住民監査請求そして住民訴訟
不明朗な移転経緯について本来議会として真相解明すべきものでした。ところが、多くの市民が地方自治法第100条に基づく調査特別委員会設置を求めていたにもかかわらず、市民の声に応えようとはしませんでした。いみじくも2年前の「こども病院人工島移転の是非を問う住民投票条例制定」を審議するの臨時議会で、民主党栃木議員は「住民投票を行うときは議会が機能不全に陥っている時だ。議会は機能不全に落ちいていない。」と住民投票に反対する意見を述べています。本来議会が解明すべきものを市民が法廷の場で明らかにしなければならないとは、議会はまさに機能不全に陥っているとしか言いようがありません。
1)住民監査請求
吉田市長がこども病院の現地建て替え費用を1.5倍にして「現地建て替えは高いので現地建て替えはできない」と説明してきたことについて、根拠となるメモや資料が破棄され、検討経緯が明らかでないことについて、福岡市議会に調査特別委員会を設置し真相解明をするようもててきました。数多くの市民が署名請願を提出したにもかかわらず、福岡市議会は一向に動きませんでした。そこで、今年2月25日に「こども病院人工島移転撤回を求める市民会議」を中心に、206名の請求人で住民監査請求を行いました。
監査請求の内容は、福岡市は、こども病院の人工島移転に関し、2009年9月議会で福岡市議会での議決を経て、博多港開発との間で移転先の土地を購入する契約し、代金として金44億4500万円もの公金を支出した件についてです。この契約は、人工島移転ありきの福岡市が、市民の声を顧みず強引に進めた結果、多くの不当かつ違法な点があり、この契約は無効です。福岡市と博多港開発との移転先土地の売買契約の違法性を主張し、不正に支出された公金について返還を求めるよう勧告することを監査人に対し請求しました。
具体的には、以下の不当な点につき、厳しく福岡市を追求する。
1 人工島移転の方がコストが低いとの虚偽の報告により、福岡市議会の議決を得たこと
2 他に税金のかからない手段があるにもかかわらず検討していないこと
3 人工島移転は、小児医療サービス低下を招くものであること
4 移転候補地取得の金額が、周辺地価に比べて不当に高額であったこと
2)住民訴訟
2月5日に提出した監査請求について、4月22日付で福岡市監査委員会は「監査委員会での意見がまとまらないため結論が出せない」と結果を伝えてきました。私たちは206名の請求人が原告となり、5月21日に、地方自治法に則り監査請求と同じ内容にて住民訴訟を提訴しました。当日は50名を超える原告団が福岡地方裁判所正門前で集会を開きました。患者家族の方はご昨日亡くなった患者さんの葬儀を終えて集会に駆けつけ、「人工島に移転することで助かる命を救うことができなくなることは許せない」と発言されました。
本来議会がすべきことをしないが故に、市民が自ら立ち上がらざる終えません。これから法廷の場で真実が明らかにされます。是非皆さんのご支援をお願いします。