2015年介護保険制度改正

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2015年から介護保険制度の改正とその対応
高齢化が進み家族だけでは介護できない状況が社会的に認知され、2000年(平成12年)から介護保険制度が始まりました。3年ごとの制度見直しがなされてきましたが、年々介護認定者が増え給付額が増え続けてきたことから、制度の運用は厳しく見直されてきました。2015年の改定の時期に当たり、現状の制度であれば給付額が2013年度時点で9.4兆円が2025年には21兆円に、介護保険料も4,972円から8,200円なると見込み、制度の見直しを進めるとしています。見直しの要点は、①サービス提供体制を見直す、②負担のあり方を見直す、となっています。
福岡市では、2015年の介護保険改定に向けて、自治協議会のあり方について検討を進めています。地域の助け合いや様々な団体組織と連携して住み続けられる街にしていくことは必要です。しかし、安易に介護経費削減のために実態と合わないような状況にならないように検証するシステムが必要と考えます。

1)サービス提供体制の見直し
サービス提供体制の見直しは、地域の民間事業者、医療機関、協同組合、地域住民、社会福祉協議会、NPOなどととの連携して地域包括支援体制を構築するというものです。施設介護を減らすために、地域での多様なサービスを提供することで介護予防と在宅介護を進めるとしています。このことによって、介護保険における要支援者に認定している人たちを出来るだけ地域に受け入れることで介護給付を削減する、また在宅介護を進めることで要介護3以上の方しか特別養護老人ホームには入れないようにすることで特別養護老人ホームの待機者が多い状況を解消し、同時に介護保険給付を抑制するとしています。

2)負担の見直し
介護保険の負担の見直しは、標準介護保険料を6段階から9段階に細分化し、一部低所得者に足しての軽減はすすものの負担増を図っています。またこれまで全ての被保険者の負担は1割であったものを一定基準以上の収入がある人に2割負担を検討しています。具体的には年金収入で年間280万円以上の方としています。また、施設利用者の内、低所得者に対する食費・居住費の負担軽減している補足給付について一定の資産を有する高齢者にの負担軽減を削減・廃止を検討しています。

デイサービスセンターみどりのステーション所長として
私は2007年10月からデイサービスセンターみどりのステーションを設立し、運営してきました。現在の介護制度を見たとき、制度的に限界にあることを感じています。国は介護保険の財源不足解消のために制度を毎回改悪してきました。そして今回の介護保険の見直しの軸は、地域包括介護システムとして地域資源の連携によって在宅介護進めるというものです。理念は間違っているとは思いませんが、それを支える構造が脆弱な上、地域の絆に寄りかかるシステムは無理が生じます。若年労働者が定着しない介護現場での低賃金労働の構造を変えなければ、地域で支える介護の仕組みが維持できなくなると考えられます。安易に外国人労働力を導入することで、安価な労働市場を維持するとすれば、少子化・生産年齢人口のの減少に歯止めがかからないばかりか日本経済にも大きな影響を受けます。

デイサービスセンターみどりのステーションは小規模施設なので一人ひとりに優しく対応しており、好評を得ています。お泊まりデイサービスを始めることで、住み続けてきた街で安心し住み続けることが出来るよう、高齢者および家族の方を支援しています。

2015年介護保険制度改正
2015年介護保険制度改正