2008年11月13日
13日に市長及び各会派に申し入れと質問を出しました。17日まで回答を求めています。
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福岡市長
吉田 宏様
博多湾会議
代表 荒木龍昇
こども病院の人工島移転中止を求める会
代表 脇 義重
福岡市立こども病院の人工島移転手続きを中止することを求めます
今、市長はこども病院の人工島移転の行政手続きを続行しています。しかし、「福岡市立こども病院人工島移転の是非を問う住民投票条例制定」が市長に請求され、18日に召集される市議会で審議されるという事態を迎えた今、市民の意見を聞かずに、このままこども病院を人工島に移転していいのですか。
「こども病院住民投票条例制定」を求める市民の直接請求に「必要性なし」とした意見書のなかで、市長は「整備場所は市民に説明し、意見を伺った上で人工島が適地と判断した。市議会でも用地取得の予算の議決を得た。」旨述べました。私たちはこの市長発言を問題にします。果して市長の説明に市民は納得したのでしょうか。患者とその家族、多くの市民が納得できないまま質問が打ち切られ、市民が要望してやまなかった説明会の継続が実現されないまま今日に至っているのが現実ではないでしょうか。また、こども患者の救命にはこども病院が現在地にあることが不可欠であり東部偏在と交通利便の劣化などから人工島移転には反対だとする意見、毒グモの発見、騒音など人工島はこども病院立地の適地ではないとの指摘、移転によって市民の安心と安全を守る公立病院維持が困難になるとの心配を、市長はどのように反映したというのでしょうか。こうして市民を置き去りにしたままで、市議会で用地取得予算が議決されたからといって市長は予算を徒に執行していいのでしようか。
また、福岡市と粕谷、糸島、筑紫地区の小児科医師150人でつくる福岡地区小児科医会は10日に開いた臨時総会で、こども病院の人工島移転に反対することを決議しました。地域で頼られている小児科医師の立場に市長は理解を示し反対意見を受け容れ病院移転を中止すべきではないでしょうか。
私たちは次の理由で、予算執行の凍結を含む一切の、こども病院人工島移転の行政手続を中止し、すべての経過を市民に説明することを求めます。
理由
1 こども病院の人工島移転に疑問をいだき、中止を求める市民が多い。
こども病院の人工島移転に反対し、患者とその家族が集めた「こども病院の人工島移転を考える会」の市長宛陳情署名が8万2千筆以上となり、市民団体が集めた市議会への請願署名が合計で9万7千筆を超えました。移転中止を求める市民が多いことを示しています。また、「福岡市立こども病院人工島移転の是非を問う住民投票を実現させる会」に集まった市民の署名数は3万2千を超え、有効署名数3万545筆の連署で市長に直接請求し、11月18日に開催される市議会で審査されようとしています。1ヶ月という短期間に法定数を1万人以上も超える市民からの条例制定請求署名が集められ、中止も含めこども病院人工島移転行政に疑問を持つ市民が多いことが明らかになりました。
2 こども病院の移転先を人工島にした市の理由には根拠がない。
老朽化・狭隘化、高度医療用地確保などは移転の理由になりません。建物が立派になることより良い医療が受けられることの方が大切です。補修が施され、運営されている現在地で建替えは可能です。
3 新病院構想に現実性がない。
市は周産期医療センターを移転新病院に設置しようとしています。しかし、現実性があるのでしょうか。東京都立墨東病院の診療拒否死亡事件は、施設が整った病院で発生しました。産科、麻酔科、小児科の医師不足で定員も確保されなかったことに因るものです。福岡市は立派な病院を建てれば、自然と必要な医師が確保できると思っているのでしょうか。看護師など他の医療スタッフ確保と「働き続けられ、働き甲斐がある」医療環境づくりを先決することが大事ではないでしょうか。
4 市には移転・新築費に充てる市債(企業債)を新規発行する財政余裕はない。
