景気対策に無関係な道路用地購入・博多港開発救済はやめるべき

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12月議会 人工島の道路用地取得議案

 12月議会で2008年度一般会計補正予算案緊急経済対策など31億6千万円の補正予算が提案されました。そのなかで人工島第1工区(照葉地区)において、440m、幅員30mの道路用地7,547㎡m2を、1㎡あたり8万5千円、総額6億9,400万円で博多港開発(株)から購入し、住宅市街地総合整備事業として整備するという道路用地取得議案が出されています。港湾局長によれば来年度事業を景気対策として繰り上げて実施するとしています。
 補正予算で購入議案が出されているの道路は人工島中央公園北側に整備されるます。この道路の北側には、アジアビジネスゾーンとして計画されていた土地があります。アジアビジネスゾーンは参加する海外企業はなく、人工島事業見直しで商業用地に計画変更され、現在積水ハウス、福岡キャピタルパートナーズ、九電不動産、西鉄、西部ガスグループの共同企業体が商業施設を開発する予定となっています。
 今回の道路整備は本来博多港開発が開発者責任として整備されるべき道路です。福岡市が公共事業とすることで博多港開発の負担を軽減し救済するとともに、積水ハウス等の事業の便宜を図るものです。税金を投入しなければ事業が進まないという人工島事業の破綻状況を示すものといえるものです。
 来年度事業を繰り上げて実施するこの道路用地土地取得の背景は、現在こども病院移転予定購入の起債について総務省との協議が終了していないことにあります。総務省との協議の遅れにより、土地購入時期が遅れる可能性があることにあります。こども病院予定地売却が遅れるために、福岡市が博多港開発に繋ぎ資金を提供すると思われます。「銀行には決して損はさせない」という山崎前市長の念書はいまだに生き続けており、銀行に対する損失保証として売れない土地を福岡市が買い続ける姿勢が見えてきます。福岡市が土地取得ができるまで博多港開発に対して利息分と繋ぎ資金を提供するために景気対策に便乗し税金を使うという、人工島事業が市政を歪めている状況が繰り返されていると言えます。
 世界同時不況が一層深刻化し、国・地方財政は一層厳しくなる中で、景気対策とは無関係な税金を使うことには問題があります。これ以上博多港開発救済はやめるべきです。景気対策であれば教育や福祉に使う、雇用を確保する対策などに使うべきです。
 世界経済は大きく転換しようとしています。埋立事業を続けても展望がないことは明らかです。破綻した人工島事業にムダな税金を使うことはやめるべきです。