あらきニュース 臨時号(2015年5月)

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戦争は私たちの目前にある!戦争法廃案を求めます!
安倍政権は5月14日に集団的自衛権行使ができるよう自衛隊法や武力攻撃事態法など関連法案の改悪及び、戦闘行為を行う外国軍の後方支援が出来るよう「国際平和支援法」を新設する、いわゆる戦争法制定のために閣議決定をしました。武器弾薬、兵員の輸送は戦闘行為と一体のものであり、戦闘している軍隊の後方支援することは戦争そのものです。閣議決定に先立ち4月27日には日米防衛協力にかんする指針、いわゆるガイドラインの改定が行われました。ガイドラインでは「他国の防衛に協力する」となっており、アメリカ軍と一体となって地球の裏まで戦争に参加することになっています。
ガイドライン及び戦争法はこれまでの専守防衛から、行動地域の限定がなくなり世界中へ積極的に自衛隊を派遣し、後方支援や機雷の掃海、外国艦船の護衛等を行うことになります。また、PKOの派遣先での他国軍警護のための駆けつけ警護も行うとされ、これらの行為はまさに戦闘に参加することを意味し、日本国民を戦争に巻き込むことになります。
自衛隊そのものは憲法9条を見れば明らかに憲法違反の状況にありますが、これまでの内閣は集団的自衛権を否定してきました。日本国への攻撃については従来の個別的自衛権の範囲で可能であることを、いまなぜ憲法違反である集団的自衛権を行使する必要があるのでしょうか。しかも憲法改正の手続きもないままなし崩し的に戦争が出来るように法を改悪し国民を戦争へ巻き込むことは許されません。
武力によって平和を築くことはできません。戦争は悲しみと憎しみを生み出し新たな紛争を生み出します。戦争は文化や歴史、自然環境を破壊し、人間の心も破壊します。イラクに派遣され帰還した自衛隊員の多くの方が自殺していることにもこのことが現れています。「積極的平和主義」と称して世界の国際紛争に介入すれば、これまで「戦争しない国」としての信頼の上で行ってきた人道支援はできなくなり、海外や国内で日本人がテロの対象となります。戦争法は日本を不幸にします。廃案にさせましょう!

地方自治体は子どもたちを戦場に送ってはいけない!
防衛省・自衛隊地方協力本部は毎年、自衛官募集のダイレクトメール(DM)を郵送するため、住民基本台帳に記載されている適齢者(高校三年生、中学三年生)の名前、生年月日、性別、住所の四情報の提供を自治体に求めてきました。福岡市においては住民票の閲覧できるようにしています。現在安保法制が国会で議論されることになっており、既に日米防衛指針の取り決めがなされました。その内容は自衛隊がこれまでの専守防衛から、アメリカの世界戦略の一翼を担い、地球規模でアメリカ軍の指揮の下に行動することになります。具体的に海外へ自衛隊を常時派遣することになれば、これまでの自衛隊は戦闘行為に参加することになります。この様な事態は、自治体が自衛隊員募集に協力することは市民を戦場に送ることと同じ意味を持つこととなります。これは地方自治の本旨である「住民の福祉の増進を図る」に反することになります。私は、地方自治体は70年前のように地方自治体が国策に無批判に住民を戦場に送ることを反省し、安保法制や集団的自衛権行使にハッキリと反対すべきと考えています。

高浜原発差し止め仮処分判決:原発は人権侵害の施設
原発に頼らない社会の実現に向けて玄海原発再稼働阻止を
先日4月14日に福井地方裁判所において福井県高浜原発3号機、4号機運転差し止め仮処分を求める裁判の判決がありました。判決は高浜原発3号機、4号機の運転差し止めを命ずるものでした。その理由は、
①そもそも日本は4つの大陸プレートの上にあり、各地の原発の敷地外で幾度か到来した激しい地震や各地の原発敷地内に5回にわたり地震基準振動を超える地震が来ており、関西電力の主張は高浜原発では基準時振動を超える地震が起こる可能性は少ないという楽観的見通しに過ぎない、
②使用済み燃料の保管について新基準では耐震性の基準がBクラスであるが、安全性確保のためには最高の機能であるSクラスにすべきである、
③新基準では中央制御室は耐震性及び放射性物質に対する防御機能が高い免震重要等の設置を義務づけているが猶予期限が設けられており、地震は人間の計画、意図とは無関係に起こるので猶予を持たせている新基準には合理性がない、
④平成4年の最高裁判決は、原発の施設の基準に適合すれば深刻な災害を引き起こす恐れが万が一にもないといえるような厳格な内容を備えていることであると解され、新基準はそれに適合しても原発の安全性は確保されていない
とし、原発事故により、原告らは取り返しのつかない損害を被る恐れがあるとして、高浜3号機、4号機の運転をしてはならないとしています。2011年3月に福島原発事故が起こったとき、ドイツでは国が倫理委員会を開催し、「原発は倫理に反する施設である」として、2022年までに全ての原発を廃炉にすることを決めました。今回の判決は、ドイツの判断と同様に原発は人権侵害を起こす施設であると認定しており、政府はこの判決を重く受けとめ原発再稼働をやめるべきです。福岡市においても、地方自治の本旨である「住民の福祉の実現」から九電に原発を再稼働させないよう申し入れるべきです。

【川内原発再稼働差し止め判決について】
4月22日の川内原発再稼働差し止め判決は九電の主張を丸呑みするもので、全く政府の言いなりの判決でした。司法の独立があるのか改めて疑問を持つものです。判決理由は以下となっています。
①原子力規制委員会の新基準は深刻な事故は100万年に1回の確率でしか起こ らないとしており妥当である。
②地震の揺れは地域特性があり、九電は新基準に則って調査しており適正である。 仮に事故があっても九電の解析によれば外部に漏れる放射能の量は新基準以下 となっているので問題はない。
③巨大カルデラの噴火については火山学会の少数意見であり考慮する必要はない
④避難計画は実行可能で妥当である。(鹿児島県知事は要援護者の避難は10キ ロ圏内で十分、30キロ圏内は不可能と言っている)