福岡市議会では代表者会議の申し合わせで、期末手当の月数は国の特別職に準じるとしてきたことから、今回国の特別職の期末手当引き上げに合わせて市議会議員の期末手当も引き上げる補正予算が提出されました。特別職報酬審議会の答申ではなく、代表者会議の申し合わせという不透明な、ある意味お手盛りと言われてもしかたがない決定です。代表者会議は議会運営に関して会派間の調整をする任意組織ですのが、法的根拠があるものではありません。強いて言えば議長の「議事を整理し、議会の事務を総理」するための議長の私的諮問機関とも言えないことはありません。私は期末手当引き上げに反対しました。
議案第189号「平成28年度福岡市一般会計補正予算案(第2号)」
の「議会費」に関する修正を求める請願書
【請願趣旨】
福岡市の借金(市債残高)は少しずつ減ってきているとはいえ、いまだに2兆3796億円余もあり、市民一人あたり約158万円となっています。この責任は歴代の福岡市長にあることはもちろんのこと、福岡市議会にも責任があるのではないでしょうか。
議員報酬は月額88万円、年1400万円余もあります。一方、全国の勤労者の平均給与所得は、2014年、2015年はわずかに上昇しているとはいえ、1997年以降は下降傾向にあり、約420万円(2015年)です。勤労者の給与は景気などに左右されますが、議員報酬については景気にも左右されなければ、また、いくら借金を抱えていても減額されないというのは、勤労者としては首をかしげたくなります。
今回の補正予算案の「議会費」の内訳を見てみると、月額88万円そのものを上げる内容ではなく、期末手当を計算する際の「支給月数を0.10ヶ月増やす」という内容であり、議員62人全員でも795万円の増額と、額としてはそれほど多くはないかもしれません。しかしその一方で福岡市は、行財政改革の名のもと、生活保護世帯の下水道料金の減免制度の廃止、高齢者への交通補助の見直しの検討、公共施設の駐車場の有料化など、市民の負担を少しずつ増やす政策を取ってきています。このような不公平な負担のあり方は福岡市民として到底納得することはできません。
今回の議員報酬に関する増額予定分の「795万円」を「0円」とし、「議会費」の補正額を「△6,200千円」から「△14,150千円」と修正することを提案いたします。
また、2015年4月に行われた福岡市議選において、選挙中の選挙公報や、選挙前のリーフレットやチラシなどで複数の議員・候補者の方が「議員報酬の削減」や「見直し」を訴えておられました。しかし、選挙から1年半以上経ちますが、まったく議論が進んでいるようには見えません。ぜひ議員報酬のあり方について、福岡市特別職報酬等審議会とは別に、福岡市議会として市民に開かれた形で検討する場を設けていただくことも併せて要望いたします。
よって、以下の事項を請願いたします。
【請願項目】
- 議案第189号「平成28年度福岡市一般会計補正予算案(第2号)」の「議会費」の補正額を「△6,200千円」から「△14,150千円」と修正すること
- 議員報酬のあり方についての議論を、福岡市特別職報酬等審議会とは別に、福岡市議会として市民に開かれた形で検討する場を設けること