先日、NHKクローズアップ現代で「遺伝子組み換え動物」について報道がありました。遺伝子組み換え植物だけでなく、遺伝子組み換え動物が既に多くつくられています。動物と植物の界を越えた遺伝子組み換えが行われており、どのような問題が生じるのかまだ把握できていないことが多く、人体への影響や生態系への影響が懸念されます。
いまアメリカでは通常の2倍の速さで成長する遺伝子を組み換えたサケが食品としての販売許可の動きがあります。既に遺伝子組み換え穀物で肥育された豚や牛など商品と流通していますが、直接遺伝子組み換え動物が食品として流通することは初めてです。アメリカとノルウェイの研究者は、早急な承認はこのような食品が社会に与える危険性を見落とす可能性があると警告する論文を出しています。
2003年には、遺伝子組み換え作物などの輸出入時に輸出国側が輸出先の国に情報を提供、事前同意を得ることなどを義務づけた国際協定、バイオセーフティーに関するカルタヘナ議定書(カルタヘナ議定書、バイオ安全議定書)が発効しています。しかし、カルタへナ議定書に違反して遺伝子組み替え動物が輸入されており、生態系への影響も心配されます。写真は博多港に輸入された遺伝子組み換え菜種が輸送中にトラックからこぼれ、路上に自生しているものと思われます。年々自生する菜種は増えているように見え、生態系への影響が懸念される例です。
未だ人体への影響が不明であり、生態系への影響が懸念されるにもかかわらず、管理も十分出来ない実態があります。このような遺伝子組み換え植物や動物の生産はやめるべきです。遺伝子組み換え生物の製造をやめさせる取り組みを強化する必要があります。