いよいよ4月からこども病院を独立行政法人化を執行するために、2月補正予算が議会に上程されました。独立行政法人化することで経営が効率化するとしていますが、本当に効率化するのかその根拠は定かではありません。むしろ様々な弊害が指摘されています。国では独立行政法人化することで官僚の天下り先となり、非効率化しているという声もあり、国の直轄に戻す動きがあります。また、経営が重視され、本来公共としてなすべき機能を失うことも懸念されています。大学では経済活動に直結するもには研究資金が行き、他方基礎研究や文化、芸術など直接経済活動に結びつかないものは切り捨てられようとしています。
こども病院の独立行政法人化はどうでしょうか。経営が重視され、本来こども病院が担うべき機能が奪われる恐れは大きく、他の公立病院でも問題となっている例がいくつかあります。そもそもこども病院はこども特有の病気に対処するために造られた病院であり、営利を追求するものではありません。また、人工島に移転することで過大な費用と過大な規模による経費増は一層経営主義に走らせ、こども病院そのものが自壊する恐れさえあります。福岡市はこども病の人工島移転と独立行政法人化は一体で進めており、こども病院人工島移転阻止と独立行政法人化阻止を求めて請願しました。
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2009年度2月補正予算案「病院事業に対する出資金」のうち、
福岡市立病院の地方独立行政法人化に遣われる予算案の否決を求める請願
請願理由
こども病院など福岡の市立病院を地方独立行政法人にすることに反対です。
1)地方独立行政法人化は、福岡市の宝を失うこと
地方独立行政法人化には数多くの問題が指摘されています。その一は、病院経営が自治体の行財政から切り離されることに依って、病院経営主義に陥り、患者・住民と医療現場の声から離れた効率化と経費削減が進められ、結果として住民が安心して医療を受けられない病院になるのではないかという問題です。今までは、市立病院だからこそ住民は安心して受診してきました。しかし独立法人でその安心が維持できるのでしょうか。また医療水準が維持できるのでしょうか。また、市長(首長)と理事長の権限が強くなり、市議会のチェック機能が低下する、引いては市民の監視行き届かなくなる問題もあります。結局、市立病院が地方独立行政法人になることによって、上記の市民の心配が解消されないまま、福岡市の宝、「福岡市には、こども病院など市立病院がある」との市民の誇りが失われかねないのです。
2)8億7660万円の病院事業予算案は、総務省会計基準不適合の現状を示すもの。
人工島でのこども病院開院は2014年に計画されていますが、2010年4月にもこども病院などを地方独立行政法人に変更する計画が進められています。福岡市は今回の補正予算で、病院経営基盤強化のためと称して「病院事業に対する出資金」名目で8億7660万円を計上しています。しかし、その大方は遣いみちが確定しないものです。総務省による地方独立法人認可の際の会計基準に到達するための予算組みであって、病院企業会計にプールされるものと説明されています。この予算案計上は、逆に、総務省会計基準に適合しないのが福岡市の現状であることを証明しているのです。
直営から、地方独立行政法人への病院経営主体の変更は、市民の健康増進を図り、医療を施すのは地方自治体としての福岡市の責務だとするこれまでの医療行政を180度転換させるものです。 検証すべき先例が少ないからこそ、公立病院の医療現場から「働き続けられる安心と働き甲斐」を、また患者や住民から「だれでも公平に受けられる安全と安心の医療」を奪うことになりかねない地方独立行政法人化の導入は白紙に戻すことが求められています。
市民が安心して医療を受けられるのは、地方独立行政法人ではなく、現行の市立病院つまり福岡市直営方式です。
よって、下記請願します。
請願項目
1.2009年度2月補正予算案「病院事業に対する出資金」のうち、
福岡市立病院の地方独立行政法人化に遣われる予算案を否決する
請願者
福岡市早良区
博多湾会議 代表 荒木龍昇
福岡市東区
博多湾会議 事務局長 脇 義重