福岡市が09年2月27日に博多港開発とこども病院用地の売買契約を行い、3月27日に支払いを終えました。用地費は総額44億4,500万円、127,000円/㎡です。この契約に伴い登記簿を取り寄せました。登記簿を見ると博多港開発から購入した土地は全て銀行の根抵当権が設定されています。
平成13年3月に山崎前市長が「銀行には決して損はさせない」という念書を書き、平成14年に大幅な計画編をし、博多港開発が埋め立てた人工島の売れない土地は全て福岡市が買い取るという具体的な損失保証を始めました。その第1号が人工島の15㌶の中央公園です。土地代126億円、整備費65億円、完成後の維持管理費年間約1億円です。今回の土地購入の計を登記簿から見ると、平成14年の計画変更時に主運行した人工島の全ての土地に銀行団の根抵当権が設定されていたことがわかります。更に、平成20年3月に福岡銀行外地元4行で博多港開発の債権の肩代わりが行われたこともわかります。
また、平成14年以降福岡市は損失保証の一環として、博多港開発が資金繰りに行き詰まった時に銀行への返済が滞らないよう毎年200億円の貸付枠を予算化しました。博多港開発の土地処分が進まず資金繰りかが悪化し平成15年に福岡市が博多港開発に85億円の貸付をした時に、根抵当権を設定したこともわかります。
これらを見ると、博多港開発の土地を福岡市が買わなければ博多港開発は破綻し、土地は銀行に差し押さえられることになります。しかし、銀行が差し押さえても土地処分が難しく、債券が焦げ付く可能性が高く、銀行団は福岡市に買わせる、それも高い値段で買わせることにした経緯が想像できます。現にこども病院用地の価格はこれまでの博多港開発が処分した土地の価格で最も高い価格となっています。このことからも、こども病院人工島移転はこどものためでも市民のためでもない、銀行や建設業者の利権で移転が強行された様子が見えてきます。