福岡市の市債発行残高は依然2兆6千億円ほどあり、厳しい財政が続いています。世界同時不況が進行するなか、市の財政は厳しくなる一方です。当初の見直しにおいて経済性を優先すると言っていたにもかかわらず、人工島等への移転の事業費は150億円と現地建替えよりも大幅に増え、六本松移転と変わらない額に膨らんでいます。敷地面積もいつの間にか3.5㌶に拡大しています。加えて、ずさんな収支計画により病院経営の赤字を更に増やし、このままこども病院を人工島に移転させれば一層市民負担を増やすことになります。
5 人工島の環境は医療には適さない。
近隣候補地を切り捨て、毒グモが発見され、隣接港湾地区からの騒音・光公害に悩まされ、東部に偏在し、交通アクセスが低下し、甚大な地震被災が心配される市域東部の人工島移転には理由が伴っていません。
6 移転予定地は病院を建てるために埋め立てられたのではない。
1989年策定の博多港港湾計画では、移転用地は都市機能用地として計画され、また、最近の人工島計画でも「新産業・研究開発ゾーン」とされているだけで、こども病院のような大規模な医療施設建設は計画されていなかった。病院立地は公有水面埋立免許の土地利用計画にはありませんでした。
市長への要求
1. こども病院移転・新築費に充てる総務省との市債発行協議を含め、予算の執行を停止し、一切の関連行政手続きを直ちに中止すること。
2. こども病院の人工島移転について、改めて市民説明会を市内各地で行なうこと。
3. 新病院構想について、引き続き市民説明会を開催すること。
市長への質問
1. 「福岡市立こども病院人工島移転の是非を問う住民投票を実現させる会」の条例制定有効請求署名数30,545筆をどうのように受けとめていますか。
2. 福岡地区小児科医会のこども病院人工島移転反対決議をどのように受けてとめていますか。
3. 多くの福岡市産科医が人工島移転に反対していることをどう受けとめていますか。
4. 東京都立墨東病院の妊婦死亡問題でも全国の小児科医・産科医の減少が明らかになっていますが、福岡市の現状をどうとらえていますか。
5. 市民からこども病院人工島移転について疑問や中止を求める意見が絶えない経緯でも、市長は市民に説明責任を果たしたと言えるのですか。
6. 住民投票を住民自治の現れととらえていますか。
7. 総務省との移転関連の企業債発行協議の経過を明らかにし、公開すること。
8. 公有水面埋立免許時と土地利用計画が変更されていますが、国土交通大臣との計画変更手続きの一切の経過を明らかにすること。
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2008年11月13日
福岡市議会
各会派・議員の皆様
博多湾会議
代表 荒木龍昇
こども病院の人工島移転中止を求める会
代表 脇 義重
福岡市立こども病院の人工島移転手続きを中止することを求めます
今、市長はこども病院の人工島移転の行政手続きを続行しています。しかし、「福岡市立こども病院人工島移転の是非を問う住民投票条例制定」が市長に請求され、18日に召集される市議会で審議されるという事態を迎えた今、市民の意見を聞かずに、このままこども病院を人工島に移転していいのですか。
「こども病院住民投票条例制定」を求める市民の直接請求に「必要性なし」とした意見書のなかで、市長は「整備場所は市民に説明し、意見を伺った上で人工島が適地と判断した。市議会でも用地取得の予算の議決を得た。」旨述べました。私たちはこの市長発言を問題にします。果して市長の説明に市民は納得したのでしょうか。患者とその家族、多くの市民が納得できないまま質問が打ち切られ、市民が要望してやまなかった説明会の継続が実現されないまま今日に至っているのが現実ではないでしょうか。また、こども患者の救命にはこども病院が現在地にあることが不可欠であり東部偏在と交通利便の劣化などから人工島移転には反対だとする意見、毒グモの発見、騒音など人工島はこども病院立地の適地ではないとの指摘、移転によって市民の安心と安全を守る公立病院維持が困難になるとの心配を、市長はどのように反映したというのでしょうか。こうして市民を置き去りにしたままで、市議会で用地取得予算が議決されたからといって市長は予算を徒に執行していいのでしようか。
