第5委員会調査報告

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7月27日(水) 横浜市川井浄水場視察
■セラミック膜処理について
1、現在日量10万トン浄水施設を17万トンに改築
2、改築に当たってはセラミック膜による浄化法にする
3、改築する浄水施設についてはPFI,BTO方式
建設5年、20年間SPCによる維持管理、
建設期間を含め25年後に横浜市へ無償譲渡
契約金 277億円(建設費90億円、維持管理費186億円)
支払いは建設終了後から20年間(平成22年~25年建設、平成26~45年運営)
4、膜処理は相模原沈殿池から自然流下による10mの高低差を利用して行うため、電力  は使わない。
5、施設がコンパクトになり、現施設を使用しながら改築が同時進行で行われている。
6、VFM(経費対効果)が6%と評価
7,課題
 ①膜の管理、大規模修繕がどれだ組み込まれているか
  膜の耐用年数は21年以上ということになっている
 ②引き継ぎ後の管理能力をどう身につけるか
現在、職員をトレーニングしているとのこと
 ③セラミック膜処理は水質が指定される。どこでもはできない
耐用年数は洗浄して使うため、やってみないと分からない世界

■省水力発電
 相模原沈殿池と川井浄水場とのとの10mの高低差で発電。着水泉の手前で発電している。発電機2機で最大270kw(385世帯分)、当日は205kwであった。福岡市瑞梅寺浄水場でも省水力発電をしている。乙金浄水場にも設置予定ということである。

7月28日(木) 新潟市水道局
■合併の経緯と水道料金の統一
・2005年(平成17年)14市町村が合併
・人口54万人→87万人 配水量日量57万トン
・3浄水場、4配水池→13浄水場、17配水池
水道料金が新潟市より高い市町村(8市町村)は2004年(平成16年)より新潟市に合わせ、新潟市より安い市町村(5市町村)は激変緩和措置として2004年(平成16年)から毎年20%づつ減免率を下げ5年かけて新潟市の水道料金に統一。
新潟市より水道料金が安い市町村の額と新潟市の額の差が小さかったため、移行はスムースにできた。水道料金の統一による負担は9億4,500万円(平成17年度)。

■水道事業の統廃合
・水道事業の中長期経営計画とマスタープランの作成(平成19年~平成26年)
・水道事業の経営基盤強化→水道事業を効率化
 給水人口87万人→82万人(平成27年)(新潟市マスタープランによる)
 一日最大給水量56万トン→44万トン
・これに合わせて
 13浄水場→6浄水場 17配水池→14配水池に
・費用削減効果
 浄水場・配水池廃止による運営費減      214億円
 それに対応する広域配水連絡管設置費用費増 108億円
 105億円の経費削減
・水道事業としては健全化が進む

■水質管理について
 水道減水は信濃川および阿賀野川の表流水を水源としている。信濃川水系では8浄水場、阿賀野川水系では2浄水場が取水。BOD値は信濃川は1.2mg/l、阿賀野川は0.7mg/l、国土交通省所管の165河川中、水質は信濃川は125位、阿賀野川は36位とあまりよくない。新潟市の取水口は最下流にあるため、正解配水や農薬の影響が懸念される。(かって除草剤による問題が起こっている)また、冬時に家庭からの灯油流出も多く、毎年河川汚染事故120件程度あり、そのうち80%が家庭からの灯油流出である。

■福島原発事故による放射能汚染の対策
 福島原発事故による放射能汚染が事故当初確認された。阿賀野川からの取水している満願寺浄水場と椎名の川支流の中之口川戸頭浄水場で検出された。3月12日以降のものであるが、週単位でまとめて処理をするのでいつものかは正確には分からない。検出されたセシュウムの量は79ベクレル、保管している汚泥は278‰ということであった。汚染状況は福島県猪苗代湖を水源とする阿賀野川流域の満願寺浄水場が値は高かったとのことであった。
 放射能汚染は県が調査している。国が指定しているモニタリングポスト1カ所のほか、週2回測定地点が9カ所、月1回の地点が30カ所、水道水源に関しては4地点が測定されている。事故当初はヨウ素131が検出されたが、4月25日以降は検出されていない。放射能汚染対策は県の報告を受けて、活性炭を多く投入することで対策をとっている。
 年に1度β線をはかっているということであるが、福岡市も含めて、独自の放射能チェック機能を持っていないことにある。汚染状況はかなり広範囲に及んでおり、原発事故のリスクがいかに大きいかを改めて感じた。

7月29日(金) 柏崎市訪問
 前日新潟県は大雨洪水注意報が出されていた。午後の食事の時から雨脚が速くなり、柏崎市への鉄道が不通となった。そのため急遽高速バスにて柏崎市へ向かった。柏崎市は雨はひどくはなかった。当日も新潟県は大雨洪水注意報が出されていたが、視察後移動中に雨が降り始めたがそれほど強いものではなかった。バスでの移動で高速道路沿いに風景を眺めると、昨日からの雨もあり、信濃川の水かさは増しており、一部冠水しているところが見受けられた。それほど強い雨脚でなかったこともあり、後日報道されるような大洪水になるとは予想だにしなかった。

■新潟中越沖地震(2007年)の水道事業の被災状況と復興および震災対策
柏崎市は人口9万人、世帯数3万4千世帯。
地震 マグニチュード6.9 震源の深さ17km 震度6強
地震による被害
人的被害 死者は14名、けが人1,664人、
建物被害 28,426棟(市民の約8割が被災)
全壊家屋1,121棟、大規模半壊家屋676棟、半壊家屋3,907棟、一部損壊22,722棟
火災は2件 内1件が原発3号機変圧器の火災であった。
柏崎市は河口の洪積地であるため地盤が弱く、場所によっては1,018がルという大きな揺れを生じている。