OECD加盟先進国34カ国・地域で
日本の貧困率はワースト2です。
そして、貧困率は16%!
アベノミクスで貧困と格差は拡大!
昨年7月のOECD報告によると、日本の相対貧困率は加盟34カ国・地域でワースト5から更に悪化し、最下位のアメリカに次いでワースト2となっています。また、同じく8月に公表されたOECDの幸福度の調査によると、暮らしの安全性などは比較的高いものの、全体的な幸福度は平均より下回っています。厚生労働省の調査でも日本の相対的貧困率は16%を超え、年々格差が拡大し貧困が広がっています。特に一人親家庭の50%以上は貧困家庭と言われ、政府でも昨年8月に「子どもの貧困対策に関する大綱」がつくられ、貧困対策の必要性が増しています。福岡市においても一人親家庭の支援など、貧困対策が火急の課題です。
実質賃金は17ヶ月減少し続けている
国民の暮らしをみると一段と厳しくなっています。年金は年々引き下げられ、実質賃金は17ヶ月も下がり続けており、昨年4月に消費税が引き上げられ年明けて後には更に食品をはじめとして生活資材の値上げが続いています。新年度からは、医療費や介護保険の負担は一段と重くなり、市民生活は一層厳しくなっています。アベノミクスによって、経済は立ち直るどころか、貧困の増大と格差が更に広がっています。法人税減税など大企業優先、富裕層優遇の政策がやがて国民の生活を豊かにするというトリクルダウン理論は破綻しており、決して国民を豊かにするものではありません。1%の富裕層が国内の富の40%を占め、OECD加盟34カ国・地域の中でワースト1というアメリカの現状を見れば明らかです。「奪い合う社会」から「分かち合う社会」への転換が必要です。
<アベノミクスの第1の矢は見当外れです>
安倍政権は、デフレ脱却としてアベノミクス第1の矢である「異次元的緩和(量的・質的金融緩和)」を発動し、国債を大量に買い込んで市場に円を溢れさせました。その結果円が大幅に値下がりしましたが、経済は立ち直っていません。金融緩和により株高になりましたが、輸出は伸びずに、国内設備投資も11月速報値ではマイナス0.2%と増えていません。むしろ円安による輸入資材の値上がりで物価上昇を招き、中小企業の経営を圧迫し国民生活を脅かしています。4月の消費税値上げはこれに追い打ちをかけました。そもそも日本の経済構造は円高時代に変わっており、グローバル化で企業は海外投資を進めてきました。このことによって国内投資が減り、輸出も伸びない構造を招いています。円安により輸出が増え経済が活性化するという、アベノミクスのもくろみは筋違いといえます。
<アベノミクス第二の矢、切れ間のない景気対策は息切れ状態>
アベノミクス第2の矢である「切れ間ない景気対策」は息切れ状態です。そもそも財政赤字が膨らんでいる地方自治体は、国の交付金以上に単独での事業を行うことは難しい状態です。加えて、急激な公共事業の増大は、東北復興事業による建設労働者の需要増とこれまで公共事業を削減してきたことによる建設労働者減少から、労賃の上昇と人手不足、資材不足と資材の高騰で、公共事業の消化不良を生じさせています。また、そのあおりを受けて住宅など民間投資が減っています。その結果、消費税値上げと相まって昨年11月速報値では7月~9月期の住宅投資はマイナス6.2%となっています。これがアベノミクスの第2の間違いです。昨年暮れに地方への緊急経済対策として3.5兆円の補正予算が組まれましたが、人口減少が続き非正規雇用が増え続けている地方の状況ではでは、雇用の構造を変えなければ一時的なバラマキに終わりかねません。
福岡市は国家戦略特区=「解雇特区」は返上を!
アベノミクスの第3の矢である「成長戦略は、これまでの労働環境を根底から覆し、貧困を生み出し格差を広げるものです。安倍政権の産業競争力会議は起業の国際競争力を高めるとして、法人税減税と共に、「労働力の効率化」、「労働力の流動化」、そして規制緩和を進めています。「労働力の効率化」とは企業の都合による解雇の自由と、「成果主義という名の不払い労働」を制度化するものであり、「労働力の流動化」は非正規労働者を増す政策で「派遣労働法の改悪」を検討しています。福岡市が指定された国家戦略特区=「解雇特区」は「アベノミクスの実験場」であり、貧困と格差を生み出すもので返上すべきです。地方自治体の本旨は住民の幸福度を高めることです。福岡市は、企業誘致重点や開発優先の市政から自治体の本旨である「市民の福祉実現」「市民の幸福実現」に戻るべきです。