住民訴訟第1回裁判

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 8月9日(月)住民訴訟第1回裁判がありました。70名弱の傍聴者でした。裁判では市民の立場から岡田さん、医師の立場から高木先生、患者の立場から横尾さん、原告団代表として佐野さんが意見陳述を行いました。短い時間で言いたいこことの何分の一しか言えない状況でしたが、吉田市長がなぜ市民の声、医師の声、患者の声を聞こうとしないのか、裁判官に伝えることは出来たのではないかと思います。
 今回は裁判の入り口で、これからが関係者を証人として出廷させ、法廷の場で真実を語らせることが課題です。また、こども病院人工島移転について吉田市長が行った検証・検討の経緯を再度洗い直すことで、当初から市民をだまし続けてきた吉田市長の責任を明らかにしなければと思っています。それは同時に福岡市の根幹にある腐敗の構造を明らかにするものと考えています。こども病院人工島移転は埋立事業の破綻の後始末であり、だれもその責任を取らずに、市民そして子どもにそのツケを残すものです。
 そもそも12年間の市長選挙で山崎前市長が財政健全化と人工島事業見直しを掲げて市長に当選し、人工島事業見直しをしましたが、その時点で人工島事業は破綻していたのです。ケヤキ庭石事件で、投じ見直しをしていた時点で博多港開発の経理課長は「このまま埋立をすれば200億円の赤字なる」と報告していたことが明らかになっています。また当時の日本興業銀行も「このまま埋立をすると100億円の赤字になる」として融資を凍結していたことも明らかとなっています。新生銀行、鹿児島銀行、あおぞら銀行は融資から撤退、他の5信託銀行も博多港開発への融資を凍結という事態になっていました。銀行団は人工島事業は不良資産と見ていたのです。
 山崎市長はこういった事実を隠し、「従来通り埋立をしても黒字になる」と市民に説明をし、銀行団には融資を続けてもらうために損失保証を約束実行しました。2001年(平成13年)3月、山崎市長は「銀行には決して損はさせません」と念書を書き、2001年7月には博多港開発と銀行団との融資の協定書を交わす場に立会し、「①博多港開発が埋め立てた土地の売れない土地はすべて福岡市が買う。②博多港開発が銀行団に返済できない時は福岡市が博多港開発に貸付、確実に返済させる。その為毎年200億円の予算を組む。③土地を安く販売できるよう道路や下水道は福岡市が公共事業として行う。④博多港開発に福岡市は30億円の増資をする。」と具体的な損失保証を約束しました。2002年2月には人工島事業の博多港開発部分についてを全面的に計画変更しました。
 福岡市は2002年4月から損失保証のために次々と必要がない土地を買い始めました。土地張り付き約定返済という契約を行い、いつどこの土地をいくらで買うと約束し実行したのです。2002年には15㌶強の土地を購入し、使い道がないために公園にしました。土地代126億円(82,500円/㎡)、公園整備費65億円、維持管理費年間約1億円です。住宅地は売れる見込みがないため、福岡市は福岡市住宅供給公社に買わせました。福岡市住宅供給公社が土地購入がするために、150億円の損失保証を福岡市が銀行にしました。この住宅地も市住宅供給公社で事業化すると赤字になるため、積水ハウス・福岡地所グループに購入価格(平均約10万円/㎡)を大幅に下回る価格(7万円/㎡)で売るために、一部の土地を3万円/㎡で博多港開発から買い取り、その結果博多港開発は55億円の赤字出すことになりました。
 こども病院人工島移転も、破綻の事実が明らかになった2002年の時点からこども病院と市民病院を統合して人工島に移転する計画が始まりました。また、2005年には博多港開発は銀行に返済するために福岡市から85億円を借り受けました。
 しかし、2004年には銀行団は博多港開発に対してこれ以上融資を続けることを拒否、埋立が終わっていない土地95㌶を博多港開発から福岡市に399億円で買い取らせました。銀行団はその資金でそれまでの融資した資金を回収したのです。埋立が終わっていない土地をこれまで要した費用399億円満額で買い取ると言う前代未聞のことを福岡市はやってのけたのです。再度の事業計画変更を行い、埋立が終わっていない95㌶の土地は福岡市が埋立を行うことになりました。銀行が見放した事業を福岡市が行って展望があるはずはありません。しかも、埋立が終わり、土地処分が始まっている土地についても、福岡市は様々な補助金をつけてまた福岡市の施設を儲けるのなどして博多港開発土地処分を援助してきました。埋立が終わっていない95㌶購入に、市議会の与党、自民、公明、福政、そして民主、社民が賛成したのです。まさに腐ったこの状況がこども病院人工島移転の原動力なのです。
 4年前の市長選挙はこの経緯が争点になったのです。吉田市長が行った市民へのウソの報告をしてまでこども病院人工島移転進めてきたの背景を暴き、福岡市政を変えなければなりません。市長選挙は、こども病院人工島移転撤回させる為の闘いであると同時に、福岡市政を変えるもう一つの柱です。吉田市長はもちろん辞めて頂くべき人であり、山崎市長が支持する候補者が同じ道を歩まないはとても考えられません。