税金は市民の「暮らしの安心」へ!
3月議会で最大の争点となっていたロープウエー調査費を削除した修正予算案が可決しました。これを受けた髙島市長は市民に理解されないロープウエーは今後検討しない旨を公表しました。少なくとも髙島市長在任中にロープウエー構想が浮上することは無いものと受けとめています。
そもそもロープウエーが必要なのでしょうか。ロープウエー構想は中央埠頭をはじめとする港湾部の再開発を進めることで、賑わいを生み出すことを前提としています。現在1日5.6万トリップエンド(人の行き交う回数)が、再開発を進めることで20年から30年後に1日16万トリップエンドになるとしています。この数字は東京ディズニーランドの約2倍程度の賑わいといわれていますが、果たしてそれだけの賑わいがどこから来るのでしょうか。今後とも海外からのクルーズ船の寄港数は増え続け、福岡市は限りなく成長し続けることで国際会議やイベントの開催は増え続け、ウォータフロント地区は国外からの多くの利用者が増えていくという前提です。
しかし、既に日本の人口は減少し始めており、超高齢社会に突入しています。福岡都市圏も一部の自治体を除けば人口減少が始まっており、九州全体の人口減少は進んでいます。都市圏や九州各地から需要を吸い上げてきた福岡市も、今は人口は増えていますが15年後頃には減少に転じます。加えて福岡市は超高齢社会に突入しています。ではどこから人が来るのでしょうか。アジアでしょうか、中国でしょうか。中国経済は下降し始めており、クルーズ船の寄港数も減少に転じています。アジアからクルーズ船が来るのでしょうか、考えられません。箱物を作れば人が自然と来るというのでしょうか。福岡市の国際会議の開催数も、参加者数も減少に転じています。福岡市だけは特別という理由がどこにあるのでしょうか、ましてあらたな交通を作る必然性がどこにあるのでしょうか。
箱崎ふ頭埋立による湾岸部再開発計画は中止に!
福岡市は2016年に港湾計画を改定し、貯木場及び箱崎ふ頭地先65ヘクタールを埋め立て、この埋立地に中央埠頭の倉庫、須崎埠頭の倉庫や製粉工場などの施設を移転させ、須崎埠頭及び中央埠頭を再開発する計画を立てています。しかし、人口減少社会に入っており、また国際経済は低成長時代に入っている状況で、今後も交流人口が右肩上がりに増え続けるとは考えられません。再開発による埋め立て費用や基盤整備費用、事業者の移転補償費、更に第2展示場や新ホール建設費用など、将来の世代に大きな負担を残すことになります。人工島が埋め立て開始時に「埋立地の売却益で事業費を賄うので1円も税金は使わない」といっていました。しかし、現状は毎年100億円を超える予算が使われ、土地処分価格は原価の半値程度、立地交付金や住宅市街地総合整備の補助金など、本来市民の生活向上のために使われるべき数千億円もの税金が土地処分や基盤整備に使われています。2016年の貨物取り扱い量が3,400万トンであったものが10年後には4,500万トンになるという2016年の過大な港湾計画はまさに人工島事業の再現と言えます。誇大妄想のの計画は中止に!
消費税10%値上げ反対!
高齢者支援・子育て支援・若者支援の拡充を!
既に物価上昇が始まっており、本年10月からの消費税値上げは市民の暮らしに大きく打撃を与え、経済も悪化すると考えられます。このような状況において、2019年度予算では税収は従来通り増加するとしており、これを前提に都市の成長に投資することは問題です。中央ふ頭部での第二次展示場建設、サンパレスの解体と新ホール建設、更に箱崎ふ頭沖埋め立て及び須崎埠頭再開発と、相変わらず経済成長が続くとしている市政は間違っています。破綻した人工島事業には今年も関連予算が101億円余も使われていることも問題です。いまこそ、国民健康保険、介護保険、後期高齢者保健などの負担軽減が必要です。また、福岡市は国の補助がある新たな子育て支援や障がい者支援策は取り組みますが、市独自で障がい者や高齢者の移動支援の拡充、就学支援の拡充、こども医療費の助成拡充、避難所となる学校体育館の空調整備などを進めようとはしておらず、このような市政の舵を大きく切り変えていく必要があります。