交通対策特別委員会調査

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平成28年11月24日(木)、25日(金)

24日(木)

姫路市姫路駅前トランジットモール

中心市街地やメインストリートなどの商店街を、歩行空間(モール)として整備するとともに、バスや路面電車など公共交通(トランジット)だけを通行させ、モール内や外部空間とモールを結ぶことで街の賑わいを創出する。欧米ではよく見られ、ドイツフライブルグ市は旧市街地(旧城塞内)を指定時間内の商業施設への搬入等以外はLRTだけが通行し、指定エリア内(旧市街地)は歩行者天国となっている。

姫路市ではJR姫路駅前の再開発に合わせてトランジットモールを導入。操車場の移転等による開発と駅前の4車線道路を2車線にすることで歩行者空間を広げ、バスおよびタクシーのみの通行とし、再開発地域の車道を歩行者空間にして隣接する商店街と一体化させた。隣接する商店街は元々車両の進入が規制されており、トランジットモール導入で一体感が出来きている。駅前の歩行者空間に広場が設置され、旧外堀の部分には子どもが遊べる水辺空間をつくり、この空間で種々のイベントが開催されている。トランジットモールは回遊性が高まり、歩行者の人数も増加している。

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また、JR姫路駅は姫路城の旧外堀に面しており、戦後復興時に戦中奇跡的に消失を免れた姫路城に向かって4車線の大手前通りが形成されていた。トランジットモール導入時に、姫路駅付近にあったと言われる飾馬門をイメージする2階建ての展望台を設置し、姫路城が駅前・飾馬門から見える風景のデザインをすることで姫路市のシンボルとしている。また隣接する商業施設の屋上には姫路城を中心とした街並みが展望できる広場が設置され、イベントも企画されている。これらの整備には行政、交通事業者、まちづくりNPOや商店街が積極的に参加し、特にトランジットモールは商店街が積極的に進めたということである。

姫路市は姫路駅を起点にJRおよび山陽電鉄、バスで放射線状の交通体系を形成している。

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25日(金)

仙台市におけるパーアンドライド

八木山動物園駐車場のパークアンドライドを視察。仙台市ではJR仙台を中心に、駅地下鉄南北線と東西線を軸に交通体系を形成しようとしている。東西線および南北線の始点駅および公共施設や商業施設がある主要な駅にパークアンドライドが出来る駐車場やバスプールを設置し、公共交通の利用を促進している。

 

パークアンドライドを利用する場合、ICカードを利用する場合は駐車場の履歴が残るようにすることで100ポイントの割日がされる。八木山公園駐車場は東西線の西の始点駅で、バスプールと地下鉄駅があり、動物公園の入り口にもなっている。駐車場およびバスプールの整備は25億円、そのうち21億円が社会資本整備交付金が使われている。駐車場は4階建ての2階から屋上、519台が駐車できる。そのうち300台がパークアンドライド用で、月~金までの利用が250台、前日利用が50台が割り当てられ、月~金利用が190台、前日利用40台が契約されている。利用料金は月~金利用は月5千円、前日利用は月8千円となっている。

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駐車場建設に当たっては市民参加で計画が作られ、駐車屋上には屋上の4割程度の広さのはデッキと芝生の広場が設置され、広場の名称も八木山てっぺん広場と市民が付けている。また、地下鉄は動物公園の入り口にもなっており、動物公園へのエレベータまでの空間には動物の足跡のタイルや連絡ボードが設置され、バスプールとも接続しているのでバスの時間を表示するスクリーンも設置されている。

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仙台市では交通渋滞解消に向けてバスと地下鉄の乗り継ぎを促している。主要な駅にバスプールを設置し、仙台駅へのバスでの直行便を削減している。高齢者の反対もあり、一部は元に戻しているが、大きな問題にはなっていない。乗り継ぎを進め、全体として走行距離で10%、バスの便数を4,206便/日から3,981便/日に5%削減した。バスから地下鉄、地下鉄からバスに乗り継ぐ場合、ICカード利用者は1時間愛であればポイントで割引される。交通政策として意欲的な取り組みと感じた。

 

所見

トランジットモールは大変魅力的であるが、福岡市では現時点では対象と出来る場所はない。今回の七隈線延伸を検討する時点で、天神尾予備中洲川端地区のトランジットモールを検討すべきであった。

仙台市のパークアンドライドの取り組みはバスと地下鉄の乗り継ぎの推進を図ることと同時並行的に進めており、福岡市に比べ方向性が明確である。またパークアンドライドの利用者もそれないに増えており、政策的には成功しつつあるのではないかと感じた。