また、福岡市と粕谷、糸島、筑紫地区の小児科医師150人でつくる福岡地区小児科医会は10日に開いた臨時総会で、こども病院の人工島移転に反対することを決議しました。地域で頼られている小児科医師の立場に市長は理解を示し反対意見を受け容れ病院移転を中止すべきではないでしょうか。
私たちは次の理由で、予算執行の凍結を含む一切の、こども病院人工島移転の行政手続を中止し、すべての経過を市民に説明することを求めます。
各会派・議員の皆様には、上記の事柄が成就しますよう格別のご配慮をお願いし、下記の質問にお答えいただきますようお願いします。
理由
1 こども病院の人工島移転に疑問をいだき、中止を求める市民が多い。
こども病院の人工島移転に反対し、患者とその家族が集めた「こども病院の人工島移転を考える会」の市長宛陳情署名が8万2千筆以上となり、市民団体が集めた市議会への請願署名が合計で9万7千筆を超えました。移転中止を求める市民が多いことを示しています。また、「福岡市立こども病院人工島移転の是非を問う住民投票を実現させる会」に集まった市民の署名数は3万2千を超え、有効署名数3万545筆の連署で市長に直接請求し、11月18日に開催される市議会で審査されようとしています。1ヶ月という短期間に法定数を1万人以上も超える市民からの条例制定請求署名が集められ、中止も含めこども病院人工島移転行政に疑問を持つ市民が多いことが明らかになりました。
2 こども病院の移転先を人工島にした市の理由には根拠がない。
老朽化・狭隘化、高度医療用地確保などは移転の理由になりません。建物が立派になることより良い医療が受けられることの方が大切です。補修が施され、運営されている現在地で建替えは可能です。
3 新病院構想に現実性がない。
市は周産期医療センターを移転新病院に設置しようとしています。しかし、現実性があるのでしょうか。東京都立墨東病院の診療拒否死亡事件は、施設が整った病院で発生しました。産科、麻酔科、小児科の医師不足で定員も確保されなかったことに因るものです。福岡市は立派な病院を建てれば、自然と必要な医師が確保できると思っているのでしょうか。看護師など他の医療スタッフ確保と「働き続けられ、働き甲斐がある」医療環境づくりを先決することが大事ではないでしょうか。
4 市には移転・新築費に充てる市債(企業債)を新規発行する財政余裕はない。
福岡市の市債発行残高は依然2兆6千億円ほどあり、厳しい財政が続いています。世界同時不況が進行するなか、市の財政は厳しくなる一方です。当初の見直しにおいて経済性を優先すると言っていたにもかかわらず、人工島等への移転の事業費は150億円と現地建替えよりも大幅に増え、六本松移転と変わらない額に膨らんでいます。敷地面積もいつの間にか3.5㌶に拡大しています。加えて、ずさんな収支計画により病院経営の赤字を更に増やし、このままこども病院を人工島に移転させれば一層市民負担を増やすことになります。
5 人工島の環境は医療には適さない。
近隣候補地を切り捨て、毒グモが発見され、隣接港湾地区からの騒音・光公害に悩まされ、東部に偏在し、交通アクセスが低下し、甚大な地震被災が心配される市域東部の人工島移転には理由が伴っていません。
6 移転予定地は病院を建てるために埋め立てられたのではない。
1989年策定の博多港港湾計画では、移転用地は都市機能用地として計画され、また、最近の人工島計画でも「新産業・研究開発ゾーン」とされているだけで、こども病院のような大規模な医療施設建設は計画されていなかった。病院立地は公有水面埋立免許の土地利用計画にはありませんでした。
会派・議員への質問
1. 「福岡市立こども病院人工島移転の是非を問う住民投票を実現させる会」の条例制定有効請求署名数30,545筆をどうのように受けとめていますか。
2. 福岡地区小児科医会のこども病院人工島移転反対決議をどのように受けてとめていますか。
3. 多くの福岡市産科医が人工島移転に反対していることをどう受けとめていますか。
4. 東京都立墨東病院の妊婦死亡問題でも全国の小児科医・産科医の減少が明らかになっていますが、福岡市の現状をどうとらえていますか。
5. 市民からこども病院人工島移転について疑問や中止を求める意見が絶えない経緯でも、市長は市民に説明責任を果たしたと言えるのですか。
6. 住民投票を住民自治の現れととらえていますか。