子育て支援や教育重点予算は看板倒れ
新年度予算は「都市の成長の果実」を「生活の質の向上」に資するとしていますが新年度予算はそのようになっているでしょうか。新年度予算の基調は「都市の成長」であり、都市の成長エンジンとして国家戦略特区の推進を上げ、「天神ビッグバン構想」をはじめウォーターフロント開発やMICEの推進を優先事業と位置づけ、更に「解雇特区」を推進するとしています。今年も破綻した人工島事業に土地処分のために立地交付金17億円、マンション建設に10億円の補助金など100億円余を支出、人工島への市民体育館移転計画の推進する一方で、葬祭場の増設計画や過大な費用負担を生じさせているクリーンエナジーの見直しなどには手を付けていません。
他方、「生活の質の向上」にどれだけ予算が使われているかをみると、国策である子ども子育て新制度や前年度からの継続事業である小中学校の空調機整備に予算が割かれていますが、子ども医療費助成については入院費は中学3年まで延長したものの通院費の助成は従前どおりの未就学児童までです。政令市の内7市は中学3年まで通院費・入院費との無料化されており、他都市に比べて遅れています。子どもが育つ環境整備や子どもの貧困対策として増員が望まれているスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの増員や学校司書の増員には積極的な取り組みはありません。とりわけ、図書館の民間委託は市民サービス低下を招くもので問題です。また、年金が削減され続けているなか、国民健康保険料や介護保険料などの負担軽減はされず、障がい者や高齢者の移動を保障する取り組みなども予算は十分とは言えません。公共施設の使用料値上げや施設に併設されている駐車場などの使用料の新設など、様々なところで市民負担を求めています。これが「成長の果実」を市民に循環させたものと言えるでしょうか。
地方自治の本旨に立ち戻って
貧困と格差の拡大にブレーキを!
昨年7月のOECD報告では、日本の相対貧困率は加盟34カ国地域でワースト2と格差と貧困が広がり、日本は貧困大国になりつつあります。とりわけ、小泉内閣以降、自公政権は大企業優遇策をとり、労働法制を改悪し非正規労働者を増やしてきました。その結果、今や非正規労働者は労働力の4割を占め、貧困が広がっています。更に、物価上昇に賃金が追いつかず実質賃金は18ヶ月減少し続けるなど、アベノミクスによって貧困と格差が更に広がっています。この様な状況だからこそ、地方自治体は住民の福祉実現に取り組まなければなりません。格差の拡大と貧困の広がりに対する自治体の取り組みが急がれています。ところが髙島市政は「都市の成長」に政策と予算の基調を置き、「市民の生活の質の向上」に取り組んでいるとは言い難いものです。それどころか、「解雇特区」推進は「解雇自由」の仕組みを作り出す実験場であり、貧困と格差を拡大させるもので、直ちに返上すべきです。
福岡市は地方自治体の本旨に立ち戻り、住民福祉の実現を図る時です。国内外からの企業誘致に重点を置くのではなく、地域経済の活性化に向けて地場農林水産業や地場企業の育成ならびに雇用を創出する支援策を進めるべきです。そのためには地場企業が施工できる市民に役立つ小さな公共事業や住宅リフォーム助成制度実施、農林水産業の支援と6次産業化への助成強化、介護労働者や保育従事者が増えるよう処遇改善にもっと助成する、ソーシャルワーカーやソーシャルカウンセラー、学校司書などの増員を図る、自営業者育成支援を強化するなどに重点を置くべきです。また、福岡市では指定管理者制度や窓口業務の委託化、学校給食調理の民間委託を進めるなどしていますが、これは官制ワーキングプアーを生み出しており、貧困の増大と格差拡大を助長するものです。働く人の処遇改善と地域経済活性化のために、公契約条例を制定し、官制ワーキングプアーをなくす必要があります。新年度予算案においてはこの様な視点が十分ではなく、「都市の成長」が「市民の生活の質の向上」をもたらすというトリクルダウンの幻想で進める予算案、人工島関連事業、および諸議案には賛成できません。
あらきの政策
●年収1400万円高すぎる議員報酬50%カット!
●税金のムダづかいをストップ!
税金は暮らしの安心に・国民健康保険料などの負担軽減を!
●格差と貧困の拡大にブレーキ!
「解雇特区」は直ちに返上、安定した雇用の確立を
●玄海原発再稼働ストップ!
節電と再生可能エネルギーを増やし原発にたよらない暮らしに
<住民福祉の実現という地方自治の本旨から国に声を上げます!>
●集団的自衛権行使反対!
●国民の知る権利を奪う特定秘密保護法は廃止
●農業や食の安全、地方自治を脅かすTPPに反対
●労働法改悪に反対!