汚泥研視察報告

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汚泥問題研究会調査
2011年11月24日、25日
24日(木) 神戸市東灘処理場
1、下水道ネットワーク
 ①経緯 
  阪神淡路大震災を受け、災害に強い下水道を造る
 ②ネットワーク
  ・災害時でも使える→ネットワーク化(垂水、西部、東灘の三処理場を結ぶ)
  ・地震時に強い下水道→大深地下(自然流下を利用しているため地下15m~35m)
  ・処理機能の向上→貯留機能を持つ大口径(直径3m)
  ・三経路の結節部に分水人孔を作り処理経路の調整
 ③事業
  既存の下水道15kmに新たにネットワーク幹線18kmをつなぐ
  シールド工法、総事業費390億円
平成23年4月から供用、それに伴い中部下水処理場を廃止

 ④関連事業
  a処理水を山手の鈴蘭処理場から高度処理(オゾン処理)した処理水を水路に流し、   景観と災害時の水源としている。水路の管理は周辺住民で管理している。
b指定した避難所60カ所(小学校22校)に300基の仮設トイレを配置し、仮設   トイレが下水道に直接設置できるよう下水管を避難場所につないでいる。
c小学校22校では雨水貯留施設を設置し、非常にはトイレ用に、通常時は散水など   雑用に使えるようにしている。
  d仮設トイレの設置訓練は地域住民が主体で行い、非常に保管場所が分かるようにし   ている。地域コミュニティ形成にも役立っている。
 ⑤課題
  人口減少が始まる中で、既存施設の更新の費用がかかる。事業費を圧縮する中で効率  的な事業を進める必要がある。

2、汚泥ガス化事業(こうべバイオガス)
 汚泥の消化ガスのメタン濃度を上げ手自動車燃料(CNG)、さらにメタンを加えて燃焼カロリーを上げて大阪ガスに販売

1、事業
 東灘処理場の汚泥の消化ガスを精製し燃料予備都市ガスとして利用
 事業は国の補助金で行われている。
 日量 32万トンの汚水処理
 ①消化ガス 10000立方メートル
 国土交通省55%補助
 汚泥消化タンク 40度で維持 保温にバイオガスを使用
 (メタン60%、二酸化炭素37%、その他3%)  
 ②バイオガス精製装置(H20年4月からガスを供給)
 高圧水吸収方式 ニュージーランド・フローテクス社製
 経済産業省補助金事業 補助率100%
 (メタン98.2%) 
 6000立方メートル
 燃料と消化タンクのボイラー用して供給
 ③シロキサン除去装置を設置(経産省の100%補助事業)
シロキサンはシャンプーや化粧水などに含まれるシリカ化合物。エンジンに結晶がで  き爆発するため除去が必要。
 バイオガス供給スタンドで販売 65円/
 スタンドは委託、費用はガスを47円/で卸しその差額が委託費となっている
 現在140台が登録、内10台が市営バス
 問題は200気圧の圧縮ガスのため、燃料タンクが高額となり新たな車両が増えにくい
④都市ガスか装置の設置(H22年10月から共用)
 カロリーが足りないこととな酸化炭素や酸素の量を大阪ガスの成分にあわせるために、 酸素を水を電気分化した水素で除去し、二酸化炭素を除去した上でプロパンガスを添加 する。
都市ガス振興センターの補助金100%の事業
 成分を常時測定し、不良ガスは燃焼させる
 ガスの売価は国が公表するまでは教えられないとのこと
 ⑤食品残渣などの産業廃棄靴のバイオガス事業も準備中
  b-ダッシュ事業 国土交通省100%補助事業
  全国で神戸市と大阪市が当選

 汚泥のガス化事業そのものは意味があるが、費用がかかりすぎることに問題がある。国丸抱えの事業であった。

25日(金) 大阪市仲間浄水場

1事業
 汚泥の初夏ガスによる発電
 ここでは汚泥を50度で保温し二週間で初夏させている。高温で消化させることで処理能力を上げることで施設をコンパクトにし、余った土地を雨水処理用のポンプ場にしている。消化ガスを消化タンクの保温と発電に使用。
 汚泥槽の曝気には隣の焼却場から工場気を引き蒸気タービンで送風している。
平成8年から供与
建設費 土木工事 3億円
    発電設備 8.5億円
    電気設備 5千万円
    計12億円
 ランニングコスト(人件費を除く) 年間4500万円~4600万円
場内の20%の電気をまかなっており、買電に比べて1500万円の祖津塗削減になっている

大阪市内12の汚水処理場の内6施設で消化ガスを作り、2施設で発電している。12施設の内1施設は汚泥を固形燃料化しており、5施設は管で汚泥を近くの消化タンクがある処分場に送っている。

 中浜処分場でもB-ダッシュ事業の準備が進められていた。
 問題は安定して資源が確保できるか、異質なものと汚泥と一緒に消化させてうまくいくが課題が多い。実験プラントなので実証試験が終われば撤去するとのことであった。

3、視察を終えて
 汚泥活用は必要であるが、費用対効果を考えるとき、活用方法を十分検討する必要がある。