08年度福岡空港離発着数大幅減少

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08年度福岡空港離発着回数7500回減少

 08年度福岡空港の離発着回数が7500回減少していることが速報値として報道されました。利用者数も巨細先約12万人、国際線48万人減少しています。離発着回数は2001年以降減少頭打ち、利用者数は2000年をピークに減少し続けています。世界経済は大きく変化し、また少子高齢化、人口減少、エネルギー・環境問題からも今後航空需要が増える要因は考えられません。新幹線との競合や経済状況に合わせて、航空各社も機体を小型化する、便数を削減しており離発着回数が伸びる要素はありません。

 これまで行われたPI(パブリックインボルメント)でもこのような問題既にしてしてきました。しかし推進派は過大な需要予測を作り上げ、新空港建設を進めようとしてきました。福岡空港の需要予測をした国土交通省の外郭団体は福岡市地下鉄七隈線の需要予測もしており、以下に作為的につくられたものか、実態を無視したものであることが今回の報告からも見て取れます。

 そもそも交通体系は全国的な視野で総合的に組み立てられるべきです。しかし、いまの日本の状況は各自治体・地域に野放しで空港がつられ、他の交通機関との整合性もない無政府状態とでも言える状況です。福岡県内においてさえトータルな交通政策は存在せず、ムダな税金が使われていることに本質的な問題があります。環境政策との整合性もなく、支離滅裂の政策といえます。ムダな税金を注ぎ込み、貴重な自然を破壊する愚はもうやめなければいけません。

 新福岡空港建設推進の背景には経済成長を唯一の価値とする発想にあります。目先の経済成長を求め、公共事業に頼らなければ地域経済が成り立たないという発想から転換が必要です。経済成長がなくても豊かになれる社会の実現が求められています。そのためには経済のローテク化が必要です。人手をかけるサービス、人手をかける生産、多品目少量生産、地域内流通をベースにしたひと・ものを大事にする経済です。グローバル化も民衆よる相互交流を目指すべきです。ハイテクとローテクが共存する新しい経済をつくる必要があります。

 アメリカの住宅バブル崩壊に端を発した昨年の世界金融恐慌は、世界経済の構造的な問題を浮き彫りにしました。実体経済の20倍もの過剰流動性が動脈瘤破裂という状況を生み出しました。グローバル化はアメリカのお金が全てに優先する価値観とその行動様式である新市場主義を世界に蔓延させ、世界に格差と貧困を再生産する構造が広がっています。地球環境および世界の人たちと共生できる価値観をもった社会を目指しましょう。新福岡空港建設問題から世界が見えてきます。