去る10月30日に九電本社において説明会が行われました。会場は50人しか入れないという理由で参加者全員が入れず、一部交代で説明会がなされました。この説明会は公開で行われたとは言い難く、市民団体「みらい実行委員会」および「脱原発ネットワーク・九州」、「九電消費者株主の会」の質問に答えるということで開催されました。一般人には公開しておらず、また説明会場の報道の在り方や質問に対する回答は秘密主義で終始していました。
九電が使用するMOX燃料は九電の自主検査に合格しているので安全としていますが、九電が使用するMOX燃料は関西電力が規格外のものがあったとして使用をやめたMOX燃料を製造したメロックス社製です。九電が使用するMOX燃料は、関西電力で規格をはずれたMOX燃料と同じようなMOX燃料が混じっている可能性があり、九電で検証したのかを問いました。九電は安全性で問題となっている不純物の検査については企業秘密とし明らかにせず、メロックス社が大丈夫と言っているので安全であると答えることに終始しました。
MOX燃料の国の安全基準はなく、各電力会社の自主検査が保管する状況です。自主検査が電力会社によって異なることも問題で、国が統一的に安全基準つくことが必要です。現状では電力会社の自主検査を公表することが安全性について説明責任を果たすことになります。しかし、企業秘密を盾に問いに答えようとしない九電は説明責任を果たしたとは言えません。このような状況でプルサーマルの運転が始まることに誰が納得できるでしょうか。
もし玄海原子力発電所で事故が起これば、僅か50kmしか離れていない福岡市は西風に乗って広がる放射性物質にたちまち汚染されてしまいます。玄海原子力発電のプルサーマル運転は福岡市民にとって大変な問題なのです。プルサーマル運転が始まりましたが、是非とめなければなりません。そもそも、原子力発電そのものが危険であり、使用済みウラン燃料廃棄物の処理方法も定まらない状況で、更にプルサーマルに踏み込むことが問題です。プルサーマルを推進しているのはフランスぐらいで、世界的にも決してすすめられている訳ではありません。また原子力発電は発電時にはCO2を排出しないとしていますが、ウラン鉱の採掘、運搬、精製・濃縮と多くのエネルギーを使い多くのCO2を排出しています。さらに冷却後の温水を海に排出し、海水温を高めていることが地球温暖化を加速していることも忘れてはいけません。
地球温暖化対策は、私たちのエネルギー消費量を減らすことが第一、ついでエネルギー源を再生可能な自然エネルギーに転換することです。原子力発電に頼ることは地球温暖化に寄与しないばかりか、将来の世代に放射性廃棄物のゴミを残すことになります。エネルギー政策を抜本的に見直さなければいけません。
10月30日の説明会概要
1、秘密主義
公開で説明をしない
記録を取らせない・議事録を知らせることも拒否
質問には口頭でしか答えない・文書で回答しない
マスコミは頭取りしかさせない
2、重要のことは全て企業秘密
不純物の項目内容および不純物の総量の上限値さえ公表しない(燃料棒の安全性に関わる)
関西電力は公表しており、企業秘密とは考えられない
3、安全性の根拠がない
関西電力は自主検査の結果基準値を上回るものがあったためデーターをメロックス社に提供要請した
がメロックス社はデータ提供を拒否。関西電力は使用を断念。しかし、九電は関西電力と同じMOX燃
料製造メーカーフランス・メロックス社にデーターの要求はせずにメロックス社が「大丈夫といってい
る」といっているので安全としている。
4、九電にとって安全性よりも営業運転に支障がないことが重要と思わせる発言
燃料棒は輸入時に国の検査で安全とされているので安全。自主検査は運転上の品質管理のためで安全
性確保のためではないと説明。国の原子力保安院は安全性と品質管理という区別はないとしています。
5、安全性に関する責任の希薄さ
国は不純物に関する安全基準をもっておらず米国材料試験協会の基準を参考としている。輸入時に国
が安全としたとしてもその法的根拠がないのが現実。自主検査が安全性を補完しており、電力会社の自
主検査の内容を公開することが説明責任を果たすこととなる。
6、MOX燃料廃棄物の処理については2010年から考えるとしており、九電で長期にわたり保管しな
ければならない状況が出る可能性がある。
青森県六ヶ所村の再処理工場は事故続きで稼働の見通しが立たない状況
MOX年使用済み燃料は高温が500年ほど長く続き危険
プルトニュウムは極めて毒性が強く危険
放射能は色も臭いもなく危険はすぐには判らない