博多港開発H20年度決算黒字 その実態は福岡市が買い支える
08年度の博多港開発の決算が報告されました。08年度は14億円の黒字となっています。黒字の大きな要因は人工島の土地処分が進んだことにあります。08年度における博多港開発の土地処分面積7.9㌶の内人工島の土地は6.6㌶です。更に、人工島の処分土地の4.2㌶51億円は福岡市が購入した土地です。内訳はこども病院移転予定用地3.5㌶、道路用地0.7㌶となっています。福岡市が買い支えることで博多港開発の経営が成り立っていることが窺われます。
博多港発は福岡市がこども病院予定地を購入しなければ破綻すること、また銀行団の困ることになる事情が、決算書並びの土地の登記簿から見えてきます。決算書によれば博多港開発の借入残高は145億円です。借入残高145億円の内短期借入金は93億円、つまり自転車操業をしている実態が見えてきます。08年度の借り入れ支払い利息は5.5億円です。つまり博多港開発は福岡市が土地を購入してくれなければたちまち破綻する構造になっているのです。
では銀行団の事情はどうでしょうか。博多港開発の人工島の土地には全て銀行団の根抵当権が設定されています。銀行団は博多港開発が破綻すれば人工島の土地を差し押さえることができます。しかし、銀行団にとって土地を差し押さえても土地処分に時間と経費がかかり、差し押さえるよりも福岡市にかってもった方がよいのです。このように、こども病院人工島移転は、銀行団にとっても非常に重要な案件であった訳です。
こども病院の人工島移転はこどものためでもない、市民のためでもない、銀行への損失保証のためであり、また病院建設を巡る利権の場であることが見えてきます。