核兵器禁止条約の締結を求める意見書(案)に賛成する討論
私は緑と市民ネットワークの会を代表して、核兵器禁止条約の締結を求める意見書(案)に賛成し、討論します。
この意見書案は昨年7月7日に国連において122ヶ国の賛同により成立した「核兵器禁止条約」を日本政府が速やかに締結することを求めるものです。
2009年にオバマ前大統領はプラハでおいて「米国が核兵器のない平和で安全な世界を追求する」と表明し、ノーベル賞を受賞しました。2016年にはオバマ前大統領は広島を訪問し、「核保有国は、恐怖の論理から逃れるべきだ」と発言し、核のない社会が世界の願いであることが改めて確認されました。核兵器禁止条約は、世界の人々の思いを形にしたものです。
このたび、核兵器禁止条約成立に向けて被爆者の方々が、核兵器の非人道性を身をもって世界に訴えてきたことが大きな力となっています。核兵器禁止約成立に尽力した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAMN)はノーベル賞を受賞しました。条約が決議された直後、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、「条約は、核兵器のない世界という共通の夢の実現に大きく貢献する重要な一歩です」「この新たな条約が、核軍縮という長年の目標達成を目指す包括的な対話と国際協力の再活性化を促進することを期待しています」と述べているように、世界は核のない社会・戦争がない社会を求めています。
これまで日本政府は「核保有国と非保有国の対立を深める」として一貫して条約に反対しています。しかし、条約締結は被爆者及び多くの国民お願いです。被爆国であり、紛争解決手段として戦争を永久に放棄すると宣言した国である我が国は、核のない社会・戦争がない社会の実現に努める責務があります。今年6月12日に米朝首脳会談が実現しまた。朝鮮半島の非核化と朝鮮戦争終結が視野に入ってきた歴史的転換期を迎えています。大きく期待をするところです。核兵器禁止条約は昨年9月20日から署名が始まり、50カ国が批准すれば発効することになっています。速やかに日本政府が条約締結することで、現在進行中の朝鮮半島の非核化を後押し、核のない社会実現を前進させることが期待されます。
現憲法を制定するとき、当時の幣原首相はマッカーサー元帥に「軍隊を放棄するというと笑いものになるかもしれないが、100年後には私たちが正しかったと評価されると思う」いう趣旨を語ったと伝えられています。現在困難であっても、高い理想を掲げ、平和な社会を希求する幣原首相の言葉に私たちは耳を傾ける必要があると考えます。核兵器禁止条約が発効することによって、核軍縮が前進し、日本政府が国際社会において大きな役割を果たすことを期待するものです。
議員各位の賛同を訴えます。