪影響が生じています。また、児童虐待やネグレクトされたこども、行き場のないこどもや食事が満足の出来ていない子どもたちの支援が必要です。スクールソーシャルワーカーを増員し、地域やNPOと連携してこどもの相談・支援体制を強化して下さい。また、感染予防を十分行うことを前提に、指導員を配置して教室・体育館や校庭を開放することを求めます。また、希望するこどもには無償でパンや牛乳などの給食を提供することを求めます。指導員には失業した方を会計年度任用職員として採用することを検討して下さい。