博多湾会議主催で、講演会「クロツラヘラサギが来る博多湾、クロツラヘラサギがいる街」を開催しました。ウエットランドフォーラム代表の松本悟を講師に呼んで行いました。クロツラヘラサギの紹介、繁殖地及び越冬地、飛来地の保護の活動が紹介されました。
クロツラヘラサギは東アジアにのみ生息しています。繁殖地は北朝鮮と韓国の軍事境界線付近の無人島、その他中国に数羽確認されています。越冬地は中国沿岸部からベトナムルート、韓国、九州、沖縄、台湾の2つのルートがあります。日本では九州西岸が主ですが、最近は広島や香川でも観測されていると言うことです。各国はクロツラヘラサギの保護を進めており、中国でも開発が進む一方、クロツラヘラサギの保護区が広がっています。
台湾では台南で開発予定地を漁民や住民が開発反対で保護区にし、いまではエコツーリズムなどで地域が活性化していると言うことです。漁業と観光は両立しており、漁業者が起業し、ツアーを企画するなど地元の経済が潤っているようです。この地区の寺院の飾りはクロツラヘラサギにするなど、地域に親しまれています。台湾では80%の国民がクロツラヘラサギを知っていると言われ、台湾のパスポートにもクロツラヘラサギが使われています。切手や便せんなど様々なクロツラヘラサギのグッズが売られているということです。
人工島で市第4工区がまだ埋立が終わっていません。市第5工区はこれから土盛りをして地盤を造った後、8㌶の野鳥公園を造る計画です。しかし、これ狭いだけでなく、水辺は実質2ヘクタール弱(人工島中央公園の池より狭い)で、鳥も利用できないものです。クロツラヘラサギが利用するためには25ヘクタール以上は必要と言われています。博多湾は東アジアの渡り鳥のルートにあり、重要な場所です。湿地があれば渡り鳥の中継地になります。30ヘクタール以上の野鳥公園にすることで、福岡市の自然保護センターの機能を持たせ、アジア各国との環境保全に関する交流拠点にすることが市民の財産になると考えられます。環境教育の場なり、国際交流拠点にもなります。